【セルフチェック】不妊症かも?と妊娠できるか不安なあなたへ!
公開日:2024.07.29更新日:2024.08.05
赤ちゃんが欲しいのに授からないつらさを感じている方も多いのではないでしょうか。妊娠できるか不安な方は、簡単にできるセルフチェックをしてみるのがおすすめです。
本記事では、不妊症の原因や診断方法、治療法、最新の研究について詳しく解説します。記事を読めば、不妊症に対する理解を深め、適切な対策に向けたヒントが得られるはずです。
不妊症について網羅的に知りたい方はぜひ以下の記事も合わせてご覧ください。
>>不妊症とは?定義やなりやすい人の特徴・割合についても解説
不妊症のセルフチェック方法
「なかなか赤ちゃんを授からない…」と悩んでいる方は、まずご自身でできるセルフチェックを試しましょう。セルフチェックは簡易的ですが、自分の体と向き合い、妊娠しやすい体づくりについて考えるきっかけになります。
自宅でできる不妊症のセルフチェックツール
不妊症のセルフチェックは「原因の特定」や「治療」につながるものではありません。自身の体のリズムを把握し、不妊治療が必要かどうかを判断する材料の一つとして捉えてください。
自宅で簡単にできる不妊症のセルフチェックツールを3つご紹介します。
基礎体温計
毎朝決まった時間に舌の下で体温を測り、記録します。毎日続けることで、排卵の有無や月経周期の安定性を把握することが可能です。低温期と高温期の二層に分かれているのが理想的なグラフです。
基礎体温表は、ホルモンバランスの乱れや排卵障害のサインを見つける手がかりとなります。
排卵日予測検査薬
市販されている排卵日予測検査薬を使用することで、排卵のタイミングを予測可能です。尿中のホルモン濃度を測ることで、排卵の24~36時間前に陽性反応が出ます。
排卵日予測検査薬は、排卵のタイミングを予測するのに役立ちますが、正確な排卵日を特定できるわけではありません。
月経周期記録アプリ
月経周期記録アプリを利用すると、月経周期や基礎体温、排卵日などを簡単に記録・管理できます。アプリによっては、妊娠しやすい時期を予測してくれる機能も付いています。
月経周期記録アプリは、体のリズムを把握するのに便利です。ただし、アプリの情報だけで自己判断せず、医療機関を受診する際には、記録を持参して医師に相談しましょう。
不妊症のセルフチェック結果の解釈と対応策
セルフチェックの結果は、あくまでも目安です。結果が気になる場合や、不安な場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
セルフチェックの結果 | 対策 |
基礎体温が安定せず、排卵が確認できない場合 | ホルモンバランスの乱れや排卵障害の可能性があります。ホルモンバランスの乱れは、ストレスや生活習慣の乱れ、甲状腺機能異常などが原因で起こる可能性が高いです。 排卵障害は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や高プロラクチン血症、早発卵巣不全などが原因で起こります。 |
排卵日予測検査薬で陽性反応が出ない | 排卵誘発剤などの治療が必要となる可能性が高いです。排卵誘発剤には、飲み薬のクロミフェンや注射薬のhMG製剤などがあります。 |
月経周期の異常(短すぎる・長すぎる) | ホルモン異常や子宮の病気などが隠れている可能性が高いです。月経周期が短い場合は、黄体ホルモンの分泌不足や早期排卵などが考えられます。 月経周期が長い場合は、排卵障害や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などが考えられます。 |
不妊症のセルフチェック結果にもとづく医療機関の紹介
不妊症の検査や治療が行われるのは、産婦人科の中でも「不妊治療専門外来」や「不妊症専門クリニック」です。セルフチェックの結果、医療機関の受診が必要だと感じた場合は、専門機関に相談することをおすすめです。
不妊治療専門外来や不妊症専門クリニックでは、患者さんの状況に合わせて、適切な検査や治療を行っています。ホルモン検査や超音波検査・子宮卵管造影検査・精液検査などにより、不妊の原因を調べるイメージです。不妊治療に関する相談やカウンセリングなどもあるので、一人で悩まずに気軽に相談してみましょう。
神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、不妊治療に強みを持つクリニックです。不妊治療を検討している状況でも、専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。
>>当院への予約はこちらから
不妊症とは何か?
夫婦で妊活を頑張っているのに授からないという悩みを抱えているカップルは少なくありません。 現在6組に1組のカップルが不妊に悩んでいると言われています(WHOの調査より)。
>>不妊症とは?定義やなりやすい人の特徴・割合についても解説
不妊症の定義と影響
年齢や健康状態は人それぞれです。 「いつまでに子供が欲しい」という明確な定義はありません。 一般的には “妊娠を希望する夫婦が避妊をせずに1年間、規則的な性交渉を行っても妊娠しない場合” は「不妊症」と定義されます。
不妊症は、身体的な問題だけでなく、精神的な負担も大きいです。 周りの友人や家族が妊娠・出産を経験する中で「自分はなぜ…」と自分を責めてしまう方も少なくありません。 不妊症は決して特別なものではなく、原因を突き止めて適切な治療を行うことで妊娠の可能性は広がります。
不妊症の原因と種類
不妊症の原因は、女性と男性の両方に考えられ、大きく3つに分類されます。
- 女性側の原因
- 男性側の原因
- 原因不明
女性側の原因で最も多いのは、排卵に関するトラブルです。 卵巣から卵子がきちんと排出されない、あるいは排卵が不規則になることで、妊娠が難しくなる場合があります。子宮筋腫や子宮内膜症などで卵管が詰まっている、卵子の通り道に問題がある場合、着床しにくいと考えられます。
男性側の原因として多いのは、精子の数や運動量、形に問題がある場合です。精管閉塞などによって精子の通り道に問題がある場合、ホルモンバランスの乱れや生活習慣、ストレスなども原因と考えられます。
原因不明の不妊症も存在しており、 検査を行っても原因が特定できない場合があらいます。 原因不明の不妊症に対しても、さまざまな治療法を開発中です。
不妊症の原因について、以下の記事で詳しく説明していますのでぜひご覧ください。
>>不妊症の原因について!女性のみならず男性不妊や男女比も合わせて解説
不妊症の診断方法
不妊症の診断は、医師による問診と診察から始まります。 月経周期や過去の病歴、生活習慣などを確認します。 その後、女性側と男性側それぞれに必要な検査を行くう流れです。
【女性側の検査例】
- 基礎体温測定:毎朝決まった時間に体温を測り記録することで、排卵の有無やタイミングを把握します。
- ホルモン検査:血液検査でホルモンの値を調べることで、卵巣の働きや卵子の育ち具合をチェックします。
- 子宮卵管造影検査:子宮の中に造影剤を注入し、レントゲン撮影を行うことで、子宮内腔や卵管の通過性を確認することが可能です。
- 超音波検査:超音波を使って、子宮や卵巣の状態を観察します。 妊婦さんがお腹の中の赤ちゃんを見るために行うエコー検査と同じ方法です。
【男性側の検査例】
- 精液検査:採取した精液を顕微鏡で観察し、精子の数や運動率・形態などを調べます。
- ホルモン検査:血液検査でホルモンの値を調べることで、精巣の働きなどを評価します。
検査結果にもとづいて、不妊症の原因を特定し、適切な治療法を検討していく流れです。
不妊症の治療法について
ここでは不妊症の治療法について、選択肢やメリット、デメリット、費用、成功率など、さまざまな視点から解説します。
不妊治療の選択肢とメリット・デメリット
不妊治療には、大きく分けて「タイミング法」「人工授精」「体外受精」の3つの方法があり、異なる特徴があります。ステップアップ方式といって、段階的に治療を進めていく方法が一般的です。
タイミング法
メリット①:体の負担が少ない
メリット②:費用が比較的安い
メリット③:治療を始めるハードルが低い
デメリット①:成功率は他の治療法と比べて低い
デメリット②:効果が出るまでに時間がかかる場合がある
タイミング法は、自然妊娠に最も近い治療法です。排卵の時期に合わせて性交渉することで、妊娠の確率を高めます。基礎体温や市販の排卵検査薬を使って、最も妊娠しやすいタイミングを把握します。スマホアプリで基礎体温を記録や管理できるので手軽です。
>>【不妊治療の入口】タイミング法とはどんな治療?流れや費用、成功率について詳しく解説
人工授精
メリット①:タイミング法よりも妊娠率が高い
メリット②:体外受精と比べて費用が安い
メリット③:体の負担が少ない
デメリット①:体外受精と比べて成功率は低い
デメリット②:人工授精だけで複数回妊娠するのは難しい場合がある
人工授精は、採取した精液を洗浄して濃縮するなどの処理を行い、運動能力を高めた精子をカテーテルで直接子宮内に注入する方法です。タイミングを合わせるだけでなく、精子を子宮内に直接届けることで、妊娠の可能性を高めます。
>>人工授精ってどんな方法? 成功率や費用、プロセスを解説
体外受精
メリット①:妊娠率が最も高い
メリット②:他の治療法で妊娠できなかった場合でも妊娠の可能性がある
デメリット①:費用が高い
デメリット②:体への負担が大きい
デメリット③:精神的なストレスがかかりやすい
体外受精は、卵巣から卵子を採取し、体外で精子と受精させてから受精卵を子宮内に戻す方法です。体外で受精させることで、卵管の通過や子宮内膜への着床といったプロセスを補助できます。顕微授精(ICSI)は、運動能力の低い精子や数が極端に少ない精子でも、顕微鏡下で1つの精子を卵子に直接注入して受精を促せる方法です。
>>体外受精の基礎知識を解説!対象となる方や流れ、成功率、実態までがわかります
不妊治療の費用と保険適用
不妊治療の費用は、治療法や医療機関によって大きく異なり、治療内容や使用する薬剤によっても変動します。「タイミング法 < 人工授精 < 体外受精」の順に費用が高くなる傾向です。
治療法 | 費用(目安) | 備考 |
タイミング法 | 数千円~2万円 | 基礎体温計や排卵検査薬の費用を含む場合がある |
人工授精 | 3~5万円 | 医療機関や回数によって異なる |
体外受精 | 30~60万円 | 薬剤の種類や回数によって異なる |
2022年4月からは、不妊治療が保険適用となりました。費用の自己負担が軽減されていますが、それでも高額な費用がかかる場合があるため、治療前に費用のことも確認しておきましょう。
こちらの記事も合わせてご覧ください。
>>不妊治療の費用を治療内容別に解説!費用の負担を減らす方法についても詳しく紹介
>>2022年4月から不妊治療が保険適用に!年齢・回数の制限やデメリットについて詳しく解説
不妊治療の成功率と妊娠の可能性
不妊治療の成功率は、年齢や原因、治療法、医療機関などによって異なり、一概には言えません。一般的に年齢が若いほど、妊娠率は高くなる傾向があります。
年齢(歳) | 体外受精の妊娠率(目安) |
30歳未満 | 40~50% |
35歳未満 | 30~40% |
40歳未満 | 20~30% |
40歳以上 | 10~20% |
妊娠は、卵子の老化や精子の状態、子宮内膜の状態、ホルモンバランスなど、さまざまな要因が複雑に関係しています。
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>>不妊治療の成功率は?不妊治療しても授からない確率も合わせて解説
不妊治療による負担とリスク
不妊治療は、体への負担やリスクをともなう場合があります。体外受精では、ホルモン剤の使用による副作用や、卵巣過剰刺激症候群などのリスクもあるので、把握しておきましょう。
ホルモン剤の使用による副作用は以下のとおりです。
- 頭痛
- 吐き気
- だるさ
- 乳房の張り
- 体重増加
- 精神的な不安定
ホルモン剤は、卵巣を刺激して卵子を育てるために使用されます。副作用は、個人差が大きく、症状もさまざまです。
卵巣過剰刺激症候群は、ホルモン剤の使用によって卵巣が過剰に刺激されることで起こります。卵巣が腫れて腹痛や吐き気などの症状が出たり、重症化すると、呼吸困難や腎機能障害などを引き起こしたりする場合もあります。体外受精では、採卵時に針を刺すため、出血や感染症のリスクがあることも認識しておきましょう。
まとめ
不妊症は決して特別なものではありません。原因を突き止め、適切な治療を受けることで、妊娠の可能性は広がります。
- 不妊症の定義を理解し、自分に合った治療法を選択することが大切
- セルフチェックツールを活用し、早期発見、早期治療につなげる
- 最新の治療法や研究成果に注目し、新たな可能性を探る
- 信頼できる情報源やコミュニティを活用し、一人で抱え込まない
不妊に悩むカップルにとって、希望の光となる情報や支援は確実に増えています。諦めずに、前向きに取り組んでいきましょう。