人工授精の痛みと影響について!事前に知っておきたい重要ポイント
公開日:2024.07.30更新日:2024.12.12
人工授精にともなう痛みに対して不安を感じている方は多いのではないでしょうか。人工授精の痛みは生理的や精神的な要因が重なって起こるもので、感じ方は個人差があります。せっかくなら人工授精の痛みや影響を知り、前もって準備したいですよね。
本記事では、人工授精における痛みの原因や軽減方法、妊娠の可能性との関係性について解説します。記事を読めば、人工授精に対する不安を軽減し、安心して治療を受けるための具体的な方法がわかります。痛みを恐れず前向きに治療に臨む心構えもできるでしょう。
人工授精について網羅的に知りたい方は以下の記事をぜひご覧ください。
>>人工授精ってどんな方法? 成功率や費用、プロセスを解説
人工授精における痛みの原因とは
「人工授精って聞くと、なんだか痛そう…」と不安に思う方もいるかもしれません。確かに、細いチューブを使って精子を子宮内に送り込むと聞くと、身構えてしまうのも無理はありません。
人工授精自体は、痛みを最小限に抑えるように設計されていますが、全くの無痛というわけではないです。痛みの感じ方には個人差があり、生理的な要因に加えて、精神的な要因も大きく影響します。
人によっては少し違和感を感じる程度ですが、体質や体調次第では、強い痛みを感じる人もいるかもしれません。
人工授精における痛みの要因
人工授精にともなう痛みは、主に「子宮卵管造影検査」「内子宮口の通過」によるものです。それぞれ以下で解説しているので、痛みの要因を知っておきましょう。
子宮卵管造影検査
人工授精の前に、卵管が詰まりがないか確認するために、子宮卵管造影検査を行うことがあります。子宮の中に造影剤を流し込み、レントゲン撮影を行います。子宮の入り口である子宮頸管が狭かったり、卵管が詰まっていたりすると、お腹が張るような痛みを感じるかもしれません。
最近の研究では、子宮卵管造影検査で痛みがあっても、必ず卵管が詰まっているわけではないという報告もあります。痛みの感じ方には個人差があり、卵管の状態と必ずしも一致しないケースもあるようです。
内子宮口の通過
人工授精では、精子を子宮内に送り込むために、細いチューブを子宮の入り口(内子宮口)から通します。人によってはチクッとした痛みを感じることがあります。内子宮口が少し狭い場合や、緊張して筋肉が硬くなっている場合に起こりやすいです。
人工授精における痛みとメンタルの関係性
人工授精の痛みは、生理的な要因だけでなく、精神的な要因も大きく影響します。精神的な要因は主に以下の3つから生じます。
- 不安や恐怖心
人工授精を受けることに対する不安や恐怖心が強いと、実際よりも痛みを強く感じてしまうことがあります。不安や恐怖心によって交感神経が優位になり、体が緊張状態になるためです。 - 過去の経験
過去に婦人科系の検査や治療で痛みを経験したことがある場合、人工授精に対しても痛みを連想しやすくなります。過去の経験がトラウマとなり、不安や恐怖心を増幅させてしまうからです。 - ストレス
不妊治療は、精神的なストレスが大きいです。ストレスが溜まると体が緊張しやすく、痛みに敏感になってしまうことがあります。ストレスによって自律神経のバランスが乱れて、痛みの閾値が低下するためです。
人工授精における痛みを軽減する方法
人工授精の痛みを軽減するために、できることはたくさんあります。リラックスすることや痛み止めを服用すること、医師とコミュニケーションを取ることが大切です。痛みを軽減する方法は、以下のとおりです。
- リラックス
緊張すると筋肉が硬くなり、痛みを感じやすくなります。深呼吸をしたり、好きな音楽を聴いたりして、リラックスすることを心がけましょう。ヨガやアロマテラピーなどでもリラックス効果が期待できます。ご自身がリラックスできる方法を見つけて、施術前に取り入れてみましょう。 - 痛み止めの服用
痛みが心配な場合は、事前に医師に相談して、痛み止めを処方してもらうこともできます。人工授精前に服用する場合は、体への負担が少ないものを選びましょう。 - 医師とのコミュニケーション
不安な点は、遠慮なく医師に相談しましょう。痛みの原因や改善方法について、丁寧に説明してくれます。医師との信頼関係を築くことは、安心して治療を受ける上で大切です。疑問点や不安なことがあれば、遠慮なく質問しましょう。
人工授精の痛みは多くの場合、一時的なものであり、妊娠の可能性に直接的な影響を与えるものではありません。痛みを恐れて治療をためらわずに、医師と相談しながら、安心して治療を進めましょう。
まとめ
人工授精にともなう痛みは、以下の要因によって引き起こされます。
- 生理的要因:子宮卵管造影検査や内子宮口の通過時の痛み
- 精神的要因:不安や恐怖心や過去の経験、ストレスなど
痛みを軽減するためには、リラックスすることや痛み止めの服用、医師とのコミュニケーションが有効です。痛みは一時的なもので、妊娠の可能性に直接的な影響はありません。人工授精に対して不安を感じている方は、この記事を参考にして、安心して治療を進めていきましょう。
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参考文献
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- 子宮内人工授精の最適化:臨床治療の追加における有効性と安全性の体系的レビューとメタ分析.