ソフィアレディスクリニック

妊娠しにくい人の特徴とは?原因と改善策を徹底解説

公開日:2024.11.22
更新日:2024.12.12

妊娠したいのに、なかなか授からないと悩んでいる方は、実は少なくありません。現代社会では、さまざまな要因が妊娠に影響を与えることが明らかになっています。年齢や体重、生活習慣などは、妊娠の確率を左右する重要な要素です。

この記事では、妊娠しにくい人の5つの特徴と、改善策を解説します。妊娠しやすくなるように、記事の内容を実践してみましょう。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、妊娠の悩みに強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。

妊娠しにくい人の特徴|5つの原因

妊娠しにくい原因は人それぞれですが、いくつかの共通する特徴があります。妊娠しにくい人に考えられる5つの原因を解説します。 

年齢による卵子の老化

女性の卵子は、年齢とともに数と質が低下します。35歳を過ぎると妊娠率がぐっと下がり、40歳を過ぎるとさらに急激に低下します。年齢を重ねると、卵子の数が減少し、染色体異常の割合が増加するためです。卵子の老化は自然なことで、誰にでも起こりますが、妊娠を希望する場合は、年齢も一つの大切な要素です。

男性も年齢を重ねると精子の運動率やDNAの損傷率といった精子の質が低下しますが、女性ほど急激ではありません。しかし、男性側の加齢も妊娠率の低下につながるため、注意が必要です。

肥満、低体重によるホルモンバランスの乱れ

体重も妊娠に大きく関わっています。BMI(ボディマス指数)が18.5未満の低体重や、25以上の肥満は、ホルモンバランスを乱し、排卵障害などを引き起こす可能性があります

適正体重の目安は、BMI=18.5〜24.9です。BMIは、体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)で計算できます。

BMIが18.5未満の低体重の場合、女性ホルモンの分泌が低下し、無月経や排卵障害が起こりやすくなります。逆に、BMIが25以上の肥満の場合も、ホルモンバランスが乱れ、排卵障害や生理不順のリスクが高いです。適正体重の維持は、妊娠をサポートする健康な体づくりに欠かせません。

喫煙による卵巣機能の低下

喫煙は卵巣の血流を悪化させ、卵子の発育に影響を与える可能性があるため注意が必要です。喫煙は卵巣の血流を悪くし、卵子の発育を阻害するだけでなく、卵子の染色体異常のリスクも高めます。受動喫煙も同様に悪影響を及ぼします。妊娠を希望する場合は、禁煙が大切です。

禁煙は、妊娠だけでなく、あなた自身の健康のためにも重要です。

クラミジアなどの性感染症の影響

クラミジアなどの性感染症は、卵管の炎症を引き起こし、卵管が詰まる場合があります。卵管は、卵子と精子が出会うための大切な通路です。卵管が詰まると、精子が卵子にたどり着けないため、妊娠しにくくなってしまいます

クラミジア感染症は症状が軽微または無症状であることが多く、治療が遅れると卵管炎症や卵管閉塞を引き起こすリスクがあります。過去に性感染症にかかったことがある方は、一度検査を受けましょう。

ストレスによるホルモンバランスの乱れ

強いストレスは、ホルモンバランスを乱し、排卵に影響を与える可能性があります。ストレスをため込まないように、リラックスする時間を作ったり、趣味を楽しんだりしましょう。

ストレスを感じやすい方は、ヨガや瞑想など、自分にあったストレス解消法の発見が大切です。パートナーや家族への相談や、専門家のサポートも有効です。

妊娠しやすくなるための改善策6選

妊娠を望んでいるのに、なかなか赤ちゃんを授からないと悩んでいるのは、あなただけではありません。妊娠には生活習慣や心身の健康状態が大きく影響しています。ご自身の生活を振り返りながら、今日からできる6つの改善策を確認しましょう。

適度な運動で血行促進する

運動不足だと、全身の血行が悪くなり、子宮や卵巣への血液供給も滞ってしまいます。栄養や酸素が十分に届かないと、卵子の発育や子宮内膜の成長が阻害され、妊娠しにくくなります。

適度な運動により、子宮や卵巣の活性化が可能です。ウォーキングやヨガ、軽いジョギングなどを生活に取り入れてみましょう。1日30分程度、週に3回以上を目安に、無理なく続けられる範囲で続けることが大切です。

近所のスーパーまで歩いて買い物に行ったり、毎朝1駅分歩いて通勤したりするだけでも、血行促進効果が期待できます。激しい運動はかえって逆効果になる場合もあるので、自分の体調に合わせ、心地良いと感じる程度の運動を心がけましょう。

特にヨガは、心身をリラックスさせ、ホルモンバランスを整える効果も期待できます。妊娠を望む女性にとって、心身の健康は重要です。

バランスの取れた食事をとる

妊娠をサポートする体を作るためには、バランスの良い食事が欠かせません。食事は、体の土台を作るようなものです。丈夫な土台があってこそ、健やかな妊娠、そして出産へとつながります。特に、葉酸や鉄分、亜鉛、ビタミンDなどは、妊娠に必要不可欠な栄養素です

それぞれの栄養素の特徴を以下で解説します。

  • 葉酸:細胞分裂や成長に不可欠な栄養素で、妊娠初期の胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減します。ほうれん草やブロッコリー、イチゴなどに多く含まれています。
  • 鉄分:赤血球を作るのに必要です。妊娠中は貧血になりやすいので、レバーやひじき、小松菜などを積極的に摂取しましょう。
  • 亜鉛:細胞分裂やタンパク質合成に関わる重要な栄養素で、卵子の質を高める効果も期待できます。牡蠣や牛肉、アーモンドなどを食べましょう。
  • ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、骨の形成に重要な役割を果たします。鮭や卵黄、きのこ類などに多く含まれています。

妊娠を望む方は、上記の栄養素をバランス良く摂り、健康的な食生活を送りましょう。

妊娠したいと考えている方は、普段からの食事や飲酒についても気をつける必要があります。以下では、妊活中に注意すべき食べ物やアルコール摂取に関して記載しているのでチェックしてみてください。
>>妊活中に注意すべき食べ物は?妊活で摂りたい栄養素やおすすめレシピも紹介
>>妊活中はお酒を飲んでも大丈夫?妊活中のお酒との向き合い方を徹底解説

質の高い睡眠でホルモンバランスを整える

睡眠は、体を休ませるだけでなく、ホルモンバランスを整えるためにも重要です。睡眠不足は、女性ホルモンの分泌を乱し、排卵障害や月経不順などを引き起こす原因になります。

質の高い睡眠とは、ぐっすり眠れて、朝スッキリ目覚められる状態です。睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりすると、ホルモンバランスが乱れ、妊娠しにくくなります。

睡眠不足は妊娠の大敵です。妊娠を望む女性は、毎日7時間以上の睡眠を確保してください。寝る前にカフェインを摂取したり、スマートフォンを長時間見たりすることは避けましょう。アロマを焚く、ハーブティーを飲むなど、リラックスできる環境を作ることも大切です。

禁煙で卵巣機能を改善する

喫煙は、卵巣機能の低下や卵子の老化を早める原因になります。受動喫煙も同様に悪影響を及ぼすため、妊娠を望む女性はもちろん、パートナーの禁煙も大切です。

タバコの煙には、卵巣の細胞を傷つける有害物質が含まれています。タバコに含まれる有害物質は卵巣の機能を低下させ、妊娠を阻害します。禁煙は、妊娠をサポートする健康な体づくりだけでなく、あなた自身の健康、未来の赤ちゃんのためにも重要な選択です。

ストレス軽減で心身のリラックスをする

ストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、妊娠しにくくする原因です。ストレスを溜め込まないよう、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。

好きな音楽を聴いたり、映画を見たりするなど、リラックスできる時間を作るようにしましょう。友人や家族に話を聞いてもらうことも、ストレス軽減につながります。

排卵日を把握しタイミングを合わせる

妊娠には、排卵日に合わせた性交渉が欠かせません。排卵日を把握する方法には、基礎体温を毎日測定する方法や、排卵検査薬を使用する方法があります。

基礎体温は、毎朝起きたときに舌下で体温を測り記録することで、排卵のタイミングを予測できます。低温期から高温期に移行する時期が、排卵の目安です。

排卵検査薬は、尿中の黄体形成ホルモン(LH)の濃度を測定することで、排卵日を予測できます。LHサージと呼ばれるLHの急激な上昇を捉えれば、より正確に排卵日を予測可能です。

排卵日を正確に把握し、性交渉のタイミングを合わせることで、妊娠の確率を高められます。

妊活のベストタイミングが知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
>>妊活のベストタイミングはいつ?成功率を上げるコツを医師が解説

妊娠の可能性を高めるための医療サポート

なかなか妊娠できないときは、一人で悩まずに、医療のサポートを受けましょう。不妊治療と聞くと、大がかりなものを想像する方も多いです。実際はさまざまな方法があり、あなたの状況や希望に合わせた最適な治療法を選択できます。妊娠の可能性を高めるための医療サポートを解説します。

不妊治療専門医への相談

まずは不妊治療専門医へ相談に行きましょう。不妊治療専門医とは、妊娠に関する専門的な知識と技術を持った医師です。

不妊治療専門医は、血液検査によるホルモンバランスのチェックや、超音波検査による子宮や卵巣の検査を通して、不妊の原因を丁寧に探ります。

不妊治療専門医は、検査結果を総合的に判断し、あなたにとって最適な治療法を提案します。年齢や体質、そしてご家族の希望も考慮しながら、一緒に治療方針を決めていくので、安心して相談してください。

排卵誘発剤やホルモン治療の活用

排卵誘発剤やホルモン治療は、妊娠を希望する方にとって基本的な治療法の一つです。排卵が不規則だったり、無排卵の状態が続いていたりする場合に使用され、排卵を促すことで妊娠の可能性を高める可能性があります。

ホルモンバランスを整えるためにホルモン補充療法が行われる場合もあります。例えば、黄体ホルモンの不足が原因で妊娠が難しい場合には、プロゲステロンを補う治療が有効です。

排卵誘発剤やホルモン治療は比較的簡単に始められるため、まず検討される治療法です。排卵誘発剤やホルモン治療は、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などのリスクがあるため、専門医の指導のもとで行いましょう。

人工授精や体外受精の選択肢

人工授精や体外受精は、不妊治療で排卵誘発剤やホルモン治療の次のステップとして考えられる治療法です。人工授精(IUI)は、精子を採取し、濃縮・洗浄したうえで、排卵に合わせて子宮内に直接注入する方法です。

精子が子宮内に到達する確率を高められるため、妊娠の可能性が向上します。特に、男性側の精子の運動率が低い場合や、タイミング法が効果を示さない場合に有効です。

体外受精(IVF)は、卵子を取り出し、体外で精子と受精させた後、受精卵を子宮内に戻す方法です。卵管の閉塞や精子の運動性が極めて低い場合に選ばれる治療法で、技術の進歩により成功率も年々向上しています。

人口受精や体外受精などの治療法は、個々の状況に応じて選択されます。費用や身体的負担などを医師と相談しながら進めることが大切です。

まとめ

妊娠しにくい原因には、以下の要因が挙げられます。

  • 年齢による卵子の老化
  • 肥満や低体重によるホルモンバランスの乱れ
  • 喫煙による卵巣機能の低下
  • クラミジアなどの性感染症
  • ストレスによるホルモンバランスの乱れ

妊娠の確立を高めるには、適度な運動やバランスの取れた食事、質の高い睡眠、禁煙などが有効です。

妊娠を希望する場合は、一人で悩まずに不妊治療専門医への相談も検討してください。専門医は不妊の原因を特定し、個々の状況に合わせた適切な治療法を提案します。

不妊症について網羅的に知りたい方はぜひ以下の記事も合わせてご覧ください。
>>不妊症とは?定義やなりやすい人の特徴・割合についても解説

参考文献

  1. Collée J, Mawet M, Tebache L, Nisolle M, Brichant G. “Polycystic ovarian syndrome and infertility: overview and insights of the putative treatments.” Gynecological endocrinology 37, no. 10 (2021): 869-874.
  2. Carson SA, Kallen AN. “Diagnosis and Management of Infertility: A Review.” JAMA 326, no. 1 (2021): 65-76.
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