
エストロゲンを増やす効果的な方法!食事と運動で女性ホルモン改善
公開日:2025.02.26更新日:2025.02.26
加齢とともに訪れる体の変化に戸惑っていませんか?特に女性ホルモン「エストロゲン」の減少は、更年期障害や肌の老化、骨粗しょう症のリスク増加など、さまざまな不調につながります。
エストロゲンは、女性の心身ともに健康を保つうえで重要な役割を果たしているホルモンです。思春期以降、女性らしい体つきや肌のハリ・ツヤ、月経周期などを調整し、妊娠・出産にも深く関わっています。この記事では、エストロゲンを増やす効果的な方法を紹介します。
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エストロゲンを増やすための食事と栄養
エストロゲンを増やすための食事と栄養は以下のとおりです。
- 大豆製品に含まれるイソフラボンの効果
- ビタミン・ミネラルを豊富に含む食品
- 良質な脂質の摂取
- バランスの良い食事でホルモンバランスを整える
大豆製品に含まれるイソフラボンの効果
大豆製品には、イソフラボンという成分が豊富に含まれています。イソフラボンは、化学構造がエストロゲンと似ているため、体内でエストロゲンと似たような働きをすることが知られています。「植物性エストロゲン」とも呼ばれ、エストロゲンが不足している際の代わりになります。
イソフラボンを多く含む食品は、豆腐や納豆、味噌、きな粉など日本の食卓では馴染み深いものばかりです。無理なく毎日続けられるよう、さまざまな料理に取り入れてみましょう。朝食に納豆をプラスしたり、味噌汁に豆腐を入れたり、おやつにきな粉牛乳を飲んだりするなど、工夫次第で手軽に摂取できます。
ビタミン・ミネラルを豊富に含む食品
ビタミンやミネラルが不足すると、エストロゲンがスムーズに作られなくなってしまいます。エストロゲンはコレステロールを原料に体内で作られます。コレステロールをエストロゲンに変換する過程では、さまざまなビタミンやミネラルが関わっています。おすすめの食材は以下のとおりです。
- 緑黄色野菜
- 果物
- 海藻類
緑黄色野菜はビタミンAやビタミンC、ビタミンEなどが豊富です。果物にはビタミンCやカリウムなどが含まれています。海藻類には鉄分やマグネシウムなどのミネラルが豊富です。鉄分はエストロゲンだけでなく、赤血球を作るためにも必須の栄養素です。レバーや牡蠣、しじみなどを積極的に摂りましょう。
良質な脂質の摂取
脂質はエストロゲンの材料となるコレステロールを作るためには必要不可欠な栄養素です。脂質には、体に良い脂質と悪い脂質があります。
良い脂質は、主に魚介類に多く含まれるオメガ3系の脂肪酸やナッツ類、アボカドなどに含まれる不飽和脂肪酸です。コレステロール値を下げ、血液をサラサラにする効果も期待できます。悪い脂質は、揚げ物やインスタント食品、お菓子などに多く含まれる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸です。コレステロール値を上げ、血液をドロドロにする原因となるため、なるべく控えましょう。
バランスの良い食事でホルモンバランスを整える
食生活のリズムを整えることは、ホルモンバランスを整えることにもつながります。炭水化物やタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂るように心がけましょう。主食や主菜、副菜をそろえると栄養バランスが整いやすくなります。
毎日同じ時間に3食をきちんと食べることも大切です。バランスの良い食事は、エストロゲンの分泌だけでなく、自律神経や免疫機能のバランスも整え、心身の健康維持につながります。
エストロゲンを増やす運動と生活習慣
エストロゲンを増やす運動と生活習慣は以下のとおりです。
- 適度な有酸素運動で血行促進
- リズム運動と股関節運動の効果
- 7〜8時間の質の良い睡眠でホルモンバランス改善
- ストレスを軽減し、自律神経を整える
適度な有酸素運動で血行促進
適度な有酸素運動は、エストロゲンの分泌に良い影響を与えます。運動によって血行が促進されると、卵巣への血液供給も向上し、エストロゲンの産生をサポートする可能性があるといわれています。閉経後の女性を対象とした研究では、有酸素運動を継続することで、エストロゲン減少によるインスリン作用の低下を改善できるという報告があります。
ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなど、無理なく続けられる有酸素運動を選びましょう。1日30分を目安に、週に3回以上行うのが理想的です。息が少し上がる程度の強度の運動がおすすめです。毎日少しずつでも続けることで、エストロゲン分泌の増加につながります。
リズム運動と股関節運動の効果
リズム運動とは、一定のリズムで筋肉を動かす運動です。ヨガやピラティス、太極拳などが挙げられます。リズム運動は自律神経を整える効果があり、ホルモンバランスの改善やエストロゲン分泌の促進に役立ちます。
股関節を動かす運動も、エストロゲンを増やすために効果的です。股関節の周辺には子宮や卵巣などの女性ホルモンに関わる臓器が集中しています。スクワットやストレッチなど、股関節を意識的に動かす運動を取り入れてみましょう。
7〜8時間の質の良い睡眠でホルモンバランス改善
睡眠不足は、ホルモンバランスを崩す大きな原因です。エストロゲンは、睡眠中に分泌される成長ホルモンと密接に関係しています。成長ホルモンは骨や筋肉の成長を促すだけでなく、代謝を調整したり、免疫機能を維持したりと、さまざまな役割を担っています。
質の良い睡眠をしっかりとることで、成長ホルモンの分泌が促され、エストロゲンの分泌もスムーズになります。毎晩7〜8時間の睡眠時間を確保するように心がけましょう。睡眠の質を高めるためには、以下の行動も重要です。
- 寝る前にカフェインを摂らない
- リラックスできる環境を作る
- 寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見ない
- ぬるめのお風呂に入る
- 軽いストレッチを行うなど
十分な睡眠は全身の健康に欠かせません。できそうなことから、少しずつ睡眠習慣を改善しましょう。
ストレスを軽減し、自律神経を整える
ストレスは自律神経のバランスを崩し、ホルモン分泌に悪影響を与えます。ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールは、過剰に分泌されるとエストロゲンを含む他のホルモンの分泌を抑制する可能性があります。
自分なりのストレス解消法には、以下の方法を取り入れるのも効果的です。
- 趣味に没頭する
- リラックスできる音楽を聴く
- アロマを焚く
- 自然の中で過ごす
- 友人や家族と過ごす
- ペットと触れ合う
- 軽い運動やストレッチ
自分に合った方法でストレスを軽減しましょう。自律神経が整うことで、ホルモンバランスも整い、エストロゲンの分泌が促されます。
食事や運動、ストレスなどの日頃の生活習慣は、妊娠のしやすさにも影響を及ぼします。以下の記事では、すぐ妊娠できる人の特徴や生活習慣について解説していますので、あわせてご覧ください。
>>すぐ妊娠できる人の特徴と生活習慣!体質改善で妊活の成功率アップ
エストロゲンを増やす医療的アプローチ
エストロゲンを増やす医療的アプローチは以下のとおりです。
- ホルモン補充療法(HRT)
- 排卵誘発剤によるエストロゲン増加
- 漢方薬
ホルモン補充療法(HRT)
ホルモン補充療法(HRT)は不足しているエストロゲンを外から補充することで、更年期障害の改善や、骨粗しょう症の予防を期待する治療法です。HRTには飲み薬や貼り薬、塗り薬などさまざまな種類があり、患者さんの状態やライフスタイルに合わせて最適な方法を選択できます。
HRTは子宮体がんや乳がん、血栓症などのリスク増加も懸念されるため、エストロゲンとプロゲステロンの併用療法が選択されることが多いです。子宮筋腫はエストロゲンによって増大するため、子宮筋腫のある患者さんではHRTの使用には注意が必要です。
子宮内膜症や子宮筋腫などは、不妊の原因となることがあります。子宮筋腫の原因・子宮内膜ポリープの手術について詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。
>>子宮筋腫の原因は女性ホルモンの変化?ピルや性行為との関係についてもわかりやすく解説
>>子宮内膜ポリープは手術で治る?痛くない手術の実施方法や費用・保険適用有無について解説
排卵誘発剤によるエストロゲン増加
排卵誘発剤は排卵を促すことでエストロゲンの分泌を促す薬です。主に不妊治療で使用されますが、エストロゲンを増やす目的で用いられることもあります。排卵誘発剤には、飲み薬、注射薬など複数の種類があり、患者さんの状態に合わせて適切な薬剤が選択されます。
排卵誘発剤はエストロゲンを増やす一方、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの副作用を引き起こす可能性があります。OHSSは、卵巣が腫れて腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が現れる病気です。重症化すると、呼吸困難や腎不全などの生命に関わる合併症を引き起こす可能性もあるため、適切な使用量と使用期間を守ることが重要です。
不妊症について網羅的に知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
>>不妊症とは?定義やなりやすい人の特徴・割合についても解説
漢方薬
漢方薬は自然由来の生薬を組み合わせた治療法です。エストロゲンを直接増やす効果はありませんが、ホルモンバランスを整え、更年期障害の症状を緩和する効果が期待できる漢方薬もあります。体質や症状に合わせて、適切な漢方薬が選択されます。
漢方薬は比較的副作用が少ないですが、効果が穏やかで、即効性は期待できません。個人差があり、体質に合わない場合は、吐き気や下痢などの症状が現れることもあります。他の薬との相互作用も考えられるため、使用前に医師や薬剤師に相談してください。
治療を受ける際にはメリットだけでなく、デメリットについても十分に理解しておくことが重要です。治療方針を決める際は、医師とよく相談し、ご自身の状況に合った方法を選択しましょう。
まとめ
エストロゲンは女性の健康を支える重要なホルモンです。加齢とともに分泌量が徐々に減少します。40代後半から50代前半にかけて閉経を迎えると、エストロゲンの減少は顕著になり、更年期障害をはじめとするさまざまな不調を引き起こします。
エストロゲンを増やすには、バランスの良い食事や適度な運動などが重要です。更年期障害の症状が重い場合は、医療機関への相談も検討しましょう。HRTや排卵誘発剤の使用、漢方薬によってエストロゲンの増加が期待できます。医師と相談しながら自分に合った方法を見つけることが大切です。
以下の記事では、女性ホルモンが関連する子宮筋腫について、詳しく解説していますのであわせてご確認ください。
>>子宮筋腫の原因は女性ホルモンの変化?ピルや性行為との関係についてもわかりやすく解説
参考文献
- Mizuho Kawakami, Naoko Yokota-Nakagi, Akira Takamata, Keiko Morimoto. Endurance running exercise is an effective alternative to estradiol replacement for restoring hyperglycemia through TBC1D1/GLUT4 pathway in skeletal muscle of ovariectomized rats. J Physiol Sci, 2019, 69(6), p.1029-1040.
- Courtney R Cameron, Stacey Cohen, Keri Sewell, Meissane Lee. The Art of Hormone Replacement Therapy (HRT) in Menopause Management. J Pharm Pract, 2024, 37(3), p.736-740.