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妊娠検査薬のフライングは避けたい!適切な使用時期と判定の読み方

公開日:2025.02.26
更新日:2025.02.26

妊娠を望んでいるとき、検査結果をできるだけ早く知りたいという気持ちは自然なことです。しかし、フライング検査には落とし穴があることをご存知ですか? 生理予定日よりも前に検査すると、実際には妊娠していても陰性と判定される「偽陰性」のリスクが高まります。 せっかくの検査も、正確な結果が得られなければ意味がありません。

本記事では、妊娠検査薬を適切に使い、結果を正しく理解するためのポイントをわかりやすく解説します。 記事を読むことで、フライング検査の落とし穴から、検査時期、判定方法、そして万が一の時の相談窓口まで、妊娠検査薬に関する疑問を解消できます。安心して検査に臨めるよう、ぜひご一読ください。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、妊娠の悩みに強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。

妊娠検査薬はいつ使うべき?フライング検査のリスクとは

フライング検査は生理予定日よりも前に検査をするのでリスクが伴います。本当に妊娠しているかどうかを正しく知るためにも、適切な時期に検査をすることが大切です。

フライング検査の正確性

フライング検査の精度は、十分ではありません。ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は妊娠初期に急速に増加しますが、フライング検査の時期では、まだhCGの量が十分でない可能性があります。妊娠していても検査薬が反応しない「偽陰性」という結果が出やすいです。

妊娠検査薬の感度は年々向上しており、生理予定日以降は、多くの場合で正確な結果が得られます。ただし、個人差があります。フライング検査では確率が下がってしまい、せっかく検査をしても正確な結果が得られない可能性が高くなります。

偽陰性と偽陽性の可能性

偽陰性とは、実際は妊娠しているのに検査結果が陰性になってしまうことです。受精卵が子宮に着床して初めてhCGが分泌され始め、着床から数日後には尿中にhCGが検出されるようになりますが、フライング検査では微量のhCGを検出できないことが多いため、偽陰性となるのです。

偽陽性とは、妊娠していないのに陽性反応が出てしまうことです。特定の薬剤の使用や医学的状態により生じる可能性があり、妊娠検査薬はhCGに特異的に反応するように作られています。不安な場合は医療機関での確認をおすすめします。

正しい検査時期と判定時間

妊娠検査薬を使用する正しい時期は、生理予定日以降です。生理予定日から1週間後であれば、正確な結果が得られます。生理予定日以降は、ほぼすべての妊娠でhCGが十分に分泌されているため、検査の精度が最も高くなります。確実な結果を得るためにも、生理予定日まで待つことをおすすめします。

検査薬によって判定時間は異なりますが、通常は数分以内です。検査薬のパッケージに記載されている説明書をよく読んで、正しい手順で検査を行いましょう。判定時間を過ぎた結果は正確性が低下するため、必ず時間内に確認しましょう。

生理予定日と検査の関係

生理予定日は、妊娠検査薬を使用する際の重要な目安です。生理周期が規則的な人は、前回の生理開始日から計算することで生理予定日を知ることができます。生理周期が28日の人であれば、前回の生理開始日から28日後が生理予定日です。

生理周期が不規則な人もいます。過去の生理周期の平均を計算するか、基礎体温を測って排卵日を推定することで、おおよその生理予定日を把握できます。基礎体温は、毎朝起床時に舌下で測る体温のことです。排卵が起こると基礎体温が上昇するため、基礎体温の変化から排卵日を推定できます。

排卵日がわかれば、そこから約2週間後が生理予定日となります。生理予定日以降に検査を行うことで、より正確な結果を得ることができ、不安や心配を減らすことができます。

以下の記事では、基礎体温と妊娠時の高温期の関係性を解説しています。気になる方は是非チェックしてみてください。
>>基礎体温と妊娠した時の高温期の関係性とは?特徴と見分け方を解説

妊娠検査薬を使用前に知っておきたい3つのこと

妊娠検査薬を使う前に知っておくべき大切なことは以下のとおりです。

  • 妊娠検査薬の種類と特徴
  • 妊娠検査薬の仕組みとhCGホルモン
  • 検査の精度

妊娠検査薬の種類と特徴

妊娠検査薬は、大きく分けて以下の2つのタイプに分類されます。

  • 生理予定日当日から使えるタイプ
    感度が高いことが特徴です。妊娠初期に分泌される少量のhCGホルモンでも検出できるため、少しでも早く結果を知りたいという方に選ばれています。しかし、感度が高い反面、実際には妊娠していないにもかかわらず陽性反応が出てしまう「偽陽性」のリスクがわずかに高まる可能性も理解しておく必要があります。
  • 生理予定日の1週間後から使えるタイプ
    生理予定日当日から使用できるタイプと比較すると、感度は若干低くなります。しかし、「偽陽性」のリスクを低減できるというメリットがあります。

妊娠検査薬を選ぶ際には、それぞれのタイプの長所と短所を理解したうえで、ご自身の状況や希望に合ったタイプを選択することが重要です。より正確な結果を得るためには、生理予定日の1週間後から使用できるタイプを選択肢に入れるのもおすすめです。

妊娠検査薬の仕組みとhCGホルモン

妊娠検査薬は、尿中の「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」というホルモンに反応して結果を示します。hCGは受精卵が子宮内膜に着床後、胎盤から分泌され、妊娠の進行とともに増加します。検査薬は尿中のhCG濃度が一定値を超えると陽性反応を示すよう設計されています。

妊娠検査薬の先端部分には、hCGと特異的に結合する抗体が付着しています。尿をかけると、尿中にhCGが含まれている場合、抗体とhCGが結合します。結合反応によって、色の付いた線が浮かび上がり、目に見える形で結果が示されるのです。

hCGは、特に妊娠初期に重要な役割を果たします。妊娠の経過を判断する指標となり、医療機関では血液検査で詳しく測定されます。

検査の精度

生理予定日を過ぎるとhCGの分泌が増え、検査の精度が向上します。生理予定日から1週間後に検査を行うと、最も正確な結果が得られるとされています。正確な結果を得るため、生理予定日まで待つか、生理予定日から1週間後の検査をおすすめします。

普段から妊娠の確率を高めるための意識も大切です。以下の記事では、妊娠率を高める基礎知識や、体づくりのポイントを解説していますので、ぜひご覧ください。
>>妊娠の確率を上げるための基礎知識!年齢や生活習慣が与える影響とは

妊娠検査薬の正しい使い方と結果の解釈

妊娠検査薬を使う瞬間は、期待と不安が入り混じる特別な時間です。正しい検査方法と結果の解釈を知らずに検査をすると思わぬ誤解を生み、せっかくの喜びが不安に変わってしまいます。妊娠検査薬を正しく使い、結果を落ち着いて受け止めるために、妊娠検査薬の正しい使い方と判定の読み方は以下のとおりです。

  • 検査の手順と注意点
  • 陽性反応が出た場合
  • 陰性反応が出た場合
  • 薄い陽性反応の場合

検査の手順と注意点

妊娠検査薬には、スティックタイプ、カードタイプなどさまざまな種類があります。それぞれ尿をかける場所や結果の表示方法が異なりますので、ご自身が使用する検査薬の説明書をよく読んでください。検査薬によって多少の違いはありますが、基本的な手順は以下のとおりです。

  1. 尿の採取
    清潔な容器で尿を採取します。検査開始時刻を記録しておくと、判定時間を測る際に便利です。
  2. 検査薬への滴下
    検査薬の先端を尿に浸すか、もしくは尿を数滴垂らします。尿のかけすぎや浸しすぎに注意しましょう。説明書に記載されている量や時間を守ることが大切です。
  3. 判定
    数分後、検査薬に表示された線で判定を行います。判定時間は検査薬によって異なりますので、必ず説明書で確認してください。判定時間を過ぎた結果は正確ではないため、時間内に確認しましょう。

結果の表示方法は、一般的にはコントロールラインとテストラインの2本の線で判定するタイプが多いです。

陽性反応が出た場合

コントロールラインとテストラインの両方に線がはっきり現れた場合、陽性反応となり、妊娠の可能性があります。ただし、確定診断ではないため、できるだけ早く産婦人科を受診し、医師の診察を受けることが重要です。超音波検査で子宮内に胎嚢(たいのう)が確認されると、正式に妊娠が確定します。

胎嚢は、妊娠初期に子宮内に認められる袋状の構造物です。医師から妊娠初期の過ごし方や注意点のアドバイスを受けられるため、安心して妊娠期間を過ごすためにも早めの受診をおすすめします。

陰性反応が出た場合

コントロールラインのみが現れた場合は陰性反応で、妊娠していない可能性が高いです。ただし、生理予定日前の検査(フライング検査)では、妊娠していても尿中のhCGが不足し、陰性となる「偽陰性」の可能性があります。フライング検査で陰性だった場合は、生理予定日まで待って再検査するか、1週間後に再度確認することをおすすめします。

それでも陰性反応で、生理が来ない場合は、妊娠以外の原因が考えられます。ホルモンバランスの乱れやストレス、他の婦人科系の疾患などが原因で生理が遅れることもありますので、産婦人科を受診して相談することをおすすめします。

薄い陽性反応の場合

コントロールラインははっきりと出ているのに、テストラインがうっすらとしか見えない場合は、薄い陽性反応です。妊娠している可能性はありますが、妊娠ホルモン(hCG)の濃度がまだ低いと考えられます。薄い陽性反応が出た場合も、数日後に再度検査してみましょう。

hCGは妊娠初期に急速に増加するため、数日後にはっきりとした陽性反応に変わる可能性があります。それでも薄い陽性反応が続く場合や、出血などの症状がある場合は、子宮外妊娠などの可能性も考えられますので、速やかに産婦人科を受診し、医師の診察を受けることが重要です。

以下の記事では妊娠検査薬の使うべきタイミングや、陽性反応の見方などを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
>>妊娠検査薬はいつからなら正確?適切な使用時期と陽性反応の見方

妊娠検査薬の結果後の対応と相談窓口

妊娠検査薬を使った後は、結果によって適切な対応が必要です。検査結果が陽性だった場合はもちろん、陰性だった場合は、次にどう行動すべきか妊娠検査薬の結果にもとづいた対応と、相談できる窓口について説明します。

陽性反応後の受診の目安と初期の過ごし方

陽性反応後の受診の目安は、陽性反応が出てから1週間以内が理想的です。産婦人科では、超音波検査によって子宮内に胎嚢が確認されることで、正式に妊娠が確定します。また、子宮外妊娠の可能性を除外することも重要です。

子宮外妊娠は、胎児が子宮腔以外に着床してしまうことで起こり、母体にとって危険な状態となる可能性があります。早期発見・早期治療が重要となるため、速やかに産婦人科を受診しましょう。

妊娠初期は、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。ある論文では、特に葉酸は胎児の発育に重要で、神経管閉鎖障害のリスクを低減するため、妊娠が判明したらサプリメントの摂取を推奨することを報告しています。タバコやアルコールは避け、カフェインも控えめにしましょう。つわりの症状は個人差があり、吐き気や嘔吐のほか、食欲不振や倦怠感、頭痛、めまいなどが現れることもあります。

また、ホルモンバランスの変化によって、体調や気分が不安定になりやすい時期です。心当たりのない症状が現れた場合や、症状が重い場合は、自己判断せずに医療機関に相談しましょう。医師の指示に従い、適切な対応をすることが大切です。

陰性反応後も生理が来ない場合の対処法

妊娠検査薬で陰性反応が出たにもかかわらず生理が来ない場合、いくつかの可能性が考えられます。妊娠検査薬は100%の精度ではないため「偽陰性」の可能性があります。生理予定日から1週間後にもう一度検査するか、医療機関を受診して血液検査を受けることで、より正確な結果を得ることができます。

妊娠の可能性が低いと判断された場合、生理が来ない原因として、ストレスやホルモンバランスの乱れ、急激な体重変化、過度な運動、甲状腺機能異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの疾患が考えられます。排卵障害や月経不順などを引き起こす疾患であり、不妊の原因となることもあります。生理が2週間以上遅れている場合は、婦人科を受診しましょう。

不妊症について網羅的に知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
>>不妊症とは?定義やなりやすい人の特徴・割合についても解説

妊娠に関する相談窓口

妊娠に関するさまざまな相談を受け付けている窓口があります。妊娠の兆候や検査、出産、育児、経済的なことなど、妊娠・出産に関するさまざまな不安や疑問を相談することができます。相談窓口は以下のとおりです。

  • 各自治体の保健センター
  • 厚生労働省のホームページ「妊娠・出産」
  • 妊娠SOS相談窓口

近くの産婦人科の探し方

近くの産婦人科を探すには、インターネットの検索サイトや地域の情報誌、自治体のホームページなどを活用するのが便利です。産婦人科によって診療時間や診療内容、院内の雰囲気も異なります。口コミサイトや友人・知人の意見を参考に、自分に合った産婦人科を選びましょう。

受診前に、診療時間や予約の必要性などを確認しておくとスムーズです。里帰り出産を希望する場合は、帰省先の産婦人科についても事前に情報収集し、早めに連絡を取っておくことをおすすめします。

まとめ

検査薬の結果は確定診断ではないので、産婦人科を受診して正式に妊娠を確認してもらいましょう。受診の目安は陽性反応が出てから1週間以内です。正式な診断と初期の過ごし方についてのアドバイスをもらえるので、安心して妊娠期間を過ごせます。

フライング検査では偽陰性になることもあるので、生理予定日を過ぎてから再検査するのがおすすめです。ストレスやホルモンバランスの乱れなど、妊娠以外の原因で生理が遅れることもあります。陰性反応でも生理が来ない場合は、もう一度検査するか、産婦人科に相談しましょう。

参考文献

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