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男性不妊のセルフチェック項目|男性不妊の検査や治療方法も解説

公開日:2024.10.31
更新日:2024.10.31

「子供ができない…」そんな悩みを抱えているあなた、実は男性側にも原因があるかもしれません。不妊の30〜50%は男性側に原因があるとされています。この記事では、男性不妊のセルフチェック方法から原因、検査、治療法まで詳しく解説します。

自宅でできる簡単なチェックから専門的な治療法まで、幅広い情報を提供することで、あなたの不安を解消し、妊娠への希望を見出すお手伝いをします。男性不妊は適切な対処で改善が期待できます。ぜひ、この記事を読んで、自分の体と向き合い、未来への第一歩を踏み出しましょう。

不妊症について網羅的に知りたい方はぜひ以下の記事も合わせてご覧ください。
>>不妊症とは?定義やなりやすい人の特徴・割合についても解説

男性不妊のセルフチェック項目5つ

男性不妊の可能性を自宅で簡単に確認できるセルフチェック項目を紹介します。これらのチェックは、専門医による診断の代わりにはなりませんが、自身の状態を把握し、必要に応じて医療機関に受診する判断材料です。

精液の量

精液の量は男性の生殖機能を知るうえで重要な指標となります。正常な精液量は1回の射精につき2〜6ml程度とされ、もし精液量が1ml未満の状態が続く場合や、急激な減少が見られる場合は注意が必要です。精液量の減少は、ホルモンバランスの乱れや前立腺の問題など、さまざまな要因が考えられます。

精液の色

健康的な精液の色は乳白色から灰白色の範囲内です。この色は精子と精漿(せいしょう)の組み合わせによって生まれます。

以下のような色の変化が見られた場合は、何らかの異常のサインかもしれません。

  • 黄色みが強い場合:感染症の可能性
  • 赤みや茶色みがある場合:出血の可能性
  • 透明に近い場合:精子濃度が低い可能性

精液の粘性

正常な精液は、射精直後はやや粘り気のある状態ですが、15〜30分程度で液状化します。この性質は精子が子宮内で移動するために重要な要素です。気になるサインとしては、以下のような状態です。

  • 射精直後から水のように薄い
  • 固まりすぎている
  • 30分以上たっても液状化しない

これらの状態が続く場合は、精子の運動性に影響を与える可能性があります。

射精時の感覚

健康的な射精では、明確な射精感があり、適度な快感を伴うのが一般的です。以下のような変化を感じた場合は、注意が必要です。

  • 射精感が著しく低下している
  • 射精時に痛みを感じる
  • 射精感がほとんどない

生活習慣のチェック

以下の生活習慣は、精子の質と量に影響を与える可能性があります

  • 喫煙:タバコに含まれる有害物質は精子の数と運動性を低下させます。
  • 過度の飲酒:アルコールの過剰摂取は精子の生成を阻害する可能性があります。
  • 不適切な食生活:栄養バランスの悪い食事は、精子の質に悪影響を与えます。
  • 運動不足:適度な運動は、精子の質が向上する可能性があります。
  • ストレス:過度のストレスは男性ホルモンの分泌に悪影響を与えます。

これらの生活習慣を見直すことで、精子の健康状態を向上できる可能性があります。

以下の記事では、男性不妊になりやすい人の特徴についてまとめています。ご自身に当てはまらないか、心配な方はぜひチェックしてみてください。
>>男性不妊になりやすい人の特徴とは?原因や治療法も解説

男性不妊の原因と検査方法

男性不妊の原因は多岐にわたり、その特定には専門的な検査が必要です。主な原因と検査方法について解説します。

原因

男性不妊の原因になる状態は以下のとおりです。

  • 精巣機能不全
    精巣は精子を生成する重要な器官です。先天性の要因や感染症、外傷などによって精巣機能が低下すると、精子の生成に問題が生じます。
  • 精路通過障害
    精子は精巣で生成された後、精路を通って体外に排出されます。精路に閉塞や狭窄がある場合、精子が正常に排出されません。
  • ホルモン異常
    男性ホルモンの分泌異常は、精子の生成と性機能に影響を与えます。脳下垂体や甲状腺の問題が原因になることもあります。
  • 遺伝的要因
    染色体異常や遺伝子の変異が、男性不妊の原因となる場合があります。
  • 環境要因・生活習慣
    過度の飲酒、喫煙、ストレス、肥満などの生活習慣も精子の質に影響を与えます。また、環境ホルモンや放射線への暴露も精子に悪影響を及ぼす可能性があります。

検査方法

男性不妊の有無を調べるには以下の検査方法があげられます。

  • 精液検査
    精子の数、運動性、形態を調べる基本的な検査です。WHO(世界保健機関)の基準では、正常値は、精子濃度:15×106/ml以上、総精子数は39×106以上/射精量、前進運動精子の割合は32%以上で正常形態精子の割合は4%以上です。
  • 血液検査
    男性ホルモン(テストステロン)や卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)などのホルモン値を測定します。
  • 超音波検査
    精巣と精路の状態を画像で確認します。精索静脈瘤や腫瘍の有無を調べることができます。
  • 遺伝子検査
    染色体異常や特定の遺伝子変異を調べます。
  • 精巣生検
    精巣から組織を取り、顕微鏡で精子の生成状況を確認します。

これらの検査は、症状や状況に応じて適切に選択されます。検査結果に基づいて、最適な治療法が提案されます。

男性不妊の治療法

男性不妊の治療は、原因や重症度によって異なります。以下に主な治療法を紹介します。

生活習慣の改善

生活習慣の改善だけで精子の質が向上することもあります。具体的には、次の取り組みが効果的です。

  • 禁煙
  • 適度な飲酒(週に2〜3回程度)
  • バランスの取れた食事(抗酸化物質を多く含む食品を摂取する)
  • 適度な運動(週に3〜4回、30分程度)
  • ストレス管理(瞑想やヨガなどのリラックス法を取り入れる)
  • 十分な睡眠(7〜8時間/日)

薬物療法

感染症や炎症が原因である場合、抗生物質や抗炎症薬が処方されます。また、精子の生成を促進する薬剤も使用されることがあります。

ホルモン療法

ホルモンバランスの乱れが原因である場合、医師の診断に基づき、ホルモン補充療法が提案されることがあります。療法には、テストステロンやゴナドトロピンの投与などがあります。

手術療法

精索静脈瘤や精管閉塞などの場合、手術による治療が効果的です。顕微鏡下精巣上体精子吸引術(MESA)や精巣内精子採取術(TESE)などの手術も、重度の男性不妊治療に用いられます。

生殖補助医療

自然妊娠が難しい場合、次の生殖補助医療が選択肢となります。

  • 人工授精(AIH):夫の精子を濃縮・調整し、妻の子宮内に注入します。
  • 体外受精(体外受精):卵子と精子を体外受精させ、胚を子宮に戻します
  • 顕微授精(ICSI):1つの精子を直接卵子に注入する方法です。

これらの治療法は、カップルの状況や希望に応じて選択されます。専門医との十分な相談のうえで、最適な治療法を決定することが重要です。

男性不妊と診断されると、ショックを受けてしまったり、将来に不安を感じてしまったりする方もいるかもしれません。 しかし、男性不妊は適切な治療によって、妊娠の可能性が期待されています。 まずは、ご自身の状態を理解し、医師と相談しながら最適な治療法を見つけていきましょう。

まとめ

不妊カップルの約半数に男性側の要因があります。主なポイントは以下の通りです。

  • セルフチェック:精液の量・色・粘性、射精時の感覚、生活習慣をチェック
  • 原因:精巣機能不全、精路通過障害、ホルモン異常、遺伝的要因、環境要因など
  • 検査:精液検査、血液検査、超音波検査、遺伝子検査、精巣生検
  • 治療:生活習慣改善、薬物療法、ホルモン療法、手術療法、生殖補助医療

早期発見・治療が重要で、適切な対処で妊娠の可能性を高めていきましょう。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、不妊治療に強みを持つクリニックです。不妊治療を検討している状況でも、専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。
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参考文献

  1. Guo TW, Nayak S, Sia SK. “Toward a Microfluidics-Based Home Male Fertility Test.” Clinical chemistry 62, no. 3 (2016): 421-2.
  2. 精管切除ガイドラインと新しい精管閉鎖技術の比較レビュー
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