着床出血の特徴とは?色や量、生理との違いを徹底解説
公開日:2024.12.25更新日:2025.01.15
着床出血は妊娠している方に生じることが多いです。経験する人は全体の2~3割程度とされ、その名の通り受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる出血です。すべての妊婦さんに起こるわけではなく、生理や不正出血との違いを見極めることが重要です。
この記事では、着床出血の特徴的な色や量、期間、生理との違いを3つのポイントに絞って徹底解説します。着床出血があった場合の対処法や病院を受診する目安、妊娠検査薬の使用時期、切迫流産の兆候と注意点まで、妊娠超初期の不安を解消する情報が満載です。
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着床出血とは?特徴を解説
妊娠超初期に少量の出血が見られることがあり、着床出血といいます。すべての妊婦さんに起こるわけではなく、経験する人は全体の2~3割程度といわれています。着床出血の特徴は以下のとおりです。
- 着床出血の色
- 着床出血の量
- 着床出血の期間
着床出血の色
着床出血の色は、鮮やかな赤色から薄いピンク色、茶褐色までさまざまです。出血したばかりの血液は鮮やかな赤色をしていますが、時間が経つにつれて酸化し、色が濃くなっていきます。おりものに混じると薄いピンク色に見えることもあります。色の変化は出血からの経過時間を反映している場合が多いです。
着床出血の量
着床出血の量はごく少量です。生理のときのような経血ではなく、おりものに少し血液が混じる程度の場合がほとんどです。ティッシュにつく程度だったり、下着にうっすらとシミができる程度だったりします。ナプキンが必要になるほどの出血量はまれです。
出血量は人によってさまざまですが、少量であることが特徴です。
着床出血の期間
着床出血の期間は、数時間から長くても3日程度です。1~2日で終わる方がほとんどです。生理のように何日も続くことはありません。
着床出血と生理の違い3つ
着床出血と生理の違いとして、以下を解説します。
- 出血のタイミング
- 出血の色と量
- 痛みの有無
出血のタイミング
大きな違いは出血のタイミングです。生理は、前回の生理開始日から約1か月後(25~38日周期)に起こります。個人差はありますが、自分の生理周期を把握していれば、だいたい予測できます。
着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる出血です。排卵日から約1週間後、つまり生理予定日の数日前に起こることが多いです。着床出血は必ずしも起こるものではなく、妊娠した女性の約2~3割程度に見られる現象です。
出血の色と量
生理の出血は、一般的に鮮やかな赤色で、量は比較的多いです。ナプキンやタンポンを頻繁に取り替える必要があります。経血には子宮内膜などの組織片が含まれているため、レバー状の血の塊が混ざっていることもあります。
着床出血は、少量の出血で、色は薄いピンク色や茶褐色であることが多いです。下着に少し血がつく程度だったり、おりものに血が混じっている程度の場合がほとんどです。「おりものに少し色がついたかな?」程度の場合もあり、気づかない方もいます。生理のようにナプキンが必要になるほどの出血量ではありません。
痛みの有無
生理痛がある方は多いと思います。生理痛の程度には個人差がありますが、下腹部痛や腰痛など、痛みを伴うことが一般的です。痛みがひどくて日常生活に支障が出る方もいます。
着床出血の場合は、痛みを伴わないことがほとんどです。多少の違和感を感じる方もいるかもしれませんが、生理痛のような強い痛みはありません。「チクチクする感じがあった」「少し重い感じがした」という方もいますが、多くの場合、痛みは軽微です。
着床出血があった場合の対処法
着床出血があった場合の対処法として、以下を参考にしてください。
- 病院を受診する目安
- 妊娠検査薬の使用時期
- 切迫流産の兆候と注意点
- 妊娠超初期症状と過ごし方
病院を受診する目安
着床出血は基本的に心配いりませんが、自己判断は禁物です。早期発見・早期治療が大切ですので、以下の場合は、念のため産婦人科を受診しましょう。
出血量が多い場合
夜用のナプキンが必要なほどの出血だったり、鮮血がドバドバ出ている場合は、着床出血ではない可能性があります。子宮外妊娠や流産の兆候である可能性も考えられるので、すぐに病院を受診しましょう。私自身、夜用ナプキンが必要なほどの出血で来院された患者さんを診察した結果、子宮外妊娠だったケースを経験しています。早期発見が重要です。
出血期間が長い場合
着床出血は通常1〜3日程度で治まります。4日以上続く場合は、他の原因が考えられますので、一度医師に相談してみましょう。私のクリニックにも、「出血が1週間続いて不安になった」という患者さんが来院されたことがあります。
強い下腹部痛など、他の症状を伴う場合
着床出血自体は痛みを伴わないことが多いですが、強い痛みがある場合は、他の病気が隠れている可能性があります。例えば、子宮内膜症や卵巣嚢腫などが原因で出血しているケースもあります。
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合
陽性反応が出たら、産婦人科を受診して、正式に妊娠を確認してもらいましょう。医師から今後の生活の注意点などのアドバイスをもらえます。妊娠初期の生活指導は、妊娠の継続にとって非常に重要です。
妊娠検査薬の使用時期
着床出血があったからといって、すぐに妊娠検査薬を使っても正確な結果は出ません。妊娠検査薬は、生理予定日の約1週間後から使用するのがおすすめです。妊娠すると分泌されるhCGホルモンが、妊娠初期にはまだ少ないためです。
妊娠検査薬を使用する際は、朝一番の尿を使うと、より正確な結果を得られます。朝一番の尿はhCGホルモンの濃度が最も高いためです。検査結果が陽性でも陰性でも、一度産婦人科を受診することをおすすめします。陽性の場合は妊娠週数の確定、陰性の場合は生理不順などの原因を調べてもらえます。
切迫流産の兆候と注意点
妊娠初期には、切迫流産に注意が必要です。切迫流産とは、妊娠22週未満で起こる流産の可能性がある状態のことです。症状としては、少量〜大量の出血や下腹部痛、腰痛などがあります。生理痛のような鈍い痛みや、下腹部がチクチクするような痛みを感じる人もいます。出血は、おりものに血が混じる程度から、生理のような出血までさまざまです。
症状が現れたら、すぐに安静にして、産婦人科を受診しましょう。切迫流産を防ぐためには、妊娠初期は特に、体に負担をかけないようにすることが大切です。重いものを持ったり、激しい運動をしたりするのは避けましょう。十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事を心がけ、ストレスを溜めないようにすることも大切です。
妊娠超初期症状と過ごし方
妊娠超初期には、着床出血以外にも以下の症状が現れることがあります。
- おりものの変化
- 胸の張りや痛み
- つわり
- だるさ
- 眠気
- 便秘
- 肌荒れ
生理が来なかったり、イライラしやすくなったりする場合もあります。ホルモンバランスの変化によって起こるもので、個人差が大きく、すべての症状が現れるわけではありません。妊娠していない場合でも、似たような症状が現れることがあります。
妊娠超初期は、まだお腹も目立たず、周囲に妊娠を伝えるかどうかも迷う時期かもしれません。心身ともに不安定になりがちなので、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。体に負担のかかることは避け、十分な休息を取りましょう。カフェインやアルコールの摂取は控え、バランスの良い食事を心がけてください。気になる症状があれば、早めに産婦人科を受診しましょう。
妊娠したいと考えている方は、普段からの食事や飲酒についても気をつける必要があります。以下では、妊活中に注意すべき食べ物やアルコール摂取に関して記載しているのでチェックしてみてください。
>>妊活中に注意すべき食べ物は?妊活で摂りたい栄養素やおすすめレシピも紹介
>>妊活中はお酒を飲んでも大丈夫?妊活中のお酒との向き合い方を徹底解説
まとめ
着床出血は、妊娠超初期に起こる少量の出血です。全ての人に起こるわけではなく、経験する人は2~3割程度です。色は鮮やかな赤色から薄いピンク、茶褐色までさまざまで、量はおりものに混じる程度と少量です。期間は数時間から長くても3日程度です。
着床出血と生理の違いは、出血のタイミング、色と量、痛みの有無です。着床出血は生理予定日の数日前後に起こり、色は薄いピンクや茶褐色で、量はごく少量です。妊娠初期は切迫流産に注意し、体に負担をかけないように、ゆったりと過ごしましょう。
「着床出血かな?」と思ったら、出血量や期間、痛みの有無に注意し、必要であれば産婦人科を受診しましょう。
不妊症について網羅的に知りたい方はぜひ以下の記事も合わせてご覧ください。
>>不妊症とは?定義やなりやすい人の特徴・割合についても解説
参考文献
- Brache V, Alvarez-Sanchez F, Faundes A, Jackanicz T, Mishell DR Jr, Lähteenmäki P. “Progestin-only contraceptive rings.” Steroids 65, no. 10-11 (2000): 687-91.
- Edelman A, Boniface E, Schrote K, Messerle-Forbes M, O’Donnell A, Jensen JT, Han L. “Treatment of unfavorable bleeding patterns in contraceptive implant users: a randomized clinical trial of curcumin.” American journal of obstetrics and gynecology 229, no. 2 (2023): 145.e1-145.e9.