MEDICAL CARE

診療のご案内

性感染症

HPV(ヒトパピローマウイルス)

子宮に感染するウイルスで、10人にひとりが感染しています。
感染しては自然に治ったりして、女性の半分以上は一度は感染しているウイルスです。
すぐになにかがあるわけではないのですが、 このウイルスはやっかいなことに子宮がんの原因になります。ウイルスを治療する方法はないので、見つかっても何もできません。
ただ、子宮がんの検診はしておいた方がいいでしょう。感染前なら一部のHPVはワクチンで予防できます。

クラミジア

クラミジアは子宮に感染します。
今、性感染症といえば、クラミジアといわれるほど、感染している方は多いです。症状はほとんどありません。放置すると、子宮から卵管に感染が進行して、 卵管がつまってしまい、不妊の原因になります。
お薬を1回飲むだけで治りますので、 定期的に検査をすべき病気です。

B型肝炎・C型肝炎

どちらも100人にひとりくらいの感染率で、肝臓に感染して、肝炎の原因になります。
B型は感染してもほとんどが治ってしまいます。ところがC型は70%ほどが治らずに持続感染します。
放置すると将来、肝蔵のがんになるかもしれないやっかいなウイルスですが、性交渉で感染するとはいえ、その確率は低いです。
1回の性交渉で感染する確率は1%以下です。多くは輸血や出生時に母親から感染していることが多いのです。性病として定期的に検査する必要性は低いでしょう。
もちろん、ご自身もしくはパートナーが、B型、C型肝炎キャリアだったりすればコンドームをつけて、検査も定期的にするよう注意しましょう。

ヘルペス

200人から100人にひとりくらいの感染率です。感染すると、外陰部がただれて潰瘍になります。
しばらくすると潰瘍は治りますが、 ウイルスは持続的に体内に居続けます。今の医学ではウイルスを取り除くことはできません。
そして、ときどき潰瘍が再発するので、かなりイヤなウイルスです。
でも、今は症状を抑える薬があります。ただし、薬での対処は症状をよくするだけなので、 定期的に検査することにあまり意味はありません。

淋病

淋病も200人から100人にひとりくらいの感染率です。
子宮に感染しますが、女性はあまり症状はありません。ときに腹部に感染がすすんで腹膜炎の原因になることがあります。感染者は多いわけではないですが、 1回の性交渉により、かなりの確率で感染すると言われています。まさに性感染症といえます。
薬で治ります。
クラミジアの検査と一緒にすれば、料金的にも高くないので 定期的に検査することをおすすめします。

梅毒とHIV

どちらも1万人にひとり以下の感染率。
しかし放置すれば命にかかわる病気です。早くみつけて対処することで、生命の危機からは逃れられます。
HIVは、現在命をおとす病気ではなくなりました。治療により、AIDSの発症を予防できるようになってきています。検査をすることに意義はあります。
ただし、確率が低いのでコストを考慮すると すべての人が検査を受ける必要はないかもしれません。
ただし、HIVは命にかかわる病気でもあり、 検査をしておくことはそれなりに有意義です。実際どのような人が検査を受けるべきかは難しい問題ですが、 次のグループの人は定期的な検査は必要です。

男性同性愛者とセックスした場合

  • 麻薬使用者
  • 風俗産業従事者

また、一度でも性病にかかったことがあればHIVの検査を しておくことは安心のためにもいいでしょう。

ご自身のリスクがどの程度か、不安がどれくらいかで 検査を受けるべきかどうか決めるものと言えそうです。ちなみに、今は保健所でHIVの検査を無料で受けれます。お金がもったいないという人も、心配であれば調べて見てください。

それ以外の性感染症

上記以外の病気は感染者がほとんどいなかったり、 それほど怖くない病気だったりします。
こうしてみると、クラミジアと淋病はときどき検査した方がいいのがわかります。