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ピル相談・アフターピル

低用量ピルとは

 避妊を目的とし、女性の体内で分泌される女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)と同じホルモンを人工的に合成したものを主成分とした錠剤です。

 当初はホルモン量の多い高用量ピルが使われていましたが、その後、中用量へ改良がなされ、1970年代以降はホルモン量をさらに少なくして体に及ぼす影響の少ない(副作用の少ない)薬剤が使われるようになりました。これを低用量ピルといいます。

ピルが妊娠を防ぐ仕組みは?

 ピルを飲むと血液中の2つの女性ホルモン濃度が高まり、妊娠中に近い体の状態になります。そこで脳は妊娠したと錯覚して、排卵を起こすホルモン(LH、FSH)の量を減らすため排卵がなくなります。つまり、妊娠中は排卵が起こらない女性の体のしくみを利用して妊娠するのを防ぐわけです。この他にも精子の子宮内への侵入を防止したり、子宮内膜に受精卵が着床しにくくする作用もあるため複合的な作用によって避妊効果を高めています。

避妊効果は?

表は色々な避妊法の失敗率(妊娠率)を示しています。ピルを飲み忘れなどなくきちんと正確に飲んだ場合、1年間の妊娠率は0.3%で、コンドームやリズム法などと比べ高い避妊効果を示しています。

ピルの種類と服用方法は?

ピルには行くつかの種類があります。2種類の女性ホルモンの配合比の違いによる「1相性ピル」と「段階型ピル」。服用スケジュールの違いによる「21錠タイプ」と「28錠タイプ」。服用開始日の違いによる「デイワンスタート」と「サンデースタート」があります。それぞれ特徴がありますので、自分に合ったピルを相談して決めていきます。いずれも28日間で1周期となっています。21錠タイプは1日1錠を21日間連続して飲み、次の7日間は休薬する(飲まない)ことを繰り返します。28錠タイプでは休薬期間をおかずに28日間連続して飲みます。飲み終わったら翌日からまた新しいシートの1錠目を飲み始めます。いずれも毎日ほぼ一定の時刻に飲むことが大切です。例えば就寝前、朝の歯磨きの時など、自分の生活時間を考えて毎日の週間を作ると良いでしょう。

デメリット

飲み始めには、吐き気、嘔吐、頭痛、乳房の張りや痛み、不正出血のような症状が現れることがありますが、飲むのを2~3周期続けることで軽減されると言われています。このほか、確率は低いですが、血栓症、子宮頸がん、乳がんなどの病気にかかる確率がわずかに高くなるという報告もあります。タバコを吸う人がピルを飲んだ場合、循環器系の副作用(血栓症、心筋梗塞など)にかかる危険性が高まるので、ピルを飲む場合は禁煙するのが望ましいとされています。

メリット

ピルの最大のメリットは確実な避妊ですが、その他にも次のような副効用があり、これを目的として飲んでいる人も大勢います。

  1. 月経周期が規則正しくなる
  2. 月経痛が軽くなる
  3. 月経量が減る(貧血の改善)
  4. ニキビや多毛症の改善
  5. 卵巣がん、子宮体がんの予防
  6. 子宮内膜症の改善あるいは予防
  7. 良性の乳房疾患の減少
  8. 骨盤内感染症の予防

当院での処方の流れ

問診表で内服できるかどうかの質問事項を記載して頂きます。血圧を測定したのち、診察室に入ります。安全に内服していただくために事前の検査があります。

一般的な採血、膣分泌物細菌検査、子宮頚がん検査を行います。

2週間後の結果で異常無しであればピルの処方が始まります。

よくある質問

ピルの飲み忘れ

ピルの飲み忘れで大切なことは、避妊できているかということと、出血は別のものということですね。出血は1日でも飲み忘れると起きることがよくあります。卵子の発育を抑える作用とは別なので、びっくりしないで飲み続ければ避妊はちゃんとできています。

とにかくピルを1週間飲み続ければ、卵子の発育は0%の状態になっています。この状態からうっかり飲み忘れたとしても1週間以内であればピルを再開することで卵子の発育は抑え込むことができます。卵子の発育が0%の状態から飲み忘れが9日以上になると80%くらいまで発育してしまう可能性があり抑え込むことができなくなります。

だから飲み忘れで注意するべきは休薬期間の前後なのです。

もし1列目で2日以上飲み忘れたら、その前の休薬期間と合わせて9日以上の飲み忘れがまとめて起きたことになるので、排卵する可能性があります。ピルを1週間続けて飲むまでは別の避妊法を行いましょう。うっかり避妊できなかったらアフターピルを検討してください。

もし3列目で2日以上飲み忘れたら、思い切ってそこから1週間以内のお休み期間をとり、新しいシートを飲むといいでしょう。飲み忘れに加えて、1週間の休薬は取らないように気をつけましょう。

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