子宮鏡検査はいつ受ける?検査の内容や痛み、かかる費用を徹底解説
公開日:2024.09.29更新日:2024.09.29
生理痛がひどかったり、不正出血があったり、なかなか妊娠できずに悩んでいませんか?これらの症状は子宮の病気のサインかもしれません。
子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどは、30~40代の女性の約20~30%に見られるとも言われており、決して他人事ではありません。この記事では、子宮の中を直接見て詳しく検査できる「子宮鏡検査」について詳しく解説していきます。
検査を受けるか迷っている方はもちろん、検査を受けることが決まっている方も、この記事を読んで不安や疑問を解消しましょう。
神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、子宮鏡検査も行っているクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。
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子宮鏡検査とは子宮の中を詳しく調べる検査のこと
子宮鏡検査って、どんな検査か気になりますよね。子宮鏡検査は、子宮の中を直接見て、詳しく調べる検査のことです。子宮に関する病気の診断や治療方針の決定に役立ちます。
生理痛がひどくて婦人科を受診した際に「子宮鏡検査で詳しくみてみましょう」と提案されることがあります。子宮鏡検査が子宮内膜の状態を直接確認できる有効な検査方法であるためです。
子宮鏡検査でわかること
子宮鏡検査では、子宮の中をくまなく観察でき、子宮内膜の状態や子宮筋腫、ポリープや子宮体がんの有無がわかります。
子宮内膜の検査では、炎症が起きていないか、厚さは適切かなどを調べます。子宮筋腫やポリープは、子宮内膜から発生する良性の腫瘍です。子宮筋腫は30~40代の女性の約20~30%に見られ、症状がないことも多いです。
しかし、大きくなると月経痛や過多月経、貧血などの症状を引き起こすことがあります。子宮内膜ポリープは、子宮内膜の一部がきのこのような形に盛り上がってできたもので、不正出血や不妊の原因になることがあります。
子宮体がんは、子宮内膜から発生するがんです。子宮鏡検査では、がんの有無や進行度合いを調べます。子宮体がんは早期発見であれば完治が期待できますが、進行すると命に関わることもあるので、早期発見が重要です。
他の検査との違い
子宮の検査には、子宮鏡検査以外にも、超音波検査やMRI検査などがあります。それぞれの検査の特徴は以下のとおりです。
検査方法 | 特徴 |
超音波検査 | 子宮の形や大きさ、子宮筋腫の有無などが調べられます。費用が安く、痛みも少ない検査なので、子宮の検査では最初に行われることが多いです。 |
MRI検査 | 子宮の詳細な構造を調べられます。子宮筋腫や子宮内膜症などの診断に役立ちます。超音波検査では、子宮内膜の状態を詳しく見ることが難しい場合も、MRI検査ではより詳細に確認できます。 |
子宮鏡検査 | 子宮の中を直接観察できます。子宮内膜の状態や子宮筋腫、子宮体がんの診断に有効です。子宮鏡検査では、子宮内を直接観察するため、より正確な診断が可能です。 |
子宮鏡検査の方法
子宮鏡検査は、直径わずか数ミリの細いカメラを腟から挿入し、子宮内を観察します。検査の流れとしては、まず検査着に着替えて、内診台に上がります。医師が腟を広げる器具を挿入し、子宮の入り口にカメラを挿入します。
子宮内に生理食塩水などの液体を流し込み、子宮内を広げながら観察します。カメラで映し出された子宮内の様子は、モニターに映し出されます。
子宮鏡検査を受けるタイミング
子宮鏡検査は、以下のような症状がある場合や、医師が必要と判断した場合に実施されます。主なタイミングは以下の症状がある場合です。
- 不正出血*がある:子宮筋腫や子宮体がん、ホルモンバランスの乱れなどが原因で起こることがあります。
*不正出血は生理期間以外に出血があること。 - 月経痛がひどい:子宮内膜症や子宮筋腫などが原因で、月経痛がひどくなることがあります。
- 妊娠しにくい:子宮内膜ポリープや子宮筋腫、子宮内膜症などがあると、受精卵が着床できず妊娠しにくくなることがあります。
- 子宮がん検診で異常が見つかった:子宮体がんや子宮頸がんの疑いがあるため、精密検査が必要になります。
子宮鏡検査を受けるかどうか迷っている場合は、医師に相談してみましょう。
子宮鏡検査を受ける前に知っておきたいこと
子宮鏡検査を受けることが決まったけれど、実際どんな検査なのか、事前にどんな準備が必要なのか不安に感じている方もいるかもしれません。子宮鏡検査を受ける前に知っておくべき基本的な情報を以下で解説します。
検査の準備と注意点
子宮鏡検査を受けるにあたって、食事制限や飲水制限はありません。普段通りの生活を送っていただいて大丈夫です。
検査当日は、診察を受けやすい服装で来院しましょう。子宮鏡検査では、下着を脱いで診察台の上で足を広げて検査を受けます。スカートやワンピースなど、診察を受けやすい服装で来院するのがおすすめです。
検査を受けるタイミングは、生理が終わってから排卵までの間が一般的です。子宮内膜の状態を正確に把握するためです。生理中は出血によって子宮内が観察しづらくなってしまうため、生理が終わってから数日後が検査に最適な時期です。
妊娠の可能性がある場合は、検査前に必ず医師に伝えてください。
検査にかかる時間
子宮鏡検査にかかる時間は、5〜10分程度と短時間で終わることがほとんどです。子宮の状態によっては、もう少し時間がかかる場合もあります。
検査自体は短時間で終わりますが、病院での待ち時間や検査前の説明、検査後の診察などを含めると、病院に滞在する時間は1〜2時間程度みておきましょう。
費用と保険適用
子宮鏡検査は、病気の診断や治療の一環として行われる場合は保険が適用されます。3割負担の方であれば、費用は5,000~10,000円程度が目安となります。病院によって費用は異なりますので、事前に確認しておくと安心です。
不妊症の検査として子宮鏡検査を行う場合は、保険適用外となる場合があります。費用は、病院によって異なりますが、20,000~30,000円程度です。
病院の選び方
子宮鏡検査は、多くの産婦人科クリニックや病院で行われています。どの病院で検査を受ければ良いか迷う方もいるかもしれません。病院選びのポイントとしては、経験豊富な医師が在籍していること、新しい設備が整っていることなどが挙げられます。
子宮鏡検査は医師の経験によって診断精度が大きく左右される検査です。多くの症例を経験している医師がいる病院を選びましょう。設備面では、より鮮明な画像で観察できる高画質のカメラや、子宮内を広く見渡せる広角レンズを備えた子宮鏡を導入している病院を選ぶと、より精度の高い検査が期待できます。
Webサイトなどで病院の口コミを確認するのも良いでしょう。実際にその病院で子宮鏡検査を受けた方の感想を参考に、自分に合った病院を選ぶことが大切です。
近年では、子宮鏡検査に力を入れている病院も増えてきています。Webサイトなどで、各病院の子宮鏡検査に対する取り組みを確認してみるのも良いでしょう。
子宮鏡検査は痛い?気になる疑問を解決
「子宮の中にカメラを入れるなんて、痛そう…」と不安に思う方も多いですが、思ったほど痛みがない検査です。子宮鏡検査で感じる痛みの程度や、検査を受ける際に知っておきたいポイントを詳しく解説します。
検査中の痛み
子宮鏡検査では、膣から子宮の中に直径3mm程度の細いカメラを挿入しますが、多くの場合、痛みはほとんどありません。出産経験のある方や、子宮口が柔らかい方は、痛みを感じにくい傾向があります。出産経験のない方や、子宮口が硬い方は、軽い痛みや圧迫感を感じる場合があります。
生理痛のような鈍痛や、お腹が張ったような感覚です。痛みの感じ方には個人差がありますが、検査中に「痛くて我慢できない!」と訴える方はほとんどいません。
検査中に痛みを感じた場合は、我慢せずに医師に伝えましょう。痛みを和らげる方法を検討したり、必要であれば検査を中断したりも可能です。
麻酔について
子宮鏡検査は、通常麻酔なしで行われます。「痛みが心配」「過去に子宮の手術を受けている」など、不安な方は医師に相談のうえ、局所麻酔や静脈麻酔を行えます。
局所麻酔は、子宮頸部に麻酔薬を注射する方法です。静脈麻酔は、点滴から麻酔薬を投与する方法で、検査中は眠っているような状態になります。麻酔を行う場合は、検査前に麻酔の説明を受け、同意書の提出が必要です。麻酔方法によって、費用や検査後の回復時間などが異なるので、事前に確認しましょう。
検査後の注意点
子宮鏡検査後の数日間は、少量の出血や軽い腹痛、腰痛などがみられることがあります。検査によって子宮内が刺激されるために起こるもので、通常は数日で治まります。
日常生活では、入浴はシャワー浴にとどめましょう。飲酒や激しい運動、性交渉も控えてください。
起こりうる合併症とリスク
子宮鏡検査は比較的安全な検査ですが、ごくまれに合併症が起こることがあります。主な合併症としては、出血や感染症、子宮穿孔(子宮に穴が開いてしまうこと)、子宮内癒着などがあります。
合併症が起こる確率はとても低いですが、万が一、合併症が起こった場合は、適切な処置が必要です。検査を受ける際には、合併症のリスクについても医師から説明を受けましょう。
子宮鏡検査後の流れと治療法
子宮鏡検査が終わったら、まずは検査結果を聞き、今後の治療方針について医師と相談します。検査の結果によって、すぐに治療が始まる場合もあれば、経過観察となる場合もあります。
検査後、不安な方は、医師や看護師に遠慮なく相談しましょう。以下では、治療法や治療後の生活、セカンドオピニオンまで、詳しく解説します。
異常が見つかった場合の治療法
子宮鏡検査で異常が見つかった場合、種類や程度に応じて、適切な治療が行われます。子宮内膜ポリープや小さな子宮筋腫であれば、子宮鏡下手術で切除できます。子宮鏡下手術は、お腹を切らずに子宮内から病変を切除するため、体への負担が少なく、回復も早いメリットがあります。
子宮筋腫が大きい場合や子宮体がんの場合などは、開腹手術が必要になることがあります。開腹手術は、お腹を切開して子宮を摘出する手術です。子宮を摘出すると、その後妊娠できなくなりますが、子宮体がんが進行している場合は、命を守るために必要な治療法です。
最近では、従来の子宮鏡よりも細い器具を用いたミニレセクトスコープが登場しました。入院や外来の両方において、多くの病変に対する子宮鏡手術において重要な器具になる可能性があります。
治療法を選択する際には、患者さんの年齢や妊娠希望の有無、症状の程度や合併症のリスクなどを考慮し、医師とよく相談することが大切です。
治療後の生活
治療後の生活については、医師の指示に従ってください。子宮鏡検査後や治療後しばらくは、出血やおりものが増えることがありますが、通常は数日で治まります。日常生活に支障がない程度であれば、仕事や家事をしても問題ありません。
出血が長引いたり、強い痛みや発熱などの症状が現れたりする場合は、すぐに病院を受診しましょう。
セカンドオピニオン
検査結果や治療方針について、他の医師の意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオンを受けられます。セカンドオピニオンは、患者さんが自分の病気について、より深く理解し、納得のいく治療法を選択する一つの手段です。
セカンドオピニオンを受ける際は、検査結果や画像データなどを持参しましょう。新たな発見があったり、より適切な治療法が見つかったりする可能性もあります。子宮鏡検査は、子宮の病気を早期発見・早期治療するために有効な検査です。検査を受けるか迷っている場合は、医師に相談してみましょう。
まとめ
子宮鏡検査は子宮内を直接観察することで、子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮体がん等の診断に有効な検査です。検査は5~10分程度と短時間で、痛みはほとんどありません。
検査は生理終了後から排卵までの間に行われ、費用は保険適用で5,000~10,000円程度が目安です。検査結果に基づき、異常が見つかれば子宮鏡下手術や開腹手術等の治療が行われます。
子宮鏡検査は子宮の病気の早期発見・治療に役立つため、不安な症状があれば、医師に相談してみましょう。
子宮筋腫は女性ホルモンの変化も大きく関わっています。ピルや性行為との関係についても解説しているのでぜひご覧ください。
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参考文献
Etrusco A, Laganà AS, Chiantera V, Gerli S, Carugno J, Sorrentino F, Riemma G, Vitagliano A and Favilli A. Efficacy, safety, and feasibility of the treatment of intrauterine pathologies with the mini-resectoscope: A systematic review. International journal of gynaecology and obstetrics: the official organ of the International Federation of Gynaecology and Obstetrics 166, no. 2 (2024): 527-537.