ソフィアレディスクリニック

子宮筋腫の手術は日帰りでもOK!費用や当日の流れ、痛みを徹底解説

公開日:2024.09.29
更新日:2024.09.29

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)と診断されて手術が必要かどうか不安を感じていませんか? 多くの女性が経験する子宮筋腫ですが、症状や治療法は人それぞれです。

近年では、技術の進歩により子宮筋腫の手術は日帰りでも行えるケースが増えています。

この記事では、日帰り手術が可能かどうか費用や当日の流れ、術後の注意点まで具体的に解説します。子宮筋腫と向き合い安心して治療を受けるための情報として、ぜひ最後まで読んでみてください。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、子宮筋腫の診療に強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。
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子宮筋腫とは子宮の筋肉組織に発生する良性腫瘍

子宮筋腫は、子宮の筋肉組織に発生する良性腫瘍です。多くの女性が経験する疾患であり、40代女性の約20〜30%に見られます。子宮筋腫は、通常悪性化することはありませんが、大きさや位置によってさまざまな症状を引き起こす可能性があります。

子宮筋腫の原因と症状

子宮筋腫の原因と症状を解説します。

子宮筋腫の原因

子宮筋腫の明確な原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが、子宮筋腫の発生や成長に深く関わっていると考えられています。思春期前に子宮筋腫が見つかることはほとんどなく、閉経後には縮小することが多いためです。

エストロゲンは、子宮内膜を増殖させる働きがありますが、子宮筋腫の細胞にも作用し、筋腫を大きくしてしまうと考えられます。

子宮筋腫の症状

自覚症状がない場合も多い子宮筋腫ですが、下記のような症状がある場合は疑いましょう。

  • 月経時の過多出血
  • 生理痛の増強
  • 下腹部の張りや痛み
  • 頻尿や便秘
  • 不妊や流産のリスク増加

子宮筋腫の検査方法

子宮筋腫は、主に以下の検査方法で診断されます。

  • 内診:医師が手で子宮の形や大きさを確認します。
  • 超音波検査:経腹的または経膣的に行い、筋腫の位置や大きさを確認します。
  • MRI検査:より詳細な画像を得て、筋腫の種類や周囲組織との関係を把握します。
  • 子宮鏡検査:子宮内腔の状態を直接観察します。

早期発見と適切な治療により、症状の軽減や将来的なリスクの低減が可能です。気になる症状がある場合は、躊躇せずに婦人科を受診することをおすすめします。

子宮筋腫の治療法

子宮筋腫の治療法は、症状の程度や筋腫の大きさ、位置や患者の年齢など、個々の状況で変わります。主な治療法として、手術療法と薬物療法を紹介します。

手術療法

子宮筋腫の手術療法の中にも、大きく分けて子宮を残す手術と子宮を摘出する手術の2種類があります。

子宮を残す手術(子宮筋腫摘出術)

子宮筋腫摘出術は名前の通り、子宮筋腫だけを取り除き、子宮を残す手術です。

  • 腹腔鏡下手術:お腹に小さな穴を数カ所あけ、カメラや手術器具を入れて筋腫を摘出します。傷が小さく、術後の回復が早いというメリットがあります。
  • 子宮鏡下手術:子宮の中に細いカメラを入れ、筋腫を切除する方法です。お腹を切らないため、体への負担が少なく、傷跡も残りません。

子宮を摘出する手術(子宮全摘術)

子宮をすべて摘出する手術です。

  • 腹式子宮全摘出術: お腹に切開を入れて子宮を摘出する方法です。筋腫が大きい場合や、数が多い場合に適しています。
  • 膣式子宮全摘出術: 膣から子宮を摘出する方法です。お腹に傷跡が残りません。
  • 腹腔鏡下子宮全摘出術: 腹腔鏡を使って子宮を摘出する方法です。傷が小さく、術後の回復が早いというメリットがあります。

手術療法のメリット・デメリット

手術療法メリットデメリット
子宮筋腫摘出術妊娠可能性の維持、子宮機能の温存再発の可能性(5年以内の再発率約50%)
子宮全摘術再発なし、子宮関連疾患のリスク低下妊娠不可、更年期様症状の可能性

薬物療法

薬物療法は、手術を避けたい場合や手術前の筋腫縮小を目的として行われます。主な薬物療法は以下のとおりです。

  • GnRHアゴニスト療法:一時的に閉経状態を作り出し、筋腫を縮小させます。治療期間は通常3〜6か月で、平均30〜50%の縮小効果が期待できます。
  • 低用量ピル:排卵を抑制し、月経量を減少させます。
  • 抗プロゲステロン薬:筋腫の増大を抑制し、症状を改善します。

薬物療法のメリット・デメリットは以下のとおりです。

薬物療法メリットデメリット
ホルモン療法手術をせずに治療できる、治療期間が比較的短いすべての人に効果があるわけではない、副作用が出る場合がある
子宮内膜症治療薬筋腫を小さくする効果が高いすべての人に効果があるわけではない、副作用が出る場合がある、治療費が高い

子宮筋腫の日帰り手術|費用・流れ・術後

子宮筋腫の治療において、近年では日帰り手術が可能なケースが増えています。医療技術の進歩により、より負担の少ない手術が可能になったためです。日帰りが可能な場合や日帰り手術の流れ、術後についても解説します。

日帰り手術が可能な場合

子宮筋腫の日帰り手術は、患者さんの体への負担を軽減できる一方で、だれでも受けられるわけではありません。日帰り手術が可能かどうかは、筋腫の大きさや場所、患者さんの全身状態によって総合的に判断されます。下記が一般的な適応条件です。

  • 筋腫の大きさが比較的小さい(一般的に5cm未満)
  • 筋腫の数が少ない(3個以下が目安)
  • 患者の全身状態が良好
  • 重大な合併症がない

研究によると、適切に選択された患者での日帰り子宮鏡下筋腫切除術の成功率は95%以上で、重大な合併症の発生率は1%未満とされています。

日帰り手術の流れ

子宮筋腫の日帰り手術を受けることが決まったら、どのような流れで当日を迎えるのか、具体的にイメージしてみましょう。

まずは事前に、術前検査と説明が行われます。

  • 血液検査や心電図、胸部X線などの一般的な術前検査
  • 医師による手術方法やリスク、術後の注意点の説明

手術当日の流れは以下のとおりです。

  • 来院・手続き
  • 手術前準備(着替え、点滴など)
  • 手術(通常30分~2時間程度)
  • 術後回復(麻酔からの覚醒、バイタルチェック)
  • 帰宅(問題がなければ当日帰宅可能)

術後には以下のようにフォローアップもあります。

  • 1〜2週間後の外来受診
  • 傷の経過確認、体調チェック

手術費用と保険適用

子宮筋腫の日帰り手術は健康保険が適用されます。3割負担の場合、自己負担額の目安は以下のとおりです。

  • 子宮鏡下手術:5~10万円
  • 腹腔鏡下手術:10~20万円

使用する医療材料や入院の有無によって費用は変動します。高額療養費制度を利用することで、負担を軽減できる可能性があります。

術後の経過と注意点

子宮筋腫の日帰り手術は体に負担が少ない手術ですが、術後は体に無理をかけずに、ゆっくりと過ごすことが大切です。特に術後1週間程度は、日常生活で以下の点に注意しながら、無理せずゆっくりと体を休ませましょう。

  • 入浴
    傷口が完全に塞がってからにしましょう。医師から許可が出るまでは、シャワー浴で済ませるほうが安心です。
  • 飲酒や喫煙
    傷の治りが悪くなる可能性があるため、禁酒・禁煙を心がけましょう。
  • 運動
    激しい運動は避け、医師の指示に従って下さい。軽いウォーキングなど、できる範囲で体を動かすことは、血行促進や体力回復に役立ちます。
  • 仕事
    仕事の種類や量にもよりますが、1週間程度は休むことをおすすめします。
  • 家事
    重いものを持ち上げるような家事は避け、無理のない範囲で行いましょう。
  • 性交渉
    出血や感染のリスクがあるため、医師の許可が出るまでは控えましょう。
  • バランスの取れた食事
    野菜や海藻類など、食物繊維を多く含む食品を積極的に摂るようにしましょう。インスタント食品や脂っこい食事は控えめにし、栄養バランスを意識した食生活を心がけましょう。
  • 適度な運動
    軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。運動不足は、血行不良やストレスの原因となり、子宮筋腫の再発リスクを高める可能性があります。
  • ストレスをためない
    ヨガや瞑想などで、リラックスする時間をつくり、ストレスをため込まないようにしましょう。ストレスは、自律神経のバランスを崩し、ホルモンバランスにも影響を与えるため、子宮筋腫の再発リスクを高める可能性があります。
  • 定期的な検診
    子宮の状態を定期的にチェックするために、婦人科で検診を受けましょう。子宮筋腫は自覚症状がない場合もあるため、定期的な検診で早期発見に努めましょう。

日帰り手術は、適切な症例選択と患者さんの理解や協力があれば、安全で効果的な治療法となります。個々の状況によって最適な治療法は異なるため、医師とよく相談して決定しましょう。

まとめ

子宮筋腫の日帰り手術について、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 適応条件:筋腫の大きさ、場所、患者の全身状態により判断
  • 費用:健康保険適用、自己負担額は5~20万円程度
  • 手術の流れ:術前検査、医師の説明、当日の手術、術後経過観察
  • 術後の注意点:無理をせず、医師の指示に従ったうえでの日常生活

日帰り手術は体への負担が少なく、早期の社会復帰が可能です。ただし、個々の状況に応じて最適な治療法を選択することが重要です。医師とよく相談し、安心して治療に臨みましょう。

子宮筋腫は女性ホルモンの変化も大きく関わっています。ピルや性行為との関係についても解説しているのでぜひご覧ください。
>>子宮筋腫の原因は女性ホルモンの変化?ピルや性行為との関係についてもわかりやすく解説

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