ソフィアレディスクリニック

カウフマン療法の効果と副作用は?ピルとの違いや妊娠率を解説

公開日:2025.01.30
更新日:2025.01.30

生理不順や不妊に悩んでいませんか? 生理不順や不妊は女性ホルモンのバランスの乱れが原因の可能性があります。 ホルモンバランスの乱れは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で起こりやすく、排卵障害や生理不順につながることもあります。

生理周期やホルモンバランスを整える「カウフマン療法」は、体に必要なホルモンを補うことで妊娠しやすくなる可能性を秘めた治療法です。この記事ではカウフマン療法の効果や副作用、ピルとの違い、他の治療法との比較まで詳しく解説します。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、不妊治療に強みを持つクリニックです。不妊治療を検討している状況でも、専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。

カウフマン療法とは?

カウフマン療法とは、生理周期やホルモンバランスを調整するための治療法です。体の中のホルモンバランスを調整することで、生理のリズムや妊娠しやすさをサポートする治療です。

体の中では、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが協調して働いています。2つの女性ホルモンのバランスが崩れると、生理不順や無生理、排卵障害などを引き起こし、妊娠しにくくなることがあります。

ホルモンバランスの乱れは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さんに多いです。PCOSは、卵巣に小さな卵胞がたくさんできてしまう病気で、ホルモンバランスが乱れやすく、排卵しにくくなる場合があります。

カウフマン療法では、エストロゲンとプロゲステロンの薬を服用することで、不足しているホルモンを補い、人工的にホルモンバランスを整えます。体に必要なホルモンを補うことで、生理周期が整ったり、排卵しやすくなったりする効果が期待可能です。

カウフマン療法は不妊治療に用いられることが多いですが、必ずしも妊娠を保証するものではありません。治療開始前に医師からしっかりと説明を受け、治療に対する正しい理解を持つことが重要です。

カウフマン療法の効果

カウフマン療法の主な効果は以下のとおりです。

  • 生理周期の改善
  • 排卵障害の改善
  • 卵巣機能の向上

カウフマン療法によってホルモンバランスを調整することで生理周期を正常な28日周期に近づけることが期待できます。

排卵障害とは、卵巣から卵子が排出されない、または排出が難しい状態を指します。カウフマン療法は、卵巣の働きを助けるホルモンを補うため、排卵の手助けに効果的です。

カウフマン療法は卵巣機能の向上にも効果が期待できます。卵巣機能が低下していると、質の良い卵子が育ちにくいです。カウフマン療法によってホルモンバランスが整うと、卵巣が元気になり、質の良い卵子が育ちやすくなります。

排卵誘発剤の治療効果を高めることも期待できます。カウフマン療法でホルモンバランスを整えておくことで、排卵誘発剤がより効果的に働く土壌を作るイメージです。

カウフマン療法の副作用

カウフマン療法では、ホルモンバランスの変化により副作用が生じる場合があります。治療を始める前に、医師からリスクについて十分な説明を受けましょう。副作用の出方は人それぞれであり、全く感じない方もいれば、感じる方もいます。カウフマン療法の主な副作用は以下のとおりです。

  • 吐き気
  • 頭痛
  • 乳房の張り

ホルモンバランスが変化することで、体が慣れるまでの間、上記の症状が現れることがあります。副作用の症状は一時的なもので、治療を続けていくうちに軽くなることが多いです。

体重増加やむくみが現れる方もいます。ホルモンの影響で水分を体にため込みやすくなることが原因です。体重増加やむくみは、規則正しい生活とバランスの取れた食事を心がけることで軽減できる可能性があります。

稀ではありますが、血栓症のリスクも報告されています。血栓症とは、血管の中に血の塊ができる病気です。血栓症の症状には、足の痛みや腫れ、息苦しさなどが挙げられます。タバコを吸っている方やBMIが高い方は、血栓症のリスクが高まるため注意が必要です。足の痛みなどの症状を感じた場合は、すぐに医師に相談してください。

カウフマン療法の妊娠率を解説

カウフマン療法の一般的な妊娠率は30〜50%です。妊娠率は、年齢やもともとの体の状態、不妊の原因など、さまざまな要因によって大きく変わります。

年齢の影響は特に大きく、20代と40代では、妊娠率に差が出やすいです。卵子の老化が関係しており、年齢を重ねるごとに卵子の数は減少し、質も低下していくためです。

不妊の原因によっても妊娠率は変化します。卵管が詰まっている場合、カウフマン療法だけで妊娠するのは難しいと考えられます。卵管が詰まっていると、精子と卵子が出会えず、受精できません。受精が難しい場合は、体外受精などの他の治療法を検討する必要があります。

治療前のホルモンバランスも重要な要素です。ホルモンバランスが大きく乱れている方ほど、カウフマン療法による改善効果が大きく、妊娠率も高くなる傾向があります。

カウフマン療法の妊娠率は一概に言えるものではなく、一人ひとりの状況によって大きく異なります。カウフマン療法を受ける際は、医師とよく相談し、ご自身の状態に合った治療法を選択することが重要です。妊娠率についても、気になることは医師に質問し、納得したうえで治療を開始しましょう。

カウフマン療法とピルの違い|他の治療法の解説

カウフマン療法は、ホルモンバランスを整えて妊娠しやすくする治療法ですが、ピルとは全く異なる目的で使用されます。ピルとの違いや、他の不妊治療の内容を解説します。幅広い治療内容を理解し、医師と相談しながらご自身に合う治療を選択しましょう。

カウフマン療法とピルの違い

カウフマン療法とピルは、どちらも女性ホルモンを扱う治療法ですが、目的は正反対です。ピルはホルモンバランスを調整して「妊娠を防ぐ」ことを目的とするのに対し、カウフマン療法はホルモンバランスを整えて「妊娠しやすくする」ことを目的としています。

ピルは、卵巣を休ませて排卵を抑制することで妊娠を防ぎます。働きすぎた卵巣に休息を与えているようなイメージです。カウフマン療法は、生理不順や無生理、排卵障害といった問題を抱える女性に対して、生理周期を人工的に整えることで排卵を促し、妊娠しやすい体づくりをサポートします。

ピルは一定量のホルモン剤を継続的に服用する一方、カウフマン療法は生理周期に合わせてエストロゲンとプロゲステロンを投与し、自然なホルモン変化を再現します。

カウフマン療法以外の不妊治療とは?

カウフマン療法以外にも、タイミング法や人工授精、体外受精など、さまざまな不妊治療法があります。それぞれの治療法の特徴と、カウフマン療法との関係性を具体例を交えながら説明します。

タイミング法とは、基礎体温や市販の排卵検査薬などを用いて、排卵日を予測し、妊娠しやすい時期に夫婦生活を持つことで自然妊娠を目指す方法です。費用が比較的安く、体への負担も少ないというメリットがあります。自然妊娠を第一に希望される方が、最初のステップとして選択することが多いです。

人工授精は排卵日に合わせて、洗浄・濃縮した精子を子宮内に直接注入する方法です。タイミング法よりも妊娠率が高く、体外受精よりは費用が安いです。タイミング法で妊娠に至らなかった場合や、男性側に軽度の不妊原因がある場合に検討されます。

体外受精は卵子を体外に取り出し、精子と受精させてから子宮に戻す方法です。他の治療法で妊娠しなかった場合に検討されることが多いです。卵管が閉塞している、重度の男性不妊など、自然妊娠が難しい場合に有効な治療法といえます。

カウフマン療法は、他の治療法と併用される場合もあります。カウフマン療法でホルモンバランスを整え、卵巣機能を向上させた後に、タイミング法や人工授精を行うことで、妊娠率を高めることが期待できます。どの治療法が適しているかは、患者さんの年齢や不妊の原因、治療期間や夫婦の希望などで異なるので、医師とよく相談することが大切です。

人工授精と体外受精については、以下の記事で解説していますので、合わせて確認ください。
>>人工授精と体外受精の違いとは?特徴と成功率、費用を徹底比較

カウフマン療法以外の選択肢

カウフマン療法以外にも、ホルモンバランスの乱れや不妊に対する治療の選択肢はいくつかあります漢方薬鍼灸治療などはカウフマン療法の代替案です。

漢方薬は、体質改善を目的として用いられることが多く、以下の効果が期待できます。

  • ホルモンバランスの調整
  • 子宮内膜の状態の改善
  • 冷え性の改善

鍼灸治療は、ツボを刺激することで血行を促進し、子宮や卵巣の機能を高める可能性があります。医師とよく相談し、ご自身に合った治療法を見つけましょう。

まとめ

カウフマン療法は、ホルモンバランスを整えることで妊娠しやすくする治療法ですが、必ず妊娠できるわけではありません。妊娠率は30〜50%とされています。年齢や体の状態、不妊の原因、治療前のホルモンバランスなど、さまざまな要因で異なります。

副作用として、吐き気や頭痛、乳房の張りや体重増加、むくみなどが起こる可能性がありますが、多くの場合一時的なものです。ピルは妊娠を避けるためのものですが、カウフマン療法は妊娠を希望する方が対象です。

以下の記事では自宅でもできる不妊治療「シリンジ法」について解説しています。医師の視点でメリット・デメリットを紹介していますのでぜひご覧ください。
>>シリンジ法とは?やり方やメリット・デメリット、妊娠率を解説

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