卵胞の大きさで妊娠率は変わる!排卵のタイミングを知る方法を解説
公開日:2024.12.25更新日:2024.12.25
卵胞の大きさや成長過程は、妊娠の可能性を左右する重要な要素です。実は、卵胞の大きさは妊娠率に一定の影響を与える可能性があることをご存知ですか?小さすぎても大きすぎても、妊娠への道のりは険しくなります。
卵胞の成長や排卵のメカニズムをわかりやすく解説し、妊娠しやすい体づくりのための生活習慣改善についても詳しくご紹介します。
神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、妊娠の悩みに強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。
卵胞の大きさと妊娠の関係
妊娠を望む皆さんにとって、卵胞の大きさは気になるポイントの一つです。卵胞の大きさイコール妊娠率ではありませんが、卵胞の成長は妊娠への重要なステップです。卵胞の大きさが妊娠にどう関係するのか、小さすぎる場合、大きすぎる場合はどうしたら良いのか、わかりやすく解説します。
卵胞の大きさが妊娠に与える影響
卵胞は卵子を育てるゆりかごであり、大きさは卵子の成熟度と深く関わっています。卵胞が十分に大きくならないと、成熟した卵子が排卵されません。排卵されないということは、精子と出会うことができず、妊娠が難しくなります。
卵胞の大きさは妊娠に大きな影響を与えます。小さすぎても大きすぎても、妊娠への道のりは険しくなるのです。
妊娠が成立しやすい卵胞の大きさ
妊娠が成立しやすい卵胞の大きさは、一般的には、18~24mmと言われています。研究結果からも裏付けられており、卵胞サイズが19~24mmの範囲で最も高い妊娠率が報告されています。
個人差があるため、必ずしも範囲内に入っていなければならないわけではありません。16mmで排卵する人もいれば、25mmで排卵する人もいます。大切なのは、卵胞が順調に成長しているかどうか、卵子の質が良好かどうかです。
卵胞の大きさだけでなく、質にも注目することが重要です。自然周期であれば18~24mm、排卵誘発剤を使用している場合は20~28mmが妊娠に適した卵胞サイズと言えます。
卵胞が小さい場合の影響と対処法
卵胞が小さい場合、排卵障害を起こし、妊娠しにくくなります。卵胞が小さい原因は、脳の視床下部や下垂体の機能低下によるホルモン分泌異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、ストレス、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
卵胞が成長しない場合は、医師の指導のもと、排卵誘発剤を使用することもあります。排卵誘発剤には、クロミフェンやhCG注射などがあり、卵胞の成長を促す効果が期待できます。排卵誘発剤を使用する際は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの副作用のリスクもあるため、医師の指示に従うことが重要です。
卵胞が大きい場合の影響と対処法
卵胞が大きい場合、卵子の質が低下するリスクや、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの副作用のリスクがあります。OHSSは、排卵誘発剤の使用によって卵巣が腫れ、腹痛や吐き気などの症状が現れる病気です。重症化すると、呼吸困難や腎不全などの深刻な合併症を引き起こす可能性もあります。
卵胞が大きい場合の対処法としては、排卵誘発剤の量を調整したり、投与を中止したりすることです。OHSSの症状が現れた場合は、適切な治療を受ける必要があります。大切なのは、定期的に医療機関で卵胞チェックを行い、医師の指示に従うことです。自己判断で排卵誘発剤を使用することは危険ですので、絶対にやめましょう。
排卵のタイミングを知る方法
排卵のタイミングを知ることは、妊娠を望むカップルにとって重要です。タイミングを逃してしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性があります。より正確に排卵日を予測するには以下の方法があります。
- 基礎体温
- 排卵検査薬
- 超音波検
基礎体温で排卵日を予測する
基礎体温とは、朝目覚めた直後の安静時の体温のことです。毎朝同じ時間に測定し記録することで、体温の変化から排卵日を予測することができます。一般的に、生理開始から排卵までは低温期が続き、排卵が起こると高温期に移行します。高温期への移行は、プロゲステロンというホルモンの働きによるものです。プロゲステロンは、妊娠を維持するために子宮内膜を厚くする働きがあります。基礎体温表をつけることで、自分の生理周期や排卵のタイミングを把握することができます。
排卵検査薬でLHサージを捉える
排卵検査薬は、尿中の黄体形成ホルモン(LH)の濃度を測定することで、排卵日を予測するものです。LHは排卵の直前に急激に増加します。LHの急増をLHサージと呼び、排卵検査薬はLHサージを捉えることで排卵日を予測します。排卵検査薬は薬局で購入でき、自宅で手軽に検査できます。LHサージを検出しても排卵までの時間には個人差があるので注意が必要です。
超音波検査で卵胞チェック
超音波検査は、医療機関で受けることができる検査です。膣の中にプローブと呼ばれる器具を挿入し、卵巣の状態や卵胞の大きさを確認します。卵胞は排卵に向けて徐々に大きくなります。超音波検査では、卵胞の大きさの変化を観察することで、排卵日を予測できます。卵胞の大きさが18~22mm程度になったら、もうすぐ排卵のサインです。
医師は、卵胞の大きさや成長速度から、排卵日を予測します。超音波検査は、他の方法と比べて精度が高く排卵日を予測できる方法ですが、費用がかかり、通院する必要があるというデメリットもあります。
排卵日を予測する方法はいくつかありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。基礎体温は手軽に始められますが、正確な排卵日を特定するのは難しい場合があります。排卵検査薬は比較的正確ですが、費用がかかります。超音波検査は最も精度が高いですが、医療機関への通院が必要です。自分に合った方法を選び、または複数の方法を組み合わせて、排卵のタイミングを正確に把握しましょう。
生活習慣の改善で妊娠しやすい体づくり
女性の体の中で卵子を育む卵胞の成長や卵子の質は、妊娠率に一定の影響を与えます。卵胞や卵子の状態は、日々の生活習慣と密接に関係しています。具体的にどのような生活習慣を心がければ、妊娠しやすい体を作ることができるのか以下の4つの側面で解説します。
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- 質の良い睡眠
- ストレスマネジメント
バランスの良い食事
卵胞の成長や卵子の質を高めるためには、バランスの取れた食事が不可欠です。たんぱく質、ビタミン、ミネラルといった栄養素は、卵子の成長を促すだけでなく、卵子の質を高めるうえでも重要な役割を果たします。
- たんぱく質:肉や魚、卵や大豆製品などに多く含まれています。細胞の成長や修復に欠かせない栄養素です。
- ビタミン:特にビタミンDやビタミンEは、卵子の質を高める効果があると言われています。ビタミンDは魚介類やきのこ類に、ビタミンEはナッツ類や植物油に多く含まれています。
- ミネラル:鉄分や亜鉛は、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。鉄分はレバーやほうれん草に、亜鉛は牡蠣やかぼちゃの種に多く含まれています。
外食やコンビニ食が多い方は、意識的にタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を摂るように心がけましょう。朝食にヨーグルトやフルーツの追加や、コンビニ弁当を買う際にサラダも一緒に購入するなど、小さな工夫で食事のバランスを改善できます。
妊娠したいと考えている方は、普段からの食事や飲酒についても気をつける必要があります。以下では、妊活中に注意すべき食べ物やアルコール摂取に関して記載しているのでチェックしてみてください。
>>妊活中に注意すべき食べ物は?妊活で摂りたい栄養素やおすすめレシピも紹介
>>妊活中はお酒を飲んでも大丈夫?妊活中のお酒との向き合い方を徹底解説
適度な運動
適度な運動は、血行を促進し、ホルモンバランスを整える効果があります。ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、無理なく続けられる運動を習慣にしましょう。激しい運動は、かえって体に負担をかけてしまうため、1日30分程度の軽い運動を目安に行うのが良いです。エスカレーターではなく階段を使う、一駅分歩いてみるなど、日常生活の中で体を動かす機会を増やすだけでも効果があります。
質の良い睡眠
睡眠不足はホルモンバランスを崩し、卵胞の成長や卵子の質に悪影響を与える可能性があります。成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、質の良い睡眠をしっかりとることは、卵子の成長にとっても大切です。毎日同じ時間に寝起きし、寝る前はリラックスする時間を作るなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのは避け、ぬるめのお風呂に入ったり、アロマを焚いたりするのも効果的です。
ストレスマネジメント
ストレスはホルモンバランスを乱し、排卵に影響を与える可能性があります。趣味を楽しんだり、リラックスできる時間を作ったり、自分なりのストレス発散方法を見つけることが大切です。好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、自然の中で過ごすのもおすすめです。
生活習慣を改善することで、卵胞は順調に成長し、質の良い卵子が育ちやすくなります。妊娠しやすい体づくりを目指し、バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠、ストレスマネジメントを心がけていきましょう。卵巣の備蓄は年齢とともに減少していくため、特に年齢を重ねた方は、生活習慣を意識することがより重要になります。
まとめ
卵胞は卵子を育む大切な場所で、大きさは卵子の成熟度を反映しています。一般的に18~24mmが妊娠が成立しやすいと言われる大きさです。小さすぎると排卵障害のリスクがあり、大きすぎると卵子の質が低下する可能性があります。
排卵のタイミングを知るには、基礎体温、排卵検査薬、超音波検査などの方法があります。自分に合った方法、もしくは複数を組み合わせて活用することで、妊娠の可能性を高めるサポートになります。
妊娠しやすい体づくりには、バランスの取れた食事や適度な運動、質の良い睡眠やストレスマネジメントが重要です。生活習慣を改善し、質の良い卵子を育て、元気な赤ちゃんを授かりましょう。
妊活のベストタイミングが知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
>>妊活のベストタイミングはいつ?成功率を上げるコツを医師が解説
参考文献
- Gougeon A. “Human ovarian follicular development: from activation of resting follicles to preovulatory maturation.” Annales d’endocrinologie 71, no. 3 (2010): 132-43.
- 栄養状態の評価と卵巣の備蓄に与える影響:系統的レビュー
- 妊娠を目指すカップルにおけるタイミング法による性交渉