主人がクラインフェルター症候群と診断されました。(34歳・女性)

公開日:2024.02.27
更新日:2024.02.27

先日主人が、無精子症で染色体の異常が原因と分かり、クラインフェルター症候群と診断されました。
さらに主人の睾丸はとても小さく、睾丸から精子細胞を取って精子を採取するのも、難しいと言われました。
医師からは、子供は諦めて二人で生活する方法か、AIDを進めてみる方法かと言われました…もう正直すごくショックで、立ち直りません。
やっぱり子供は諦めなくてはいけませんか?それ以外に方法はないのですか?

クラインフェルター症候群であっても最新の生殖医療技術によれば挙児希望が叶えられる事もあります。ただし治療の限界や注意すべき点もありよく理解をしてから治療を受けましょう。

無精子症は代表的な男性不妊の原因であり少し前までは絶対不妊症といって、妊娠不可能な病態と考えられていました。

クラインフェルター症候群では性染色体が1個過剰なXXY(正常はXY)で小睾丸や無精子症などのほか高身長、女性化乳房などが見られることがあり、成人では不妊症の検査で無精子症から発見される事が少なくありません。

男性不妊で見られる染色体異常症では最も多く存在します。

産まれてくる新生児の600人に1人にこの疾患は見られ、原因は受精卵が出来上がる過程で起こるので、その後の妊娠では繰り返す頻度は少ないと考えられています。

純粋なタイプでは47XXYと言う染色体を示しますが、モザイクといって染色体構造の違う2種類の細胞が混在する場合(46XX/47XXYなど)もあり、この場合はより治療効果も期待できます。

ご主人は精液中には精子がいないわけですから、いずれ睾丸の組織検査が必要でしょう。

一般的には睾丸の組織は不均一でうまく場所を選べば、無精子症患者さんの睾丸からでも発育途上で停止した精子細胞やごく少量の精子が見出される事があります。

この時手術用顕微鏡下で精子のいそうな確率の高い2~4ヶ所より組織を採取して精子を見つけ出す方法(精巣精子抽出術:MD-TESEと言います)がクラインフェルターの場合によく採用されます。

たとえ1匹でも精子が見つかれば98%は正常染色体の精子と言われ、顕微授精にて受精卵を得る事が出来る可能性があり、妊娠が可能になります。

当院でもこの方法でのクラインフェルター無精子症の妊娠例があり、学会での報告例もありますので、一度考慮してもよいかもしれません。

しかしこれを行うには専門知識を有する泌尿器科医(生殖医療専門医)との共同作業となりますので、施術できる施設は限られるかもしれませんので、よく主治医と相談をしてみてはいかがでしょう。

またうまく妊娠に成功して児が出生した場合には念のため染色体をチエックすることをお勧めします。

このMD-TESEでも精子が見つからない場合は、現在とりえる最後の方法まで頑張ったので、ご夫婦でも納得できるのではないでしょうか。