基礎体温で低温期が長く高温期が短いです(29歳・女性)

公開日:2024.02.27
更新日:2024.02.27

妊娠を望んでいます。なかなか妊娠できず、2年が経ちます。
基礎体温を測るときちんとした2層になっているため、排卵はしていると思いますが、低温期が長く高温期が短いです。
これが妊娠しない原因だと思うのですが、こういった場合は、どうしたらよいのでしょうか?

黄体機能不全の存在が一番可能性があります。2年間の不妊があれば積極的な検査が必要でしょう、黄体機能不全は治療も可能な疾患ですので一度専門医を受診することをお勧めします。

黄体機能不全とは排卵後にできる卵巣の黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌不全によって子宮内膜が着床準備のための変化(内膜の分泌期)をする現象が不完全な状態にあることを言います。

しかし実際の症例のなかには黄体からのホルモン分泌が正常であっても子宮内膜に異常を認める場合もあり、このような場合も広い意味で黄体機能不全として取り扱います。

したがって黄体機能不全症とは、黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌が上手くゆかない場合や、結果として子宮内膜が十分に成熟しないために引き起こされる着床しにくいと状態〔着床障害〕といえます。

黄体とは卵が生育する基礎体温低温期(卵胞期)から、排卵終了とともに卵胞内に黄体細胞が形成され、ここより分泌されるエストロゲンとプロゲステロンが基礎体温を上昇させ、子宮内膜を受精した卵が着床しやすいように分泌期に変化させる役割を有しています。

また下垂体からのLH 分泌も黄体化に重要な役割を有していますので排卵現象と同様に間脳・下垂体・卵巣系が上手く作用している事が重要です。

同じ下垂体より分泌される卵を生育させるFSH作用が十分でない遅延排卵のような卵胞期の異常や、プロラクチン値異常を示す高プロラクチン血症などが存在すると上手く黄体が成熟しないで、黄体機能不全となることもあります。

一方でホルモン分泌は正常でも、ホルモン作用の受け取り手である子宮内膜そのものが血流不全の存在のためや、ホルモン作用を受け取る細胞機能(レセプターといいます)に異常がある場合でも黄体機能不全は現れてきますのでいくつかの複雑な病因が絡まって起こることが判明しています。

黄体機能不全症があると不妊症や妊娠しても流産となる原因となるので不妊検査では黄体機能は必須検査の1つです。

一般的に基礎体温からは高温期持続が10日以下で低温相と高温相の差が0.3度C以下か、高温期での一時的体温低下の有無などで推定し、排卵後の高温期中期で血中プロゲステロン値が10ng/ml未満の時には黄体機能不全症と診断します。

ホルモン値が正常でも子宮内膜日付診と言って高温期中期の子宮内膜を採取して、発育が2日以上のずれが無いか否かをみる場合もあります。

これらの検査で診断がつけば原因に対する治療が開始されます。

原因がはっきりしない場合には黄体ホルモン補充療法やhCG注射による黄体刺戟療法が行われ、時に血流改善のための治療法(たとえばビタミンE、Cなどの服用)が追加されることもあります。