ソフィアレディスクリニック

質問:子宮外妊娠の可能性はありますか?【25歳 女性からの相談】

公開日:2024.02.27
更新日:2024.05.10

ご相談内容:
不妊治療中で妊娠反応があり受診しました。

6週に入りましたが胎嚢は確認できません。流産か子宮外妊娠の可能性が高いと言われています。
5週5日の尿中hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン:妊娠中に産生されるホルモン)の検査の結果”77″しかありませんでした。

hCGが少ないため、外妊より自然に出血が起こり流産になる可能性があるとのこと。1年前に8週で流産手術を受けたことがあります。

現在は経過観察中ですが、今後どのような経過をたどると思われますか?また、子宮外妊娠の可能性はありますか?

答え:子宮外妊娠よりも流産の可能性が高い

子宮外妊娠の可能性もなくはないですが、早期流産と考えられます。特に尿中hCG値がその後上昇しなければ、流産の可能性が高いでしょう。(hCGの値は血液中のものが望ましいです)

ただし、どのような不妊治療を受けたのか、基礎体温はどのくらいかによっても回答が変わります。

子宮外妊娠について

子宮外妊娠は、受精卵が子宮腔内以外の場所に着床した状態のことを指します。着床場所は、卵管部であることが多数であり、そのほかには腹膜妊娠・卵巣妊娠・頚管妊娠などもあります。

この病気は妊娠反応が陽性でありながら、超音波法で子宮内に胎嚢を認めないときに疑われます。しかし、流産や正常妊娠でも稀に観察されますので慎重に経過をみることが重要です。

通常の妊娠では、妊娠5週には子宮内に胎嚢を見ることができます。

したがって、6週で胎嚢が存在しない、もしくは血液中のhCGが1000iu/mlを超えても胎嚢が見えないときには、やはり主治医のおっしゃるように流産か子宮外妊娠が考えられます。

子宮外妊娠は不正出血や下腹部痛などの症状があることもありますが、断定できる特徴的な症状はありません。しかし、卵管妊娠が破裂した場合は、急激なショック症状を起こし緊急手術が必要となることがあるため十分な注意が必要です。

初期流産

妊娠12週未満の流産を初期流産といいます。通常は、子宮出血と痛みを伴うことが多いのですが、稀に出血症状が無い流産である”稽留流産”(無症状で子宮内に胎児を認めない流産)の場合もあります。

今回は胎嚢が見えないことより稽留流産の可能性は低く、かなり初期の流産と考えられます。

今回のご相談の回答詳細

子宮外妊娠では通常出血を伴うことが多く、6週では特に卵管部分に胎嚢や児心拍などの子宮外部分を観察できることがあります。いずれにしても、hCGが77単位ということは絨毛の活性がかなり少ないため経過観察でよいと考えます。

しかし、観察中にhCGが上昇し始めたら要注意です。

このような症例では、子宮外に着床した受精卵が腹腔内で流産した後、再度着床してhCGの上昇が起こることがあります。この場合、初期流産ではなく子宮外妊娠となり緊急手術を要する可能性もあります。また、その際に基礎体温が再度上がる傾向があるため、流産症状が治まっても基礎体温を測定しておくことが必要です。

今回で2度目の流産ですので習慣性流産となってゆく可能性も考え、落ち着いたら検査を受けることをお勧めします。

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