ソフィアレディスクリニック

【医師監修】ブライダルチェックとは結婚前後や妊娠前に受ける婦人科の検診!

公開日:2024.08.29
更新日:2024.12.12

結婚が決まると、新しい生活への期待とともに「子どもを授かれるのか」「自分やパートナーの体に問題があったらどうしよう」といった、未来への漠然とした不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、性交渉の経験がある女性の8割が、一生のうちに一度は感染すると言われています。子宮頸がんの原因となることが知られており、初期には自覚症状がほとんどありません。ブライダルチェックは、病気の不安を解消し、二人で安心して新しいスタートを切るための準備です。

この記事では、ブライダルチェックでわかることや検査項目、事前に知っておきたい情報などを解説します。記事を読めば、将来の妊娠・出産に備えるとともに、子宮頸がん等の早期発見・治療が大切なこともわかります。

ブライダルチェックでわかること・できること

人生の大きなイベントである結婚や妊娠・出産は不安も伴うものです。ブライダルチェックを行うことで不安を解消して、パートナーと妊娠・出産に臨めます。

ブライダルチェックでわかること

ブライダルチェックでは、自分の体が赤ちゃんを迎え入れる準備ができているか、妊娠に影響する病気はないかを調べられます。例えば、子宮や卵巣といった赤ちゃんが育つための大切な器官に異常がないか、月経周期やホルモンバランスに問題がないか、などです。

自覚症状がないまま進行する子宮頸がんや子宮筋腫、子宮内膜症などの病気を早期発見できる可能性があります。早期発見・治療によって、将来の妊娠・出産に与える影響を最小限に抑えられるケースも多いです。検査結果を踏まえて、妊娠しやすい体づくりへの取り組みもできます。

女性向けの検査項目

女性向けの検査項目には、次のようなものがあります。

  • 子宮卵巣の超音波検査
    子宮や卵巣の形や大きさ、腫瘍の有無などを確認します。
  • 子宮頸がん検査
    子宮頸がんの原因となる細胞が存在するかどうかを調べます。子宮頸がんは初期段階では自覚症状がほとんどないため、早期発見が重要です。
  • クラミジア検査、淋病検査
    性感染症にかかっていないかを調べます。クラミジア感染症は、自覚症状がないまま進行し、将来的に不妊の原因となる可能性もあるため、注意が必要です。
  • 血液検査
    貧血や糖尿病、風疹の抗体など、妊娠に影響する可能性のある病気の有無や、現在の健康状態を調べます。風疹に対する免疫がない場合は、妊娠前にワクチン接種が必要になる場合があります。
  • AMH検査
    卵巣の中に残っている卵の数(卵巣予備能)を調べる検査です。

男性向けの検査項目

ブライダルチェックは女性だけではありません。男性側も自分自身の健康状態や、パートナーに感染させてしまう病気を持っていないかを確認することが大切です。男性向けの検査項目は、以下のとおりです。

  • 精液検査
    精子の数や運動量などを調べることで、妊娠する能力に問題がないかを確認します。顕微鏡で精子を観察し、数や運動率、形などを評価します。
  • クラミジア検査、淋病検査
    性感染症にかかっていないかを調べます。クラミジア感染症は、男性では尿道炎を引き起こすことがあります。
  • 血液検査
    風疹の抗体など、妊娠に影響する可能性のある病気の有無を調べます。風疹ウイルスに対する免疫がない場合、妊娠中に感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群のリスクがあります。

検査項目を選ぶことはできる?

検査項目を選ぶことはもちろん可能です。クリニックによって異なりますが、いくつかの検査項目がセットになっていたり、基本セットに検査項目を追加したりできるようになっています。

  • 子宮や卵巣の状態を詳しく知りたい方:超音波検査やホルモン検査などを選びましょう。
  • 性感染症のリスクが心配な方:性感染症の検査項目を重点的に受けられます。
  • 費用を抑えたい方:基本セットのみを選び、必要に応じて後日検査を追加することも可能です。

詳しく気になる方は、どんな検査項目があるのか、クリニックへ問い合わせてみましょう。神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、ブライダルチェックに強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。

男女一緒に受診できる?

ブライダルチェックは、パートナーと二人で受診することも可能です。一緒に受診することで、検査結果を共有し、将来の家族計画について話し合う良い機会になります。お互いの健康状態を知ることで、より一層、相手を思いやる気持ちが芽生えるかもしれません。

ブライダルチェックを受ける前に知っておきたいこと

ブライダルチェックにおいて、費用や検査を受けるタイミング、注意点などを知って、安心して検査を受けましょう。

ブライダルチェックの費用相場

ブライダルチェックの費用は、病院やクリニック、検査項目によっても大きく異なります。基本的な検査項目だけでも、3〜5万円程度の費用がかかることが一般的です。事前にいくつかの病院やクリニックに問い合わせて、費用や検査内容を確認しておくことをおすすめします。一般的な検査項目や費用の目安を以下に示します。

  • 子宮卵巣の超音波検査:5,000〜10,000円(保険適用なし)
  • 子宮頸がん検査:3,000〜5,000円(保険適用あり)
  • 性感染症検査(クラミジア、淋病など):5,000〜10,000円(保険適用なし)
  • 血液検査:10,000〜20,000円(検査内容による)
  • 風疹抗体検査:3,000〜5,000円(保険適用なし)
  • AMH検査(卵巣予備能検査):10,000〜20,000円(保険適用なし)

検査を受けるタイミング

ブライダルチェックは、結婚や妊娠を考え始めた段階で早めに受けることが推奨されています。具体的には、結婚の3~4か月前が理想的です。もし何らかの疾患が発見された場合でも、早期に治療を開始できるためです。女性ホルモンの状態を正確に判断するには、月経1〜5日目の間に受診することが望ましいとされています。

ブライダルチェックは、結婚前だけでなく、結婚後や妊活を開始する時期にも受けることが可能です。30歳以上の女性は、妊娠の計画がなくても、将来の妊娠を考慮して早めに受けることをおすすめします。妊娠中に治療ができない病気もあるため、早めの検査が安心につながります。

ブライダルチェックを受けるときの注意点

ブライダルチェックを受ける際には、生理中の検査は避けることが大切です。子宮の状態を正確に把握するため、生理が終わってから1週間後くらいに受診しましょう。検査を受ける前に、過去の手術歴やアレルギー、服用中の薬などがあれば、医師に伝えておきましょう。

検査結果に疑問点があれば遠慮なく質問することが大切です。医師とよく相談し、自分に合った方法で検査を受けてみてください。

ブライダルチェック後の流れ

ブライダルチェックを受けた後は、検査結果にもとづいて、医師から説明やアドバイスを受けます。結果が良い場合もあれば、異常が見つかる場合もあるかもしれません。それぞれの場合に応じて、落ち着いて今後のことを考えていきましょう。

異常が見つかった場合の治療法

ブライダルチェックで異常が見つかった場合、落ち着いて医師の説明を聞きましょう。

  • 子宮頸がん:進行すると不正出血やおりものの異常、下腹部痛などの症状が現れることがあります。膀胱や直腸などの周辺臓器に影響を及ぼし、排尿障害や血便などの症状が出ることもあります。
  • 子宮頸がんの治療法:がんの進行度や患者の年齢、妊娠の希望などを考慮して決定されます。初期のがんでは、子宮頸部の一部を切除する手術が行われます。進行がんの場合は、子宮の全摘出手術や放射線療法、抗がん剤治療などが必要です。
  • 「子宮筋腫」「子宮内膜症」:子宮の筋肉組織が増殖したり、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所にできたりする病気です。良性の腫瘍なので、命に関わることはほとんどありませんが、症状が重い場合は治療が必要になります。
  • 「子宮筋腫」「子宮内膜症」の治療法:薬物療法や手術など、症状や腫瘍の大きさ、妊娠の希望などを考慮して選択されます。
  • 性感染症(クラミジアや淋病など)の治療法:抗生物質などの薬で治療します。

妊娠・出産に向けてのアドバイス

妊娠しやすい体づくりのためには、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を行い、十分な睡眠をとりましょう。禁煙や節酒も大切です。妊娠前に葉酸を摂取することも推奨されています。葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らす効果があります。

医師は、これまでの検査結果や健康状態、生活習慣などを考慮しながら、それぞれの状況に合わせて、適切なアドバイスをしてくれます。「妊娠に向けて準備しておくことはあるのか」「妊娠中に気をつけることはあるか」といった疑問を医師に相談しましょう。

相談できる窓口

ブライダルチェックや婦人科系の病気、妊娠・出産に関することなど、何か不安や疑問があれば、医師や看護師に相談しましょう。些細なことでも相談しやすい雰囲気作りを心がけている病院・クリニックを選ぶことも大切です。地域の保健センターなどでも、相談窓口を設けている場合があります。一人で抱え込まずに、信頼できる人に相談したり、専門機関を利用したりして、必要なサポートを受けましょう。

まとめ

ブライダルチェックとは、結婚前に自身の体の状態を知り、安心して妊娠・出産を迎えるための準備です。費用は検査項目によりますが、3〜5万円程度が相場です。検査は結婚の3~4か月前が理想で、生理期間は避けてください。異常が見つかった場合でも、医師の指示に従い適切な対応をすれば、安心して未来を迎えられます。

参考文献

  1. Dilli PP, Obeagu E, Tamale A, Ajugwo A, Pius T, Makeri D. Update on the practice of premarital screening for sickle cell traits in Africa: a systematic review and meta-analysis. BMC public health 24, no. 1 (2024): 1467.
  2. Ren M, Shireman H, VanGompel EW, Bello JK, Carlock F, McHugh A, Stulberg D. Preconception, Interconception, and reproductive health screening tools: A systematic review. Health services research 58, no. 2 (2023): 458-488.
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