長谷川レディースクリニック淵野辺ソフィア

体外受精の費用はいくら?保険適用の自己負担と東京都・港区の助成【2026年版】

公開日:2026.11.02
更新日:2026.11.02
医師監修長谷川 朋也長谷川レディースクリニックグループ 統括院長/生殖医療専門医監修者について

体外受精を考えはじめたとき、多くの方が気になるのが「結局いくらかかるのか」という費用のことです。体外受精は2022年4月から保険適用となり、条件を満たせば自己負担は原則3割になりました。さらに東京都では、2026年4月1日以降に始めた治療から、保険診療の自己負担分も助成の対象になっています。

この記事では、当院の保険診療の料金をもとに、体外受精1回あたりの費用の目安と内訳、保険適用の条件、高額療養費制度や東京都・港区の助成を使った場合の負担について解説します。

この記事のポイント

  • 保険診療の体外受精は、採卵から胚移植までの1回の治療で、自己負担はおおよそ十数万円〜20万円前後が目安です(採卵できた卵子の数、受精の方法、胚の数、お薬の量で変わります)
  • 東京都にお住まいの方は、2026年4月1日以降に始めた治療から、保険診療の自己負担と先進医療の費用が1回の治療につき15万円まで助成されます
  • 費用の見通しや助成の使い方は、診察時にご相談いただけます

※この記事の金額は、2026年11月時点の当院の料金と制度にもとづく目安です。実際の費用は治療内容によって変わります。

目次
1. 体外受精の費用の全体像
2. 費用の内訳(保険診療の料金)
3. 1回の治療でいくら?費用の試算例
4. 保険適用の条件(年齢と回数)
5. 先進医療の費用
6. 費用の負担を軽くする制度(高額療養費・東京都・港区)
7. 費用を考えるときの注意点
8. 長谷川レディースクリニック赤坂の体外受精
9. よくある質問

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体外受精の費用の全体像

保険適用(3割負担)の場合は1回十数万円〜20万円前後が目安

採卵から胚移植までの一連の治療(1回の治療)で、保険診療の自己負担はおおよそ十数万円〜20万円前後が目安です。採卵できた卵子の数が多いほど、また顕微授精を行うほど、受精・培養・胚凍結の費用が増えます。

1回の採卵で複数の胚を凍結できた場合、2回目以降の移植では採卵の費用がかかりません。凍結融解胚移植の費用(3割負担で36,000円)と、その周期の診察やお薬の費用が中心になります。

保険が使えない場合(自由診療)は全額自己負担

治療開始時に女性が43歳以上の場合や、保険診療の回数の上限を超えた場合は、体外受精は自由診療となり、費用は全額自己負担です。また、保険診療と保険が使えない治療を組み合わせること(混合診療)は原則として認められていないため、国が認めた先進医療以外の自費の治療を一緒に行うと、一連の治療全体が自費になります。自由診療の費用は医療機関によって異なるため、事前に確認しましょう。

体外受精の費用の内訳(当院の保険診療の料金)

当院の保険診療(3割負担)の料金は次のとおりです。保険診療の料金は国が定めた点数で決まるため、基本的にどの医療機関でも同じです。

管理料・検査・排卵誘発剤

項目3割負担の金額
生殖補助医療管理料(体外受精の周期ごと)900円
排卵誘発剤約10,000〜20,000円
超音波検査・ホルモン検査約10,000〜15,000円

採卵(採れた卵子の数で変わる)

採卵の費用は「基本料+採れた卵子の数に応じた料金」です。卵子が採れなかった場合も基本料がかかります。

項目3割負担の金額
基本料9,600円
卵子1個+7,200円
卵子2〜5個+10,800円
卵子6〜9個+16,500円
卵子10個以上+21,600円

受精(体外受精・顕微授精)

卵子に精子をふりかけて受精させる方法(体外受精)と、細い針で精子を卵子に直接入れる方法(顕微授精)があります。顕微授精は、受精させる卵子の数によって料金が変わります。

項目3割負担の金額
体外受精9,600円(新鮮精子加算 3,000円)
顕微授精 1個11,400円
顕微授精 2〜5個17,400円
顕微授精 6〜9個27,000円
顕微授精 10個以上35,400円
体外受精と顕微授精を同時に実施 1個16,200円
体外受精と顕微授精を同時に実施 2〜5個22,200円
体外受精と顕微授精を同時に実施 6〜9個31,800円
体外受精と顕微授精を同時に実施 10個以上40,200円

胚の培養・凍結保存

項目3割負担の金額
受精卵培養(受精した個数ごと) 1個13,500円
受精卵培養 2〜5個18,000円
受精卵培養 6〜9個25,200円
受精卵培養 10個以上31,500円
胚盤胞培養加算 1個4,500円
胚盤胞培養加算 2〜5個6,000円
胚盤胞培養加算 6〜9個7,500円
胚盤胞培養加算 10個以上9,000円
胚凍結(凍結保存の開始時) 1個15,000円
胚凍結(凍結保存の開始時) 2〜5個21,000円
胚凍結 6〜9個30,600円
胚凍結 10個以上39,000円

胚移植

項目3割負担の金額
新鮮胚移植22,500円
凍結融解胚移植36,000円
アシステッドハッチング3,000円
ヒアルロン酸を含む培養液の使用3,000円

胚の凍結を続ける場合は、翌年以降に凍結の維持管理の費用がかかります。料金の一覧は不妊治療の料金ページでもご確認いただけます。

1回の治療でいくら?費用の試算例

例として、採卵で4個の卵子が採れ、4個すべてに顕微授精を行い、胚盤胞まで育った2個を凍結して、翌周期以降に凍結融解胚移植を1回行った場合の自己負担(3割)は、次のとおりです。

体外受精1回の費用の目安(3割負担)の試算例。合計 約14万〜15.5万円
項目3割負担の金額
生殖補助医療管理料900円
採卵(基本料+2〜5個)20,400円
顕微授精(2〜5個)17,400円
受精卵培養(2〜5個)18,000円
胚盤胞培養加算(2〜5個)6,000円
胚凍結(2〜5個)21,000円
凍結融解胚移植36,000円
排卵誘発剤・超音波検査・ホルモン検査(目安)約20,000〜35,000円
合計の目安約14万〜15.5万円

このほか、診察料や移植周期のお薬、麻酔などの費用がかかる場合があります。採れた卵子の数が多い場合や、先進医療を併用する場合は費用が上がります。

ご自身の場合にどのくらいかかりそうかは、診察時にご相談いただけます。長谷川レディースクリニック赤坂(東京都港区)では、Web予約とお電話で初診のご予約を受け付けています。

保険適用の条件|年齢と回数

体外受精・顕微授精を保険診療で受けるには、次の条件があります。

体外受精の保険適用の条件。39歳までは1子につき6回、40〜42歳は3回まで、43歳以上は保険適用外
  • 治療開始時(治療計画を作成した日)に、女性が43歳未満であること
  • 回数の上限は、治療開始時に40歳未満なら1子につき6回まで、40歳以上43歳未満なら3回まで(胚移植の回数で数えます)
  • 出産(妊娠12週以降の死産を含む)後に次のお子さんを望む場合は、回数がリセットされます

保険適用の範囲やメリット・注意点は、不妊治療の保険適用の解説記事で詳しく解説しています。

先進医療の費用|保険と併用できる自費の治療

先進医療とは、国が保険診療との併用を認めている、保険適用外の医療技術です。先進医療の部分は全額自己負担ですが、保険診療の部分は3割負担のまま受けられます。長谷川レディースクリニックグループで実施している先進医療の技術料(税抜)は次のとおりです。

先進医療技術料(税抜)
タイムラプス34,500円
IMSI19,500円
PICSI27,000円
ZyMot28,000円
二段階新鮮胚移植40,000円
二段階凍結胚移植45,000円
SEET法32,000円
子宮内膜スクラッチ20,000円
ERA・ERpeak145,000円
EMMA+ALICE65,000円

先進医療が必要かどうかは、これまでの治療の経過などをもとに医師と相談して決めます。実施する医院や内容は診察時にご案内します。詳しくは先進医療のページをご覧ください。

費用の負担を軽くする制度

自己負担を軽くする制度。窓口の3割負担、高額療養費、東京都の不妊治療費助成(1回15万円まで)、港区の助成(1回30万円まで)

高額療養費制度|2026年8月から見直し

1か月(1日〜末日)の医療費の自己負担が上限額を超えた場合、超えた分が払い戻されます。上限額は年齢と所得によって決まり、たとえば70歳未満で年収約370万〜約770万円の方は、2026年7月までの制度で「80,100円+(医療費−267,000円)×1%」でした。

2026年8月診療分からは、所得区分が細かく分かれて月ごとの上限額が段階的に引き上げられる一方、1年間(8月〜翌年7月)の自己負担に上限を設ける「年間上限」が新しくできました。過去12か月に3回以上上限に達した場合の「多数回該当」の金額は据え置かれています。採卵や移植の月は医療費が集中しやすいため、ご自身の上限額を加入している健康保険で確認しておきましょう。

東京都の不妊治療費助成|2026年4月以降に始めた治療は1回15万円まで

東京都では、2026年4月1日以降に開始した治療から、保険診療で受けた体外受精・顕微授精の自己負担分と、あわせて受けた先進医療の費用が助成の対象になりました。1回の治療につき15万円が上限です。

  • 対象:「1回の治療」の開始日に妻が43歳未満で、夫婦のいずれかが継続して都内に住民登録している方(事実婚を含む)
  • 回数:保険診療と同じ(治療開始時に39歳までは6回、40〜42歳は3回まで。1子ごとにリセット)
  • 差し引かれるもの:高額療養費や健康保険組合の付加給付を受けた場合は、その額を差し引いて助成されます
  • 申請:2026年10月1日から受付開始。「1回の治療」が終わった日の属する年度の3月31日まで(1〜3月に終わった治療は、6月30日まで申請できる場合があります)

前の試算例(約14万〜15.5万円)の場合、15万円を上限に自己負担の大部分が助成の対象になる計算です。なお、2026年3月31日までに開始した治療は、従来どおり先進医療の費用の10分の7(1回15万円まで)が対象です。

港区の特定不妊治療費助成|先進医療・自由診療を1回30万円まで

港区では、保険が使えない先進医療の費用や、保険診療と組み合わせられない治療を行ったため全額自己負担になった治療(自由診療)の費用について、1回の治療につき30万円を上限に助成しています。治療開始日に妻が43歳未満であることなどの条件があり、先進医療は東京都の助成額を差し引いた金額が対象です。ほかの区市町村でも、独自の助成を行っている場合があります。

医療費控除

1年間(1〜12月)に支払った医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)を超えた場合、確定申告で医療費控除を受けられます。通院のための交通費も対象です。助成金を受け取った場合は、その金額を差し引いて計算します。

東京都・港区の助成の使い方や、申請に必要な書類(医療機関が記入する受診等証明書など)についても、診察時にお気軽にご相談ください。

体外受精の費用を考えるときの注意点

  • 1回で妊娠するとは限りません:妊娠率は年齢などによって異なり、複数回の治療が必要になることもあります。何回分の費用を見込むかも含めて、医師と相談しておくと安心です
  • 1回の採卵で複数回移植できる場合があります:凍結できた胚が複数あれば、2回目以降は採卵の費用がかからず、移植の費用が中心になります
  • 通院の時間も考えておきましょう:卵巣刺激の期間は数日おきに通院し、採卵日は半日ほどかかります。仕事との両立の方法も事前に考えておきましょう

治療の流れは体外受精の流れ、期間や日程は体外受精のスケジュールの記事で詳しく解説しています。

長谷川レディースクリニック赤坂の体外受精

長谷川レディースクリニック赤坂(東京都港区)では、検査の結果を見ながら、タイミング法・人工授精・体外受精のうち、結果に合った方法から治療を進めます。体外受精・顕微授精の費用の見通しや、東京都・港区の助成の使い方についても、診察時にお気軽にご相談ください。

赤坂院での不妊検査・不妊治療については、赤坂の不妊治療・不妊検査のページで詳しくご案内しています。

体外受精の費用に関するよくある質問

体外受精は1回いくらかかりますか?

保険診療の場合、採卵から胚移植までの1回の治療で、自己負担はおおよそ十数万円〜20万円前後が目安です。採れた卵子の数、受精の方法、凍結する胚の数、お薬の量によって変わります。

保険診療と自由診療は何が違いますか?

保険診療は自己負担が原則3割で、高額療養費制度や東京都の助成も使えます。自由診療は全額自己負担で、費用は医療機関ごとに異なります。年齢や回数の条件を満たさない場合や、保険と組み合わせられない治療を行う場合は自由診療になります。

東京都の助成はいつ、どうやって申請しますか?

2026年4月1日以降に開始した治療の申請は、2026年10月1日から東京都の申請フォームで受け付けています。医療機関が記入する受診等証明書などが必要です。申請期限は「1回の治療」が終わった日の属する年度の3月31日までです。

43歳以上は保険が使えませんか?

治療開始時に43歳以上の場合、体外受精・顕微授精は保険診療の対象外です。年齢は治療計画を作成した日の年齢で判断するため、43歳になる前に治療計画を作成した場合は、その計画に沿った治療を保険診療で受けられます。

顕微授精にすると費用は上がりますか?

上がります。たとえば受精させる卵子が2〜5個の場合、3割負担で体外受精は9,600円、顕微授精は17,400円です。どちらの方法で受精させるかは、精子の状態やこれまでの経過をもとに医師が判断します。

先進医療は助成の対象になりますか?

東京都の助成では、保険診療の体外受精・顕微授精とあわせて受けた先進医療の費用も、1回15万円の上限の中で対象になります。港区にお住まいの方は、先進医療の費用から都の助成額を差し引いた金額について、区の助成(1回30万円まで)も利用できます。

男性不妊の治療費も助成の対象になりますか?

東京都の助成では、一連の体外受精・顕微授精の中で保険診療として行った男性不妊の治療も対象になります。精子が得られず採卵・受精に進まなかった場合も、対象になることがあります。

参考文献

※この記事は2026年11月時点の情報にもとづいています。制度の内容は変わることがあるため、最新の情報は各機関のホームページでご確認ください。

この記事の監修者

長谷川 朋也 統括院長

長谷川 朋也Tomoya Hasegawa

長谷川レディースクリニックグループ 統括院長

  • 医学博士
  • 日本専門医機構認定 産婦人科専門医・指導医
  • 日本生殖医学会認定 生殖医療専門医・指導医

東京医科大学卒業。大学病院や複数のクリニックでの診療、ハーバード大学での不妊症研究(Postdoctoral fellow)を経て、現職。医師紹介を見る

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