ソフィアレディスクリニック

おりものの臭いの原因と改善策!自分でできるケア方法と対策

公開日:2025.04.20
更新日:2025.04.20

デリケートゾーンの悩みについて、誰にも相談できずに一人で抱え込んでいませんか?おりものの臭いは、多くの女性が気にしている悩みの一つです。おりものの臭いの原因はさまざまで、生活習慣の乱れやホルモンバランスの変化などがあります。この記事では、おりものについて、以下の内容を解説します。

  • おりものの臭いの原因5選
  • おりものの臭いを改善するセルフケア3選
  • おりものの臭いを予防するための対策4選

おりものの臭いは、病気のサインである可能性があります。おりものの臭いへの理解を深めることで、適切な対応ができるようになり、より健康的な生活に役立てることができます。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、おりものをはじめとした、あらゆる婦人科疾患の悩みに強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。

おりものの臭いの原因5選

おりものの臭いの原因には、治療が必要な場合があります。おりものの臭いの主な原因は、以下の5つです。

  • 膣内環境の乱れ:細菌性膣症など
  • 性感染症:トリコモナス膣炎、淋病など
  • ホルモンバランスの変化:更年期、妊娠など
  • 生活習慣:不適切な下着の着用、過度の洗浄など
  • ストレスや疲労

膣内環境の乱れ:細菌性膣症など

健康な状態では、膣内には善玉菌と悪玉菌が一定のバランスで共存し、自浄作用によって清潔に保たれています。通常は、善玉菌が優勢な環境が保たれており、悪玉菌の増殖が抑えられています。善玉菌と悪玉菌の共存バランスが崩れると、臭いを発する悪玉菌が増殖し、膣炎を引き起こしておりものの臭いが変化する可能性があります

細菌性膣症は、性行為とは関係なく発症します。細菌性膣症を発症すると、おりものに「魚が腐ったような臭い」が生じます。おりものの色や量にも変化が見られる場合があります。以下のような要因で膣内環境が乱れると、細菌性膣症を引き起こすリスクが高まる可能性があります

  • 過労
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 抗生物質の長期使用
  • 過度な膣内洗浄

なお、おりものの色が茶色く変化する場合には、ホルモンバランスの乱れや病気のサインであることもあります。以下の記事では、茶色のおりものが出る原因や考えられる疾患、受診の目安について詳しく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
>>茶色のおりものが出る原因と対処法!受診の目安と注意点

性感染症:トリコモナス膣炎、淋病など

トリコモナス膣炎や淋病などの性感染症は、おりものの臭いの原因になる可能性があります。トリコモナス膣炎の主な症状は、以下のとおりです。

  • おりものの量が増える
  • おりものが黄色っぽくなる
  • おりものが泡状になる
  • おりものの臭いが強くなる
  • 外陰部が痒くなったり痛くなったりする

淋病の主な症状は、以下のとおりです。

  • おりものの量が増える
  • おりものが黄色や緑色になる
  • おりものの臭いが強くなる
  • 排尿時に痛みがある

性感染症は、パートナーとの間で感染します。パートナーの健康を守るためにも、早期発見と適切な治療が重要ですMayo Clinの研究では、膣炎は女性の生活の質にも大きく影響を及ぼすことが指摘されています。気になる症状がある場合は、婦人科での相談・受診をご検討ください。早期の対応が症状改善に役立つ場合があります。

黄色いおりものが見られる場合には、性感染症以外にも複数の原因が考えられます。以下の記事では、黄色のおりものが出る原因や症状別の対処法について、より詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
>>黄色のおりもの、放置は危険?原因と症状別の対処法を解説

ホルモンバランスの変化:更年期、妊娠など

女性の体は、ホルモンバランスの変化と密接に関係しています。更年期を迎えると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少します。膣の粘膜が薄くなり乾燥しやすくなるため、細菌感染のリスクが高まり、おりものの臭いが変化することがあります

妊娠中は、ホルモンバランスが大きく変動し、おりものの量が増加するため、臭いを感じやすくなることがあります。多くの場合、自然な生理現象であり、心配する必要はありません。強い臭いや他の症状を伴う場合は、念のため医師に相談することをおすすめします。

妊娠初期には、おりものの色や量にも特徴的な変化が見られます。以下の記事では、生理前との違いや見分け方、注意すべきポイントについて詳しく解説していますので、不安がある方は参考にしてください。
>>妊娠初期のおりものの色や量などを解説|生理前のおりものとの違いも紹介

生活習慣:不適切な下着の着用、過度の洗浄など

毎日の生活習慣が、おりものの臭いに影響する可能性があります。ナイロン製の通気性の悪い下着は、デリケートゾーンを蒸れやすくし、雑菌の温床となる可能性があります。生理用ナプキンも、長時間使用すると雑菌が繁殖しやすいため、こまめに交換することが重要です。

デリケートゾーンを過度に洗浄することは禁物です。石鹸や洗浄剤を頻繁に使いすぎると、膣内環境のpHバランスを乱し、自浄作用を担う善玉菌まで洗い流してしまう可能性があります。膣内の洗浄は、医師の指示がない限り行わないことが推奨されています。

ストレスや疲労

ストレスや疲労の蓄積は免疫機能に影響を与える可能性があり、膣内環境にも関わることが考えられます。ストレス管理は全身の健康維持に役立つ可能性があります。ストレスをため込まないよう、心身の健康を維持するために普段から以下の工夫を心がけましょう。

  • 適度な運動をする
  • リラックスする時間を確保する
  • バランスの良い食事を摂る
  • 十分な睡眠時間を確保する

おりものの臭いを改善するセルフケア3選

おりものの臭いを改善するためにできるセルフケアは、以下の3つです。

  • デリケートゾーンを清潔に保つ
  • 下着やナプキンをこまめに交換する
  • 食生活を見直す

デリケートゾーンを清潔に保つ

デリケートゾーンを清潔に保つことは、おりものの臭い対策として一般的に推奨されている方法の一つです。膣内には、自浄作用があり、膣内を弱酸性に保つことで、雑菌の繁殖を抑えています。自浄作用を妨げないように、以下の手順で洗いましょう。

  1. 手を洗う
  2. 外陰部(膣の外側)のみ洗う
  3. 清潔なタオルで押さえるようにして、優しく水分を拭き取る

デリケートゾーンを洗うときは、以下の点に注意してください。

  • ぬるま湯(35〜40℃程度)で洗うこと
  • 洗う頻度は1日1回にすること
  • ゴシゴシこすらず、指の腹を使って優しく丁寧に洗うこと
  • 洗浄剤を使用する場合は、デリケートゾーン専用の洗浄剤を使用すること
  • 清潔なタオルを使うこと

デリケートゾーンへの刺激となるため、熱いお湯や冷たい水では洗わないようにしてください。1日2回以上洗うと、膣内環境や臭いを悪化させる可能性があります。適切な方法と頻度で洗浄することが大切です。

洗浄剤を使用する場合は、デリケートゾーン専用の低刺激で弱酸性のものを選びましょう。一般的なボディソープなどは、膣内環境のpHバランスを崩す可能性があるので適していません。

デリケートゾーンを拭くタオルは、清潔なものを使い、他の部分と共用するのは避けましょう。湿ったタオルを放置すると雑菌が繁殖しやすくなるので、使用後は風通しの良い場所で乾かしましょう。清潔なタオルを使用することで、雑菌の繁殖を防ぎ、臭いの発生を抑えることができます。

下着やナプキンをこまめに交換する

下着やナプキンは、おりものや汗を吸収するため、雑菌が繁殖しやすい環境になります。こまめに交換し、臭いの発生を防いで、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう

  • 下着:毎日交換する
  • ナプキン:2~3時間ごとに交換する
  • おりものシート:毎日おりものシートを使用する場合は、こまめに交換する

下着は通気性の良い綿素材で締め付けが強くないものがおすすめです。化学繊維の下着は通気性が悪く、蒸れやすいので避けてください。締め付けの強い下着は血行不良を招き、おりものの臭いを悪化させる可能性があります。

経血量の多い日や、暑い時期はナプキンやおりものシートをこまめに交換してください。ナプキンやおりものシートは、通気性が良く、自分の肌に合ったものを選ぶことが重要です。素材によっては、かぶれやかゆみを引き起こす可能性があります。

食生活を見直す

食生活の乱れは、体全体の健康状態に影響を与え、おりものの臭いに影響します。バランスの良い食事を心がけ、腸内環境を整えることは、おりものの臭い対策や膣内環境の改善にも役立ちます。以下の点に注意してください。

  • ヨーグルトや発酵食品を摂る
  • 水分を十分に摂る
  • 甘いものや脂っこいものを控えめにする

ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品は、腸内環境を整える善玉菌を多く含んでいます。腸内環境が整うと、免疫力も高まり、膣内環境が改善されやすくなります。発酵食品を積極的に食事に取り入れることで、おりものの臭い改善に役立つ可能性があります。

水分をしっかり摂ることで、体内の老廃物が排出されやすくなり、臭いの軽減につながります。1日に1.5〜2リットル程度の水分摂取を目標に、こまめに水分補給をしましょう。

バランスの良い食生活は全身の健康に重要です。甘いものや脂っこいものの過剰摂取は控え、野菜や果物などの栄養バランスの良い食事を心がけることが推奨されています。

おりものの臭いを予防するための対策4選

おりものの臭いは、以下の方法で予防できる可能性があります。バランスよく予防策を実践し、より健康で快適に過ごしましょう。

  • 規則正しい生活習慣を心がける
  • ストレスを溜めないようにする
  • 免疫力を高める
  • 定期的に婦人科検診を受ける

規則正しい生活習慣を心がける

睡眠不足や偏った食生活、運動不足などは、免疫力の低下につながり、膣内環境のバランスを崩す可能性があります。以下の点を意識して、規則正しい生活を心がけましょう。

  • 睡眠:毎日同じ時間に寝起きし、7時間程度の睡眠時間を確保する
  • 食事:バランスの良い食事を意識する
  • 運動:血行促進やストレス軽減し、免疫細胞を活発化する
  • 入浴:副交感神経を優位にして、心身をリラックスさせやすい

規則正しい睡眠習慣は、体内時計を調整し、ホルモンバランスや免疫機能の安定に役立ちます。質の良い睡眠をしっかりとることで、免疫力を維持できます。食事では、腸内環境を整える発酵食品や、免疫力を高めるビタミン、ミネラルを豊富に含む野菜や果物を積極的に摂りましょう。

適度な運動については、ウォーキングやヨガなど、無理なく続けられる運動を習慣にしましょう。入浴は体を温めるだけでなく、自律神経のバランスを整えます。40℃程度のお湯に10分ほど肩まで浸かるようにしましょう。

ストレスを溜めないようにする

おりものの臭いは、ストレスの影響を受ける可能性があります。慢性的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、ホルモン分泌に影響を及ぼします。結果として、免疫力が低下し、膣内環境の悪化につながる可能性があります。以下のストレス解消法を試してみましょう。

  • 好きな音楽を聴く
  • アロマを楽しむ
  • ゆっくりとお風呂に浸かる
  • 自然の中で深呼吸をする
  • 友人や家族と過ごす
  • 趣味に没頭する

自分なりのストレス発散方法を見つけて、心身のリラックス時間を作ることは、心と体の健康を維持するために重要です。

免疫力を高める

免疫力が低下すると、さまざまな病気にかかりやすくなるだけでなく、おりものの臭いにも影響を与える可能性があります。免疫力を高めるためには、バランスの良い食事を摂ることや規則正しい生活をするだけでなく、体を冷やさないことも重要です

体が冷えると、血行が悪くなり、免疫機能が低下しやすくなります。温かい飲み物を飲んだり、衣服で調整するなど、体を温める工夫をしましょう。

定期的に婦人科検診を受ける

婦人科検診は、おりものの臭いだけでなく、子宮頸がんや子宮体がん、性感染症など、さまざまな婦人科疾患の早期発見・早期治療につながります。おりものの臭いが普段と違ったり、量が増えたりした場合は、早めに婦人科を受診することが重要です

婦人科検診では、問診や内診、細胞診、超音波検査などを行います。検査を通して、医師は患者さんの状態を総合的に判断し、適切な診断と治療を行います。早期発見・早期治療は、多くの病気において予後を改善するうえで重要です。婦人科で相談することで、自分にあったケア方法や予防策についてのアドバイスを受けることができるため、積極的に活用しましょう。

まとめ

おりものの臭いは、多くの女性が抱えるデリケートな悩みです。原因は、膣内環境の乱れや性感染症、ホルモンバランスの変化、生活習慣、ストレスなどが考えられます。

デリケートゾーンを正しく洗浄することや、下着やナプキンをこまめに交換すること、食生活を見直すことで、臭いの改善が期待できます。おりものの臭いを予防するためには、以下を意識してください。

  • 規則正しい生活を送りストレスを溜めない
  • 免疫力を高める
  • 定期的な婦人科検診を受ける

セルフケアと生活習慣の改善を意識し、必要であれば婦人科で相談するなどして、自分に合った方法を見つけましょう。

そもそも「おりもの」とはどのような役割を持つものなのか、正常な状態と異常のサインはどう見分けるのかを知っておくことも大切です。以下の記事では、おりものの色やにおいから読み取れる健康状態について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>>おりものとは?おりものの色でわかる健康状態や注意すべきおりものの特徴を解説

参考文献

Mary L Marnach, Jenna N Wygant, Petra M Casey.Evaluation and Management of Vaginitis.Mayo Clin Proc,2022,97,2,p.347-358

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