ソフィアレディスクリニック

子宮筋腫の手術後はいつから仕事復帰できる?デスクワークと立ち仕事の場合を解説

公開日:2024.09.30
更新日:2024.09.30

子宮筋腫の手術後 「本当に仕事に復帰できるの?」「再発の可能性は?」と、不安を抱えていませんか?子宮筋腫の手術は、近年では体に負担の少ない方法が増えており、多くの方が職場復帰を果たしています。 大学病院では、子宮筋腫の手術の約8割が腹腔鏡手術で行われているというデータもあります。

この記事では、手術方法別の復帰までの目安期間や再発予防、職場復帰に向けた具体的な準備、注意点などを医師監修のもとで詳しく解説しています。 安心して職場復帰を迎え、健康的な生活を送るためにも、ぜひ参考にしてみてください。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、子宮筋腫の診療にも強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。
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子宮筋腫の手術方法と仕事復帰までの期間

子宮筋腫の手術方法は「お腹を切る開腹手術」「お腹に小さな穴をあけて行う腹腔鏡手術」「子宮の中に器具を入れて行う子宮鏡手術」の3つがあります。それぞれの手術方法によって、仕事復帰までの期間は異なります。

子宮鏡手術の場合の復帰目安

子宮鏡手術は、お腹を切らずに子宮の中だけで手術を行うため、体への負担が比較的軽い手術です。デスクワークの方であれば、手術後2~3日ほどで仕事復帰できる場合もあります。立ち仕事の方でも、1週間程度で復帰できることが多いです。

あくまで目安であり、症状や年齢、仕事内容によって個人差があります。医師の指示に従い、無理のないようにしましょう。

開腹手術の場合の復帰目安

開腹手術は、お腹を大きく切開して手術を行うため、腹腔鏡手術や子宮鏡手術と比べて、体への負担が大きくなります。仕事復帰までの期間も長くなる傾向です。デスクワークの方は手術後3~4週間程度、立ち仕事の方は4~6週間程度かかることもあります。

仕事復帰後は、無理せず、徐々に仕事量を増やしていくように心がけましょう。

手術方法による入院期間の違い

手術方法によって入院期間も大きく異なります。子宮鏡手術の場合、日帰り手術も可能な場合があり、入院期間は数日〜1週間程度と短いです。開腹手術の場合は、入院期間は1~2週間程度かかることが多いです。入院期間が短いほうが、経済的な負担も少なく、早く日常生活に戻れます。

仕事復帰時期の医師との相談の重要性

子宮筋腫の手術後の仕事復帰時期は、手術方法や仕事内容だけでなく、患者さんの年齢や体力、術後の経過によっても異なります。仕事復帰時期については、必ず医師に相談し、指示に従いましょう。

無理をして仕事復帰すると、体調を崩したり、回復が遅れたりする可能性があります。医師と相談し、安心して仕事復帰できるように準備しましょう。

仕事復帰の準備と注意点

子宮筋腫手術後の仕事復帰について、デスクワークと立ち仕事に分け、医師の立場から具体的なアドバイスと注意点をお伝えします。

デスクワークの復帰準備と注意点

デスクワークの場合、手術後2〜4週間程度で仕事復帰される方が多いですが、個人差があるため、焦らずに医師と相談しながら復帰時期を決めましょう。仕事復帰前の準備としては、以下の対応が必要です。

  • 職場への連絡
  • 業務量の調整
  • 休憩時間の確保
  • 通勤手段の見直し
  • 服装

職場には、手術の内容や仕事復帰の時期について、事前に詳しく伝えておきましょう。 業務量は、できる範囲の業務から始め、徐々に業務量を増やしましょう。 私の

休憩時間の確保も大切です。デスクワーク中は、長時間同じ姿勢での作業が続くため、こまめな休憩を取り、体を休ませましょう。通勤手段によっては、満員電車での移動など、体に負担がかかってしまうこともあります。 可能であれば、時差通勤や自転車通勤など、体に負担の少ない通勤方法を検討しましょう。

きつい服装は、お腹を圧迫し、血行が悪くなる可能性があります。 仕事復帰当初は、締め付けの少ない服装を選び、体の負担を軽減しましょう。

立ち仕事の復帰準備と注意点

立ち仕事は、デスクワークに比べて体への負担が大きいため、仕事復帰までに体力回復を心がけることが重要です。仕事復帰前に準備しておきたいことは以下のとおりです。

  • 体力回復
  • 靴の選び方
  • サポートインナーの着用
  • 職場環境の確認

退院後は、無理のない範囲で軽い運動やストレッチを行い、体力の回復に努めましょう。立ち仕事には、履き慣れた歩きやすい靴を選び、足への負担を軽減することが大切です。サポートインナーは必要に応じて、腹帯やサポートタイツを着用して、お腹や腰への負担を軽減しましょう。

開腹手術を受けた方は、傷口の保護とお腹を支えるために、腹帯の着用をおすすめします。 職場環境の確認も重要で、仕事復帰前に、休憩スペースや作業台の高さなどを調整してもらいましょう。 こまめな休憩をとりながら体調にも気をつけてください。

仕事復帰前に職場に伝えるべきこと

スムーズな仕事復帰のためには、仕事復帰前に職場に以下のことを伝えておくことが大切です。

  • 手術の内容: 手術方法や術後の経過について、簡単に説明する
  • 仕事復帰時期: 医師と相談のうえで決めた、具体的な仕事復帰時期を伝える
  • 就業上の配慮: 体調に合わせて、業務内容や時間の調整など、必要な配慮を依頼する
  • 連絡先: 体調不良などで、急遽休む場合に備え、緊急連絡先を伝える
  • 休暇取得: 病気休暇や傷病休暇など、取得できる休暇について、事前に確認する

体に負担の少ない職場環境の工夫

仕事復帰後は、職場環境を工夫することで、体に負担をかけずに働けます。おすすめの工夫は以下のとおりです。

  • 作業環境の調整
    デスクワークの場合、椅子やモニターの高さを調整し、体に負担の少ない姿勢で作業できるようにしましょう。立ち仕事の場合、作業台の高さを調整したり、マットを敷いたりすることで、足腰への負担を軽減できます。
  • 休憩スペースの確保
    休憩時間には、足を伸ばして休めるようなスペースを確保しましょう。 職場の環境上、難しい場合は、近くの公園のベンチなどを利用するのもおすすめです。
  • 業務分担の見直し
    同僚や上司と協力し、重い荷物を持ったり、長時間立ちっぱなしの作業を避けたりするなど、業務分担を見直しましょう。 
  • 服装の自由化: きつい服装は体を締め付け、血行が悪くなる可能性があります。動きやすい服装を許可してもらうなど、服装の自由化を相談してみましょう。
  • 相談しやすい雰囲気づくり: 体調不良や不安なことがあれば、すぐに相談できるような、職場環境づくりが大切です。

これらの工夫を取り入れることで、より安心して仕事復帰できるよう努めましょう。

子宮筋腫手術後の再発予防と経過観察

手術は、子宮筋腫を取り除くための有効な治療法ですが、術後も定期的な検診や生活習慣の見直しなど、再発予防に向けた取り組みを継続することが大切です。以下に、再発のリスクや予防策、検診の必要性などについて解説します。

再発のリスクと予防策

子宮筋腫の手術は、目に見える筋腫を取り除くことで症状の改善を目指しますが、再発の可能性もゼロではありません。30代~40代で手術を受けた場合、約20~30%の確率で再発すると言われています。

手術で目に見える筋腫を切除しても、ごく小さな筋腫のもとが残っていたり、体質的に筋腫ができやすい状態であったりする可能性があるためです。「再発の可能性がある」ということは「再発のリスクを減らすためにできることがある」とも言えます。

子宮筋腫の再発予防には、女性ホルモン、特にエストロゲンが大きく関わっていると考えられています。エストロゲンは、卵巣から分泌されるホルモンの一種で、子宮内膜を増殖させたり、乳腺を発達させたりするはたらきがあります。

子宮筋腫は、エストロゲンのはたらきで増殖しやすいため、分泌量を抑えることが再発予防につながると考えられています。日常生活の中で、エストロゲンの分泌量を抑えるためにできることは、以下の3つです。

  • バランスの取れた食事
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠

生活習慣を改善することで、子宮筋腫の再発予防だけでなく、健康的な体の維持にもつながります。

定期的な検診の必要性

子宮筋腫は自覚症状が出にくい病気であるため、定期的な検診で早期発見・早期治療に努めることが重要です。定期的な検診を受けることは、子宮筋腫の再発を早期に発見し、適切な治療を受けるために大切です。検診では、子宮の大きさや状態などを確認する内診や、必要に応じて超音波検査などが行われます。

検診間隔の目安説明
術後1~3か月手術後の傷の状態や、合併症の有無などを確認します。
術後半年~1年再発の有無や、新たな筋腫ができていないかなどを確認します。
その後1~2年に1回を目安に、定期的な検診を受け続けることが大切です。

子宮を温存した場合と摘出した場合の注意点

子宮を温存して手術を受けた場合でも、再発の可能性はゼロではありません。術後も定期的な検診を受け、子宮の状態をチェックしていく必要があります。妊娠を希望される方は、医師と相談のうえ、適切な時期に妊娠を検討しましょう。

子宮を摘出した場合は、妊娠はできません。閉経前の年齢で子宮を摘出した場合は、ホルモンバランスが大きく変化し、更年期のような症状が現れることがあります。

ほてりやのぼせ、イライラ、発汗、不眠などの症状が出現した場合は、我慢せずに医師に相談し、ホルモン補充療法などの適切な治療を受けましょう。

体調変化を感じたときの対処法

子宮筋腫の手術後、以下のような症状が出現する場合は、すぐに医師に相談しましょう。体調変化の例は以下のとおりです。

  • 生理痛がひどくなった
  • 生理の量が多くなった、長引くようになった
  • 生理不順が続く
  • 下腹部痛や腰痛が続く
  • 貧血症状がある(動悸や息切れ、めまい、顔面蒼白など)

これらの症状は、子宮筋腫の再発や、その他の病気が隠れている可能性があります。「もしかして…」と思ったら、自己判断せず、早めに医療機関を受診することが大切です。

まとめ

子宮筋腫の手術方法には、開腹手術、腹腔鏡手術、子宮鏡手術の3種類があり、それぞれ仕事復帰までの期間や体への負担が異なります。近年は体への負担が少ない腹腔鏡手術が主流です。

子宮鏡手術は体に負担が少なく、デスクワークであれば2~3日、立ち仕事でも1週間程度で復帰できる場合があります。開腹手術は体に負担が大きく、デスクワークで3~4週間、立ち仕事で4~6週間程度かかることがあります。

いずれの手術方法でも、医師と相談し無理のない仕事復帰計画を立てましょう。

子宮筋腫は女性ホルモンの変化も大きく関わっています。ピルや性行為との関係や、手術の流れなどについても以下の記事で解説しているのでぜひご覧ください。
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>>子宮筋腫の手術は日帰りでもOK!費用や当日の流れ、痛みを徹底解説

参考文献

宮内文久, 大角尚子, 香川秀之, 星野寛美, 松江陽一, 中山昌樹, 藤原多子, 志岐保彦, 伊藤公彦, 辰田仁美, 東矢俊光. 就労女性が子宮筋腫の手術を受ける時に職場から受ける影響. 日本職業・災害医学会 65:276-282, 2017.

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