排卵日の症状とは?起こりうる体調不良や妊娠しやすい時期の目安を解説
公開日:2024.09.30更新日:2024.09.30
あなたは、自分の体のリズムを意識していますか?毎月のことだからと見過ごされがちな排卵日ですが、実は体の変化を知るうえで重要なタイミングです。排卵日周辺では、おりものの変化や腹部の痛み、体温の上昇、だるさ、胸の張り、精神的な変化など、症状はさまざまです。
この記事では、排卵日に起こる体の変化や症状、対処法について詳しく解説していきます。症状を和らげる方法を知っておくことで、より快適に過ごすことが可能です。
神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、排卵に関する相談も受け付けているクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。
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排卵日に現れる体の変化と症状
排卵日に現れる体の変化と症状について、以下の3つの段階に分けて解説します。
- 排卵の前兆|おりものの変化と腹部の痛み
- 排卵日当日|体温の上昇やだるさ
- 排卵後|高温期や胸の張り、精神的な変化
排卵の前兆|おりものの変化と腹部の痛み
排卵が近づくと、女性ホルモンの影響でおりものの量が増え、透明でよく伸びるゼリー状になります。精子が子宮内を移動しやすくなるように、体の中で起きる自然な変化です。
普段はサラサラとしたローションのようなおりものが、排卵期には、とろりとした蜂蜜のような状態になるイメージです。おりものの変化は、個人差が大きく、普段からおりものが多いと感じる人、逆に少ないと感じる人などさまざまです。
正常なおりものは、無色透明、もしくは白っぽい色をしています。少し酸っぱい臭いがありますが、痒みや痛みなどの症状はありません。おりものの色が黄色や緑色に変色したり、悪臭がしたり、外陰部にかゆみがある場合は、細菌感染症などの可能性も考えられます。
排卵の時期には、下腹部に軽い痛みや違和感を感じる人もいます。「排卵痛」と呼ばれ、卵巣から卵子が飛び出すときに周りの組織が引っ張られることで起こります。痛みの感じ方には個人差があり、全く痛みを感じない人もいれば、生理痛のように強い痛みを感じる人もいます。
排卵痛は、我慢できる程度の痛みであることが多いです。鎮痛剤の使用や低用量ピルによる排卵の抑制などの治療を行うこともあります。痛みが続く場合は、自己判断せず、婦人科を受診しましょう。
排卵日当日|体温の上昇やだるさ
排卵日当日には基礎体温がわずかに上昇します。排卵後に分泌される「プロゲステロン」という女性ホルモンの働きによるものです。プロゲステロンには、体温を上昇させる働きがあり、体温の変化は、毎日基礎体温を測ることで確認できます。
基礎体温計は、薬局などで購入できます。毎日同じ時間に、起床後すぐに舌の下で体温を測りましょう。基礎体温を記録することで、自分の体のリズムを把握できます。排卵日には、だるさや眠気を感じる人もいますが、プロゲステロンの影響で体が妊娠の準備を始めるために起こる反応の一つです。
だるさや眠気は、個人差が大きく、全く感じない人もいれば、ひどく寝込んでしまう人もいます。症状が重い場合は、無理せず体を休めましょう。
排卵後|高温期や胸の張り、精神的な変化
排卵後は、基礎体温が高温期に入り、次の生理がくるまで続きます。高温期は、個人差はありますが、約2週間続くのが一般的です。排卵後には、胸の張りや痛みを感じる人もいます。プロゲステロンの作用で乳腺が発達し始めるために起こります。
胸の張り方も個人差があり、全く感じない人もいれば、ブラジャーに当たって痛い、乳腺が張って硬くなっているのを感じる人もいます。妊娠初期にも同様の症状が現れることがあります。
その他にも、プロゲステロンの影響で、イライラしやすくなったり、気分が落ち込みやすくなったりする人もいます。生理前のPMS(月経前症候群)のような症状に近いです。
精神的な変化も個人差が大きく、普段通りの人もいれば、感情のコントロールが難しくなる人もいます。症状が重い場合は、周囲に理解を求め、一人で抱え込まずに、誰かに相談することも大切です。
排卵日を把握する方法
自分の体のリズムを意識することは、なかなか難しいと感じる方もいるかもしれません。 排卵日を把握することは、妊娠しやすい時期がわかるだけでなく、毎月の体調の変化に気づきやすくなるなど、さまざまなメリットがあります。排卵日を把握する方法は以下のとおりです。
- 妊娠しやすい時期を知る
- 基礎体温の変化でタイミングを予測する
- 市販の排卵検査薬で確認する
- アプリやサイトで記録・予測する
妊娠しやすい時期を知る
妊娠しやすい時期は排卵日当日だけでなく、その前後の数日間が妊娠しやすい時期と言われています。精子が女性の体内で数日間生きることができるためです。月経周期が28日の場合、排卵日は14日目頃になります。12~16日目頃が妊娠しやすい時期です。
ただし、あくまで目安であり、 生理周期はストレスや環境、体質などによって変化しやすいので、自分の周期を把握することが重要です。妊娠を望まない場合は、この時期の性交渉には注意が必要です。 避妊をせずに性交渉を行うことは、予期せぬ妊娠につながる可能性があります。
基礎体温の変化でタイミングを予測する
基礎体温とは、朝起きたばかりの、まだ体が活動していない状態の体温のことです。 基礎体温を毎日測り、記録していくと、低温期と高温期の二層に分かれていることに気づきます。低温期から高温期に移行するタイミングが、排卵のサインです。
基礎体温を測る際は、毎朝同じ時間に、寝起きで体を動かす前に測定しましょう。 毎日コツコツと記録することで、自分の体のリズムをつかめます。基礎体温表は、市販だけでなく、スマートフォンのアプリなどでも簡単に記録できます。
市販の排卵検査薬で確認する
ドラッグストアなどで手軽に購入できる排卵検査薬は、尿中のホルモン濃度を測ることで、排卵日を予測する便利なアイテムです。 排卵が近づくと、黄体形成ホルモン(LH)と呼ばれるホルモンの分泌量が増加します。 排卵検査薬はLHサージを捉えることで、排卵のタイミングを教えてくれるのです。
使い方は、検査薬に尿をかけるだけで、結果がすぐにわかります。 製品によって多少の違いはありますが、説明書をよく読んでから使用しましょう。排卵検査薬は、基礎体温と併用することで、より正確に排卵日を予測できます。
アプリやサイトで記録・予測する
最近では、スマートフォンアプリやWebサイトで、生理周期や基礎体温を記録し、排卵日を予測してくれるサービスが充実しています。 過去のデータにもとづいて、次の生理日や排卵日を予測してくれるだけでなく、妊娠しやすい時期も教えてくれます。
グラフでわかりやすく表示してくれるので、自分の体のリズムを視覚的に把握できます。 生理痛や排卵痛の記録、避妊薬の服用状況なども記録できるので、自分の体調管理に役立てられます。
あくまでも目安であり、正確な排卵日を保証するものではありません。 あまり神経質になりすぎず、参考程度に活用しましょう。
排卵日の症状を和らげる方法
排卵日の症状を和らげるための方法を、3つの側面から具体的に解説していきます。
- 生活習慣を見直す
- ストレスを軽減する
- 専門医に相談する
生活習慣を見直す
毎日の生活の中で、少しの工夫を取り入れることで、排卵日の症状を和らげられます。まずは食生活を見直しましょう。栄養バランスのとれた食事は、体の基本的な機能を維持するために欠かせません。
排卵期の症状緩和には、以下の栄養素を意識して摂取することが効果的です。
おすすめの食事内容 | 効果 |
鉄分豊富な食材:レバー、ひじき、ほうれん草 | 鉄分は貧血予防に効果的で、だるさや疲労感を軽減します。 |
マグネシウム豊富な食材:アーモンド、豆腐 | マグネシウムは筋肉の緊張を和らげ、頭痛や腹痛を緩和します。 |
貧血気味で、排卵期にだるさを感じやすい方は、鉄分を多く含むレバーやひじきなどを積極的に食事に取り入れましょう。月経前症候群(PMS)で精神的に不安定になりやすい方は、豆腐やアーモンドなどのマグネシウム豊富な食品がおすすめです。
睡眠も、体のリズムを整え、ホルモンバランスを整えるために重要です。睡眠不足は、自律神経のバランスを乱し、ホルモン分泌にも悪影響を及ぼします。結果、排卵痛がひどくなったり、精神的な症状(イライラ、不安感など)が強まったりする可能性も考えられます。
ストレスを軽減する
ストレスをため込まないためには、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。軽い運動やヨガ、音楽鑑賞や読書、アロマテラピーなど、自分がリラックスできる方法を見つけ、毎日時間を作るようにしましょう。友人とのおしゃべりや趣味に没頭する時間も、ストレス発散に効果的です。
専門医に相談する
市販薬の中には、痛みを和らげる鎮痛剤や、精神的な症状を緩和する漢方薬などがあります。症状に合わせて薬剤師に相談し、自分に合った薬を選びましょう。排卵痛がひどい場合は、鎮痛剤の使用を検討してみましょう。市販薬として販売されている鎮痛剤の中には「NSAIDs(エヌセイド)」と呼ばれる種類の薬があり、痛みや炎症を抑える効果があります。
精神的な症状が強い場合は、漢方薬を試しましょう。漢方薬は、体質全体を整えながら、症状を改善していくことを目的としています。最近では、ストレスを軽減する効果が期待される乳酸菌「ラクトバチルス・パラガッセリ OLL2809 」を含むサプリメントも注目されています。健康な女性の月経前症候群(PMS)の心理的症状を改善する効果が示唆されています。
ただし、自己判断で薬を服用することは危険です。症状が重い場合や、市販薬で改善が見られない場合は、我慢せずに婦人科を受診しましょう。婦人科では、症状に合わせて適切な治療やアドバイスを受けられます。
重要なのは、自分の体と向き合い、つらい症状を我慢しすぎないことです。一人で悩まずに、信頼できる医師に相談することで、より快適な日々を送れます。
まとめ
排卵日は妊娠を望む人にとって大切なのはもちろん、そうでない人にとっても体のリズムを知るうえで重要です。排卵日にはおりものの変化や腹部の痛み、体温上昇やだるさ、精神的な変化など、さまざまな症状が現れることがあります。
症状を和らげるためには、生活習慣の見直しやストレス軽減、そして専門医への相談が有効です。自身の体と向き合い、快適に過ごせるようにしましょう。
排卵時に出血する場合も考えられます。不正出血について網羅的に知りたい方は以下の記事もぜひご覧ください。
>>不正出血を放置しないで!原因や生理との違い、受診の目安まで徹底解説
参考文献
Sato A, Fukawa-Nagira A, Sashihara T. Lactobacillus paragasseri OLL2809 Improves Premenstrual Psychological Symptoms in Healthy Women: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study. Nutrients 15, no. 23 (2023).