ピルの服用中の不正出血は副作用?原因や対処法、受診の目安を解説
公開日:2024.09.30更新日:2024.09.30
ピルを服用中の方の中には「生理でもないのに出血があったけど大丈夫…?」と不安な方もいるのではないでしょうか。ピルの服用中に起こる不正出血は、決して珍しいものではありません。ホルモンバランスの変化やピルの飲み忘れなど、さまざまな原因が考えられます。
この記事では、ピル服用中の不正出血の原因や症状、具体的な対処法について詳しく解説していきます。ご自身の状況と照らし合わせながら、ぜひ最後まで読んでみてください。
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ピル服用中の不正出血はなぜ起こる?原因と症状の特徴
ピルを飲んでいると、生理とは違う時期に出血が起こることがあります。ピル服用中に不正出血が起こる原因と、不正出血にはどんな種類があるのか、症状の特徴について解説します。
ホルモンバランスの変化による出血
ピルには、女性の体内で分泌されるホルモンと似た働きをする成分が含まれていて、ホルモンバランスを調整することで避妊効果を発揮します。 ピルの服用開始後、最初の数か月は、不正出血が起こりやすいです。多くの場合、体がピルのホルモンに慣れてくると自然と落ち着いていきます。
ピルの服用を初めて開始した方や、ピルの種類を変更した場合などは、ホルモンバランスが大きく変化するため、不正出血が起こりやすくなります。
服用を始めてから3か月ほど経っても不正出血が続く場合は、医師に相談し、ピルの種類や服用方法について見直しを検討しましょう。
子宮内膜症などの病気の可能性
不正出血は、ピルの服用以外に、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が原因で起こることもあります。子宮内膜症は、本来は子宮の内側にあるはずの子宮内膜が、子宮以外の場所で増殖してしまう病気です。
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。どちらの病気についても、月経痛がひどくなったり、性交痛が現れたりすることがあります。不正出血が長く続いたり、強い痛みを伴ったりする場合は、医療機関を受診して検査を受けましょう。
不正出血に伴う症状
不正出血は、生理のときのような出血以外に少量の出血や、茶色っぽいおりものが出ることもあります。 下腹部痛や腰痛などの症状を伴うこともあります。生理だと思って過ごしていたら、実は不正出血だったという場合もあるかもしれません。
不正出血の期間の目安
ピル服用中の不正出血は、体がピルに慣れてくると自然に減少していきます。 服用開始から3か月ほど経っても不正出血が続く場合は、医師に相談しましょう。
不正出血が長引く場合は、貧血の症状が現れることもあります。 貧血になると、動悸やめまい、息切れ、顔色が悪くなるなどの症状が現れやすいです。出血量が多く、長期間にわたって不正出血が続く場合は、貧血が進行している可能性もあるので注意が必要です。
ピル服用中の不正出血への対処法
ピル服用中に不正出血が起きた場合の対処法について、詳しく解説していきます。
市販薬の使用は避けて安静に
不正出血が起きると、早く止めたい一心で、ついつい市販の止血剤に頼りたい気持ちもわかります。しかし、ピルの効果やあなたの体質によっては、症状が悪化してしまう可能性があるため、自己判断はやめましょう。市販の止血剤の中には、血を固まりやすくする成分が含まれているものがあります。
ピル自体も血栓症のリスクをわずかに上昇させる可能性があるため、併用すると、血栓症のリスクがさらに高まってしまう危険性も否定できません。市販薬を使用する前に、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
不正出血が起きたときは、激しい運動や重いものを持ち上げるなど、身体に負担をかけずに、ゆっくりと休みましょう。十分な睡眠をとり、栄養バランスの取れた食事を心がけることも大切です。
基礎体温を記録して医師に相談
毎日基礎体温を測り、記録しておくことは、不正出血の原因を突き止めるための大きな手がかりです。基礎体温は、女性のホルモンバランスを反映しており、不正出血と関連がある場合があるからです。
基礎体温計を使って、毎朝決まった時間に体温を測り、カレンダーやアプリなどに記録をつけましょう。基礎体温だけでなく、不正出血がいつから始まり、どのくらいの量が出ているのか、色や状態はどうかなどを詳しく記録しておくと、医師の診断の助けになります。
ピルの種類変更も検討
ピルの種類によって、含まれているホルモンの量や種類が異なり、体への作用も少しずつ異なります。ピルの種類を変えることで、不正出血が改善されることがあります。
ピルの種類については、必ず医師に相談し、自分に合ったピルを選択しましょう。
症状が重い場合は医療機関を受診
不正出血に加えて、以下のような症状がある場合は、注意が必要です。
- 強い腹痛
- めまい
- 発熱
- 吐き気
- 出血量が異常に多い
- 2週間以上続く
これらの症状は、他の病気が隠れているサインである可能性があります。我慢せずに、すぐに医療機関を受診しましょう。
不正出血を防ぐためのピルの服用方法
不正出血のリスクを減らし、ピルを安心して使い続けるために、以下の正しい服用方法を把握しましょう。
- 毎日決まった時間に服用する
- 飲み忘れに気づいたらすぐに服用する
- ピルの保管方法を守り品質を保つ
- 定期的な婦人科検診で相談する
毎日決まった時間に服用する
ピルは、毎日決まった時間に服用することが大切です。 毎日同じ時間に服用することで、体内のホルモン濃度を一定に保ち、ホルモンバランスの乱れによる不正出血を防ぎます。
服用する時間は、あなたのライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる時間帯を選びましょう。
服用時間の目安として、朝型の人は朝食後や出勤前に服用する、夜型の人は夕食後や寝る前に服用するのがおすすめです。毎日決まった時間に服用する習慣をつけましょう。飲み忘れを防ぐために、スマホのアラームやアプリを活用するのも方法の一つです。
飲み忘れに気づいたらすぐに服用する
どんなに気を付けていても、うっかりピルの服用を忘れてしまうこともあるかもしれません。 ピルの飲み忘れは、不正出血の最も大きな原因の一つです。
もし飲み忘れてしまった場合は、気づいたときにすぐに服用しましょう。 「次の服用時間まで、あまり時間がない…」という場合でも、思い出したらすぐに1錠服用してください。飲み忘れ時の対処法は以下のとおりです。
- 1日飲み忘れた場合:思い出したときにすぐに1錠服用し、その後は通常通り1日1錠服用する
- 2日以上連続で飲み忘れた場合:医療機関を受診し、医師の指示に従う
注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 飲み忘れた錠剤をまとめて2錠服用しない
- 飲み忘れが続くほど、不正出血のリスクが高まる
- 不安な場合は、自己判断せずに医療機関を受診する
ピルの保管方法を守り品質を保つ
ピルは、高温多湿や直射日光を避けて保管する必要があります。 誤った方法で保管すると、ピルの効果が低下し、不正出血のリスクが高まる可能性があります。
正しい保管方法は以下のとおりです。
- 室温保存:高温多湿を避け、直射日光の当たらない涼しい場所に保管する
- 冷蔵庫保存:ピルの種類によっては、冷蔵庫での保管が適している。必ず添付文書を確認する
ピルの箱に入れたまま保管して、保管場所の温度変化が激しい場所は避けましょう。使用期限が過ぎたピルは使用しないことも大切です。
定期的な婦人科検診で相談
婦人科検診では、問診や内診、超音波検査などを行い、あなたの体の状態を総合的に判断します。不正出血の原因を特定するための検査やピルの種類変更の相談、その他ピルに関する疑問や不安の相談に乗ってくれます。
検診時は、不正出血の量や期間、症状などを医師に伝えましょう。基礎体温表を持参すると、より詳しい診断に役立ちます。
まとめ
ピル服用中の不正出血は、ホルモンバランスの変化や飲み忘れなどが原因で起こることがあります。
多くの場合、体がピルに慣れることで自然と落ち着きますが、出血が続く場合は自己判断せず、医師に相談しましょう。市販薬の使用は避け、基礎体温を記録しておくと、診断の際に役立ちます。
不正出血を防ぐためには、毎日決まった時間に服用し、飲み忘れた場合は気づいたときにすぐに服用することが大切です。ピルの保管方法を守り、定期的な婦人科検診を受けましょう。
不正出血について網羅的に知りたい方は以下の記事をぜひご覧ください。
>>不正出血を放置しないで!原因や生理との違い、受診の目安まで徹底解説
参考文献
Söderman L, Böttiger Y, Edlund M, Järnbert-Pettersson H, Marions L. “Adjuvant use of melatonin for pain management in endometriosis-associated pelvic pain-A randomized double-blinded, placebo-controlled trial.” PloS one 18, no. 6 (2023): e0286182.