ソフィアレディスクリニック

【医師監修】生理不順でも妊娠できる?妊娠できる確率や生理不順と妊娠の見分け方

公開日:2024.08.29
更新日:2024.08.29

「生理不順だと妊娠しにくいって聞くけど本当?」「私も赤ちゃんを望めるのかな…」 生理不順と妊娠の関係に不安を抱えている方は少なくありません。生理不順は多くの女性が経験しますが、原因はストレスから病気のサインまでさまざまです

本記事では、さまざまな生理不順の原因や生理不順でも妊娠できる確率、妊娠しやすい体作りの方法まで、詳しく解説します。将来妊娠を望む方や生理不順で悩んでいる方は、本記事を読むことで不安を解消し、適切な知識を得られるので、ぜひ参考にしてください。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、生理不順に強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。

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生理不順でも妊娠は可能?

生理不順でも妊娠は可能ですが、軽度のものから注意が必要なものまで、さまざまな原因が潜んでいる可能性があります。婦人科を受診してあなた自身の生理不順の原因や状態を正しく把握することが、妊娠への第一歩です。

生理不順と妊娠の関係性

生理周期は脳からの指令を受けて、卵巣から分泌されるホルモンの働きによってコントロールされています。ホルモンバランスが乱れると、生理不順が起こりやすくなり、妊娠にも影響を及ぼす可能性もあるのです。

生理不順になると排卵のタイミングがずれたり、排卵自体が起こらなかったりするため、妊娠しにくくなることがあります。妊娠するためには、排卵のタイミングに合わせて性交渉を持つことが重要ですが、生理不順があると、このタイミングが予測しづらくなるのが原因です。

生理不順でも妊娠できる確率

生理不順にもさまざまなパターンがあり、妊娠できる確率は人それぞれです。生理周期が2~3か月に1回程度であれば、自然妊娠の可能性も十分に期待できます。

しかし長期間生理が来ない、あるいは極端に生理周期が短い、もしくは長いなどの場合は、妊娠しづらい可能性もあります。生理不順の程度や原因によって妊娠の可能性は大きく変わるため、まずは婦人科を受診し、自分の状態を正しく把握しましょうすることが重要です。

タイミング法

タイミング法とは排卵日を予測して性交渉を行い、妊娠の可能性を高める方法です。基礎体温を毎日測定したり、排卵検査薬を使用したりすることで、排卵日の予測を行います。

しかし、生理不順の場合は排卵日が予測しづらいため、タイミング法だけで妊娠するのは難しいです。基礎体温がガタガタしていて明確な排卵日の予測が難しい場合や、排卵検査薬を使っても陽性反応が出にくい場合は、タイミング法の成功率は低いです。

排卵誘発剤

排卵誘発剤はホルモン剤を使用し、卵巣を刺激することで、排卵を促す治療法です。飲み薬や注射など、さまざまな種類の排卵誘発剤があり、生理不順で排卵が起こりにくい場合に排卵を促して妊娠の可能性を高められます。

排卵誘発剤は、医師の指示に従って適切な量を使用する必要があります。自己判断で服用したり、使用量を増やしたりすることは大変危険なので、必ず医師の指導のもとで使用しましょう。

体外受精

体外受精は卵子と精子を体外で受精させて、受精卵を子宮に戻す治療法です。タイミング法や排卵誘発剤などの治療で妊娠に至らなかった場合に検討されます。

体外受精は高度な医療技術と費用がかかる治療法ですが、生理不順による不妊治療にも有効な方法として、多くの医療機関で実施されています。卵子と精子が出会うための特別な場所を提供し、妊娠をサポートする、最後の手段のような治療法です。

生理不順の種類と原因

多くの女性が経験する生理不順ですが「生理不順」と一言で言っても、種類や原因は実にさまざまです。代表的な生理不順の種類と原因について解説します。

ストレスや生活習慣の乱れによる生理不順

ストレスや生活習慣の乱れは、私たちの体のホルモンバランスを崩し、生理不順を引き起こす大きな原因となります。

女性の体は脳からの指令を受けて、卵巣から女性ホルモンが分泌され、生理が毎月きちんと来るように、とてもデリケートにできています。しかし、ストレスや生活習慣の乱れでホルモンバランスが崩れると、生理周期が乱れたり生理痛が重くなったり、不調が現れてしまうのです。

無理なダイエットによって栄養が不足すると、脳は「今は妊娠に適さない時期だ!」と判断し、生理をストップさせてしまうことがあります。夜遅くまでスマートフォンを見て睡眠時間が短くなると、体内時計が乱れてホルモンバランスが崩れやすくなります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣の中に小さな卵胞がたくさんできる病気です。PCOSは珍しい病気ではなく、10〜40代の女性まで、幅広い年齢層で発症する可能性があります。正常な場合、卵巣からは毎月1つの成熟した卵子が排卵されます。しかし、PCOSになるとホルモンバランスが乱れて卵胞がうまく育たず、排卵が起こりにくくなるのです。

PCOSの原因ははっきりとは解明されていませんが、遺伝的な要因や、インスリン抵抗性などが関与していると考えられています。食生活の欧米化や運動不足なども、発症リスクを高めると言われています。PCOSは適切な治療を行うことで、症状を改善し、妊娠の可能性を高めることが可能です。

早期閉経

閉経とは卵巣の機能が低下し、排卵や生理が永久的に停止した状態のことです。一般的には45〜55歳頃に閉経を迎えることが多いですが、40歳未満で閉経を迎えることを「早期閉経」と言います。

早期閉経の原因は、自己免疫疾患や遺伝的な要因、子宮、卵巣の手術、抗がん剤治療などです。早期閉経になるとエストロゲンという女性ホルモンの分泌が急激に低下します。のぼせや発汗、イライラなどの更年期症状が現れたり、骨粗鬆症や心筋梗塞などのリスクが高まったりします。

早期閉経と診断された場合は、ホルモン補充療法などの治療を受けて症状を和らげるのが大切です。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の筋肉層にできる良性の腫瘍です。30〜40代の女性に多くみられ、閉経後は小さくなることが多いと言われています。子宮筋腫は子宮の中で徐々に大きくなっていくため、周囲の臓器を圧迫し、さまざまな症状を引き起こします。

子宮筋腫ができる原因は、はっきりと解明されていません。しかし、女性ホルモンの影響や遺伝などが関係していると考えられています。子宮筋腫は大きくなると、過多月経や月経痛、貧血、頻尿などの症状を引き起こしたり、妊娠しにくくなったりすることもあります。

子宮筋腫の治療法は、薬物療法で子宮筋腫を小さくしたり、手術で子宮筋腫を摘出したりする方法などです。子宮筋腫の大きさや症状、妊娠希望の有無などを考慮して、医師と相談しながら決めていきます。近年では子宮を温存しながら子宮筋腫だけを摘出する手術や、子宮内膜を焼灼して月経量を減らす手術など、負担が少ない治療法も開発されています。

甲状腺疾患

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「甲状腺機能亢進症」になると、生理不順や無月経、不正出血などの症状が現れることがあります。甲状腺ホルモンが不足する「甲状腺機能低下症」でも、月経周期が長くなったり、月経血量が少なくなったり、無月経になることがあります。

甲状腺疾患が原因で生理不順が起きている場合は、甲状腺ホルモンの分泌量を調整する薬物療法などを行うと、生理不順の改善が可能です。生理不順以外にもだるさや体重変化、動悸、息切れ、発汗、手の震えなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

生理不順と妊娠に関するよくある疑問

生理不順と妊娠に関するさまざまな疑問にお答えしていきます。妊娠しやすい体をつくるために次の4つのポイントを押さえましょう。

  1. バランスの取れた食事
    日頃からバランスの取れた食事を心がけましょう。特に妊娠初期に必要となる葉酸は、赤ちゃんが元気に育つために欠かせない栄養素です。ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、いちごなどの果物を積極的に食べましょう。
  2. 適度な運動
    運動不足は血行不良を招き、ホルモンバランスを崩しやすく、生理不順の原因の一つとなります。毎日の生活に、軽い運動を取り入れましょう。近くのスーパーまで歩いて買い物に行ったり、エレベーターではなく階段を使ったりするだけでも立派な運動になります。
  3. 十分な睡眠
    睡眠不足は体のリズムを狂わせ、ホルモンバランスを乱す大きな要因となります。忙しい毎日を送っていると、ついつい睡眠時間が短くなってしまいがちですが、質の高い睡眠をとるよう心がけましょう。毎日、決まった時間に寝起きする規則正しい生活リズムを身に付けることも大切です。
  4. ストレスを溜めない
    ストレスは、さまざまな不調を引き起こします。ストレスをため込みすぎると自律神経のバランスが乱れ、ホルモン分泌にも悪影響を及ぼし、生理不順の原因となることがあります。自分なりのストレス解消法を見つけ、心身ともにリラックスできる時間をつくりましょう。

不妊治療の種類と費用

主な不妊治療には、以下のようなものがあります。

治療法説明費用(目安)
タイミング法基礎体温やおりものなどから排卵日を予測し、性交渉のタイミングを合わせる方法数千〜数万円
人工授精排卵日に合わせて、洗浄・濃縮した精子を子宮内に直接注入する方法数万〜十数万円
体外受精体外で卵子と精子を受精させ、受精卵を子宮内に戻す方法数十万〜百数十万円
費用は医療機関や治療内容によって異なります。

国や自治体によっては、不妊治療に対する助成金制度が設けられている場合があるので、事前に確認しておきましょう。

生理不順で悩んでいる方へのメッセージ

生理不順は決して特別なものではなく、多くの女性が経験するものです。しかし、将来の妊娠に影響を及ぼす可能性のある病気が隠れているケースも少なくありません。

「まだ若いから大丈夫」「そのうち治るだろう」と考えて放置せず、少しでも気になることがあれば、早めに婦人科を受診しましょう。一人で抱え込まずに信頼できる医師に相談すると、不安や悩みを軽減できたり、適切なアドバイスを受けられたりします。焦らずに、ご自身のペースで治療を進めていきましょう。

まとめ

生理不順でも、原因によっては妊娠は可能です。しかし、生理不順はホルモンバランスの乱れや病気などが原因で起こるため、妊娠しにくくなる可能性も場合もあります。妊娠を希望する場合は婦人科を受診し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

生理不順について網羅的に知りたい方は以下の記事をぜひご覧ください。

>>生理不順の原因と治し方とは?放置してはいけない理由や受診の目安も解説

参考文献

  1. Linzagolix with and without hormonal add-back therapy for the treatment of symptomatic uterine fibroids: two randomised, placebo-controlled, phase 3 trials
  2. Symptoms of mental disorders and oral contraception use: A systematic review and meta-analysis
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