生理不順の原因と治し方とは?放置してはいけない理由や受診の目安も解説
公開日:2024.08.29更新日:2024.08.29
「先月も生理が来なかったかも」「今回は生理痛がいつもよりひどい」と悩んだ経験はありませんか?ただの体の変化と安易に考えていると、将来大きなリスクを抱える可能性があります。
この記事では、生理不順の原因や改善策、放置した場合のリスクについて詳しく解説していきます。ご自身の体と向き合い、将来の健康を守るための第一歩を踏み出しましょう。
生理不順を引き起こす原因は何?考えられる病気や症状をチェック
生理不順には、ストレスや生活習慣、ホルモンバランスなどさまざまな原因が考えられます。生理不順の背景で、発症している可能性のある病気や症状についても解説します。
ストレスや生活習慣の乱れと生理不順の関係性
私たちの体は脳からの指令を受けて、卵巣から女性ホルモンが分泌されることで生理がきています。しかし、ストレスや生活習慣の乱れが生理不順を引き起こす可能性があります。ストレスがたまると脳はパニック状態になり、ホルモンの分泌をコントロールさせる機能が低下してしまうのです。結果、生理の時期や出血量が変化するなど、さまざまな不調が生じます。
夜遅くまでスマホを見ていたり、食事の時間がバラバラだったりするのも、体にとっては大きな負担です。私たちの体は、体内時計に従ってホルモンを分泌しています。不規則な生活を送ることで体内時計が狂ってしまうと、ホルモンバランスが崩れ、生理不順につながってしまいます。
ホルモンバランスの乱れが引き起こす生理不順
生理周期をコントロールしているのは、女性ホルモンです。卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンが、子宮内膜を厚くしたり、生理を起こしたりしています。しかし、ストレスや過度なダイエット、睡眠不足などによって、ホルモンバランスが乱れると生理不順が起こりやすくなります。
エストロゲンが過剰になると子宮内膜が厚くなるため、生理が早くきたり、出血量が多くなったりすることがあります。プロゲステロンが不足すると、子宮内膜が十分に厚くならず、生理の遅れや、無月経になる場合もあります。
子宮筋腫や子宮内膜症など、病気の可能性も?
子宮筋腫や子宮内膜症といった病気も、生理不順の原因となることがあります。子宮筋腫は子宮の筋肉層にできる良性の腫瘍です。子宮の壁が厚くなると、生理痛が重くなったり、出血量が増えたりすることがあります。
子宮内膜症は子宮の内側にあるはずの子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所で増殖する病気です。卵巣や腹膜などに子宮内膜のような組織ができることで、炎症や癒着が起こり、激しい生理痛や性交痛、排便痛などを引き起こします。
子宮筋腫や子宮内膜症は、放置すると不妊症のリスクを高める可能性もあるため、早期発見・治療が重要です。生理不順が続く場合は自己判断せずに、一度婦人科を受診して相談しましょう。
生理不順の改善方法とは?セルフケアと病院でできる治療法
生理不順を改善し、健やかな状態を保つためには、セルフケアと医療機関での治療の両面からのアプローチが大切です。
生活習慣の改善で生理不順を予防
毎日の生活習慣を少し見直すだけで、生理不順を予防・改善できる可能性があります。規則正しい生活やバランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠、ストレスをため込まない生活を心がけるのが大切です。
私たちの体は24時間周期で変化する体内時計のリズムに合わせて、ホルモン分泌や体温調節、睡眠、覚醒などのさまざまな生理現象をコントロールしています。不規則な生活や睡眠不足、夜食などの生活習慣は、体内時計を狂わせます。結果、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、生理不順の原因となることがあるのです。
食生活の乱れは栄養バランスの偏りを招き、ホルモンの材料となる栄養素が不足すると、ホルモンバランスが乱れやすくなります。過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、ホルモン分泌に影響を与えて、生理不順を引き起こす可能性があります。
ホルモンバランスを整えるためにできること
バランスの取れた食事や質の高い睡眠などの生活習慣の改善に加えて、アロマテラピーや漢方薬なども、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。
アロマテラピーは、植物から抽出された精油の香りを使用した方法です。精油の成分が鼻の奥にある嗅覚から吸収され、脳の大脳辺縁系と呼ばれる情動や本能行動、自律神経活動などを調節している部分に伝わります。心身のリラックス効果やホルモンバランスを整える効果などが期待できます。
漢方薬は、自然界にある植物や鉱物などを組み合わせて作られた漢方医学にもとづいた薬です。漢方医学は、体全体のバランスを整えることで、自然治癒力を高めて病気を治すと考えられています。冷え性で生理痛がひどい方には「当帰芍薬散」、イライラしやすい方には「加味逍遙散」という漢方薬が処方されることがあります。
薬物療法や手術など、症状に合わせた治療法を選ぶ
生活習慣の改善やセルフケアだけで生理不順の改善が見られない場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因で起きている場合も同様です。医療機関ではホルモン療法や手術療法など、症状に合わせた治療法を選択します。ホルモン療法には、低用量ピルやホルモン補充療法などがあります。
- 低用量ピル
卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンを配合した薬です。低用量ピルを服用すると脳からの排卵の指令が抑制され、ホルモンバランスを整えて、生理周期を安定させます。
- ホルモン補充療法
卵巣機能の低下などで女性ホルモンの分泌量が低下している場合に、不足しているホルモンを補って生理周期を整える薬です。
- 手術療法
手術療法で適応になるのは、子宮筋腫摘出手術や子宮全摘出手術などです。子宮筋腫摘出手術は、子宮の筋肉層にできる良性の腫瘍である子宮筋腫のみを摘出する手術で、子宮全摘出手術は子宮を全て摘出する手術になります。
生理不順を放置することで何が起きる?将来のリスクと対処法
生理不順を放置すると、将来的に妊娠しにくくなったり、つらい症状が現れたりする可能性があります。生理不順を放置すると、自分自身の将来の選択肢を狭めることにもつながりかねません。
月経困難症や不妊症のリスクが高まる可能性
生理不順を放置すると、月経困難症や不妊症のリスクが高まる可能性があります。
月経困難症は生理痛がひどく日常生活に支障が出る状態です。生理不順がある方はホルモンバランスが乱れていることが多く、子宮を収縮させる物質であるプロスタグランジンが過剰に分泌される傾向にあります。プロスタグランジンの過剰分泌が、強い生理痛を引き起こすと考えられているのです。
生理不順は排卵が規則正しく行われていないサインの可能性があります。排卵がなければ妊娠することができないため、結果として不妊症のリスクが高まるのです。子宮内膜症や子宮筋腫などのリスクが高まる可能性も指摘されています。
早期発見・治療が重要|婦人科を受診する目安
「生理不順かな?」と思ったら、早めに婦人科を受診しましょう。特に以下の項目に当てはまる場合は、注意が必要です。
- 生理が3か月以上来ていない
- 生理周期が24日より短い、または38日より長い
- 生理の出血量が異常に多い、または少ない
- 生理痛がひどく、日常生活に支障が出る
- 20歳以上で、生理がいつも不規則
婦人科を受診すると、問診や内診、血液検査、超音波検査などを行い、原因を特定します。近年では低用量ピルやホルモン補充療法など、生理不順を改善するための治療法も進歩しています。
自己判断は危険|市販薬の使用について
ドラッグストアなどで生理不順の症状を改善させるための市販薬を購入できますが、自己判断での使用は危険です。市販薬はあくまでも一時的に症状を抑えるものであり、根本的な治療にはなりません。市販薬の中には自分の症状に合わなかったり、副作用が出たりする可能性もあります。必ず医師の診断を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。
まとめ
生理不順は放置すると月経困難症や不妊症、子宮筋腫、子宮内膜症などのリスクが高まるため、放置せず婦人科への受診が必要です。 生理不順の原因はストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れなどが考えられます。
生理不順を改善させるために、日頃から規則正しい生活やバランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠を心がけましょう。アロマテラピーや漢方薬なども活用し、ホルモンバランスを整えることも重要です。セルフケアで改善しない場合は、医療機関を受診してください。
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