ソフィアレディスクリニック

不正出血を放置しないで!原因や生理との違い、受診の目安まで徹底解説

公開日:2024.08.29
更新日:2024.12.12

女性ならだれでも経験する可能性がある不正出血ですが、重大な病気のサインかもしれません。婦人科を受診するべきか、他の診療科が良いのか、判断に迷う方もいるのではないでしょうか?

本記事では不正出血の基礎知識や放置による危険性、受診の目安、具体的な治療法について解説します。不正出血と勘違いしやすい病気までわかるので、ご自身の身体を守るためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、不正出血に強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。

不正出血とは? 生理との違い、原因や症状をチェック

不正出血とは、生理のとき以外に性器から出血する症状です。医学的には「非妊娠性子宮出血」とも呼ばれ、生理のような規則的な出血ではなく、出血量や期間も人それぞれです。おりものに少し血が混じる程度の軽い出血の場合もあれば、生理のように経血量の多い出血が何日も続く場合もあります。

生理との違い

生理は妊娠の準備のために子宮内膜が厚くなり、妊娠しなかったときに、内膜が剥がれ落ちて出血として体の外に出てくる現象です。個人差はありますが、約1ヶ月周期で訪れ、3~7日間続くのが一般的です。

不正出血は生理周期とは関係なく起こります。生理が終わって1週間後に出血が始まったり、生理予定日よりもかなり早く出血が始まったりする場合は、不正出血の可能性があります。

不正出血の原因となる病気

不正出血の原因はさまざまで、年齢や生活習慣、持病などによって大きく異なります。20~30代の女性に多い原因は、子宮頸がんの原因となるウイルス感染や、子宮内膜症、子宮筋腫などが挙げられます。

子宮内膜症は本来は子宮の内側にあるべき子宮内膜が、子宮以外の場所で増殖する病気です。子宮内膜は卵巣や腹膜など、子宮以外の場所にできることがあります。生理のたびに出血を繰り返すため、炎症や癒着が起こり、激しい月経痛や性交痛、不妊の原因になります。

子宮筋腫は子宮の筋肉層にできる良性の腫瘍です。子宮筋腫は大きくなると、月経痛や月経量の増加、頻尿などの症状を引き起こすことがあります。

40代以降の女性であれば、良性の腫瘍である子宮筋腫や子宮内膜ポリープに加え、子宮体がんのリスクも高まります。子宮体がんは子宮内膜に発生するがんで、初期症状として不正出血がみられることが多いです。早期発見であれば子宮を温存できる可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要です。

ピルなどのホルモン剤の使用やストレス、過度なダイエットなどもホルモンバランスを乱し、不正出血を引き起こすことがあります。更年期に差し掛かると女性ホルモンの分泌が不安定になり、不正出血が起こりやすいです。

不正出血の症状

不正出血の症状は、出血量や期間だけでなく、色やおりものの状態なども人によってさまざまです。

  • 出血量: 生理のように大量に出ることもあれば、おりものに少量の血液が混じる程度の場合もあります。
  • 出血期間: 数日で終わる場合もあれば、ダラダラと数週間続く場合もあります。
  • 出血の色: 鮮やかな赤色のこともあれば、茶褐色や黒っぽいこともあります。
  • おりものの状態: おりものの量が増えたり、普段とは違うにおいがしたりする場合もあります。

不正出血に伴い貧血やめまい、腹痛、腰痛などの症状が現れることもあります。

不正出血を放置することの危険性

不正出血の原因が子宮頸がんや子宮体がんなどの悪性腫瘍である場合、早期発見・早期治療が重要です。放置すると病気が進行し、治療が困難になる可能性もあります。

貧血が進行すると疲れやすくなったり、動悸や息切れなどの症状が現れたりして、日常生活に支障をきたす可能性があります。不正出血は身体からの重要なサインです。少しでも気になる症状があれば、我慢せずに早めに医療機関を受診しましょう。

不正出血の原因別にみる受診すべき診療科と検査

不正出血は、自己判断で婦人科を受診すれば良いというわけではありません。不正出血の原因を見極め、適切な診療科を受診することが大切です。

産婦人科を受診すべきケース

不正出血と合わせて月経不順やおりものの異常、下腹部痛、性交痛などの婦人科系の症状がある場合は迷わず産婦人科を受診しましょう。「生理痛が酷くて鎮痛剤が効かない」「生理の周期がバラバラでいつ来るのか予測できない」「生理の量が多くて貧血気味だ」といった症状があれば、産婦人科の受診をおすすめします。

子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸管ポリープなど、さまざまな婦人科系疾患の可能性を示唆しているかもしれません。「避妊をしているのに出血があった」「閉経後なのに出血がある」といった場合も、産婦人科へ相談するようにしてください。

消化器内科を受診すべきケース

不正出血とともに下痢や便秘、腹痛、血便など、消化器系の症状がある場合は、消化器内科の受診も検討しましょう。「最近便秘がちでお腹が張っている感じがする」「便をするときに強い痛みを感じる」「残便感があってスッキリしない」といった症状があれば、消化器内科を受診する必要があるかもしれません。

消化管からの出血が、不正出血と勘違いされるケースも多いです。食生活の欧米化や運動不足、ストレスなどによって、大腸がんが増加傾向にある現代においては、注意が必要です。

不正出血の検査方法

子宮や卵巣の状態、炎症や腫瘍の有無などを確認し、超音波検査で子宮や卵巣の形や大きさ、腫瘍の有無などを詳しく調べます。超音波検査は、妊婦さんの検査にも用いられる体に負担の少ない検査ですので、安心してください。

検査結果にもとづいて詳しい検査が必要な場合は、MRI検査や子宮頸部細胞診、子宮内膜組織診などが行われることもあります。

不正出血で考えられる病気

不正出血は、軽度のものから重篤な病気まで、さまざまな病気が考えられます。ホルモンバランスの乱れが原因で起こることもあれば、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸がん、性感染症など深刻な病気が潜んでいることもあります。

不正出血は妊娠の可能性がある場合、着床出血や流産、切迫早産などの兆候であることも少なくありません。服用している薬の副作用によって起こることもあります。不正出血の原因は多岐にわたるため、自己判断は大変危険です。少しでも気になる症状があれば放置せずに早めに医療機関を受診しましょう。

不正出血の治療法とセルフケア

不正出血の治療法は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

  1. 原因療法: 子宮筋腫や子宮内膜症が原因であれば、薬で小さくしたり、手術で取り除いたりします。ホルモンバランスの乱れが原因であれば、ホルモン剤を服用してバランスを整えます。
  2. 対症療法: 出血量が多い場合は止血剤を服用したり、子宮内膜を一時的に薄くする薬を使用したりします。貧血がひどい場合は、鉄剤を服用して改善を図ります。
  3. 経過観察: 症状が軽く、自然に治ると考えられる場合は、定期的な検査を行いながら様子を見ます。

治療法は患者さんの年齢や症状、妊娠の希望などを考慮して、医師と相談しながら決めていきます。

ホルモン療法の内容と注意点

ホルモン療法は体内のホルモンバランスを整えることで、不正出血を改善する方法です。ホルモン剤を服用して乱れたホルモンバランスを整え、正常な月経周期に戻します。ホルモン療法は月経痛の軽減や月経周期のコントロールにも効果が期待できます。ホルモン療法の注意点は以下のとおりです。

  • ホルモン剤は種類によって、吐き気や頭痛、乳房の張りなどの副作用が現れることがある
  • ホルモン剤の使用により、血栓症のリスクがわずかに高まる可能性がある
  • ホルモン剤の効果や副作用には個人差がある(医師の指示に従って服用する)

子宮内膜症の治療法

子宮内膜症は本来は子宮の内側にあるべき子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所で増殖してしまう病気です。治療法としてはホルモン療法と手術療法があります。

  • ホルモン療法:ホルモン剤を用いることで子宮内膜症の進行を抑えたり、症状を和らげたりする効果があります。
  • 手術療法:子宮内膜症の病巣が大きく、ホルモン療法で効果が得られない場合は手術で病巣を取り除くことがあります。

子宮筋腫の治療法

子宮筋腫は子宮の筋肉層にできる良性の腫瘍です。子宮筋腫は大きくなるにつれて、子宮の大きさを変えたり、周囲の臓器を圧迫したりすることがあります。治療法としては経過観察や薬物療法、手術療法があります。

  • 経過観察:子宮筋腫が小さく症状がない場合は、定期的な検査で経過を観察
  • 薬物療法:子宮筋腫を小さくする薬や月経量を減らす薬を服用
  • 手術療法:子宮筋腫の症状が強い場合は、手術で子宮筋腫を取り除く

ストレスを軽減するためのセルフケア

ストレスはホルモンバランスを乱し、不正出血の原因となることがあります。ストレスを軽減するためには、以下のような方法が有効です。

  • 十分な睡眠をとる
  • 栄養バランスの取れた食事を心がける
  • 適度な運動をする
  • 趣味やリラックスできる時間を楽しむ
  • 自分にとって心地よいリフレッシュ方法を見つける

セルフケアを日常生活に取り入れて、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。自分の身体と向き合い、セルフケアを心がけながら、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

まとめ

不正出血は生理時以外の性器からの出血を指し、その原因はさまざまです。婦人科系疾患の可能性もあれば、消化器系疾患が隠れているケースもあります。自己判断は危険なので、不正出血があれば医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。

治療法は原因や症状に合わせてホルモン療法や薬物療法、手術療法などを行います。ストレスも不正出血の原因となるため、日頃から十分な睡眠やバランスの良い食事、適度な運動を行い、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。

生理不順の原因の一つとして、不正出血が発生することもあります。生理不順について網羅的に知りたい方は以下の記事をぜひご覧ください。

>>生理不順の原因と治し方とは?放置してはいけない理由や受診の目安も解説

参考文献

Treatment of unfavorable bleeding patterns in contraceptive implant users: a randomized clinical trial of curcumin

AIボット
診療予約