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妊活のために男性ができることは?妊活中のOK行動とNG行動を解説

公開日:2024.10.31
更新日:2024.12.24

「妊活」は女性が主体となるイメージをお持ちではないでしょうか。実は、不妊の原因は約半分が男性側に要因があるとされています。男性不妊は自覚症状がない場合が多く、検査を受けて初めて問題に気づくケースも少なくありません。男性だからといって妊活に対して他人事と考えるのは大きな誤解です。

この記事では、妊活において男性ができる行動や妊活中の男性の役割について解説します。パートナーと協力して妊娠を目指すための行動を紹介しているので要チェックです。「自分は大丈夫」と思わず、この機会に正しい知識を身に付け、未来のパパに向けて積極的に妊活に取り組みましょう。

近年増えている不妊ですが、女性だけでなく男性側にも影響があることが知られています。以下の記事では、医師監修のもと男性不妊になりやすい人の特徴を解説しているのでチェックしてみてください。
>>【医師監修】男性不妊になりやすい人の特徴とは?原因や治療法も解説

妊活中に男性ができる5つの行動

妊活中に男性ができる行動として、以下の5つがあげられます。

バランスの取れた食事を取る

食事は、私たちの体を作る基本です。体を作る細胞一つ一つに栄養が行き届くことであり、当然、精子も例外ではありません。食事の内容によって精子の質が変わってきます。バランスの取れた食事を心がけることは、精子の元気をサポートし、妊娠しやすい体作りにつながります。

食事の基本は、「主食」「主菜」「副菜」をそろえることです。ご飯やパンなどの「主食」でエネルギーを、肉や魚などの「主菜」でタンパク質を、野菜などの「副菜」でビタミンやミネラルを摂取しましょう。

よくある質問として、「具体的にどのような食品を、どのくらい食べれば良いのか」というものがあげられます。もちろん、個人差はありますが、1日3食、主食、主菜、副菜をバランスよく食べることが基本です。朝食であれば、ご飯、味噌汁、焼き魚、卵焼き、ほうれん草のおひたしなどを食べるように心掛けましょう。ポイントは、炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素をバランス良く摂取することです。

妊活中は以下の栄養素を意識して摂るとより効果的です。

栄養素働き多く含まれる食品
亜鉛精子の生成に必要牡蠣、牛肉、納豆、アーモンド
ビタミンE精子の酸化を防ぐナッツ類、うなぎ、アボカド
ビタミンCストレスへの抵抗力を高めるピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ
葉酸細胞の生成に必要ほうれん草、枝豆、いちご
タンパク質筋肉や骨、血液などの材料となる肉、魚、卵、大豆製品

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、精子の質を高め、妊娠しやすい体作りを目指しましょう。

適度な運動を定期的に行う

運動不足は、肥満や生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、精子の質にも悪影響を与える可能性があります。運動不足の状態が続くと、体内では血行不良や代謝低下が起こりやすくなります。

精巣への血流も滞り、精子の生成に必要な栄養や酸素が十分に供給されなくなってしまうのです。その結果、精子の数が減ったり、運動能力が低下したりする可能性があります。

適度な運動は、血行を促進し、男性ホルモンの分泌を促すため、精子の質を高める効果が期待できます。運動によって筋肉量が増加すると、テストステロンという男性ホルモンの分泌が促進されます。テストステロンは、精子の生成を促すだけでなく、男性らしさを保つうえでも重要な役割を担っています。

激しい運動は、逆に活性酸素を発生させ、精子にダメージを与えてしまう可能性があるので注意が必要です。ウォーキングや軽いジョギングなど、息が少し上がる程度の運動を週に3回程度、30分を目安に行いましょう。運動が苦手な人は、毎日の生活の中でこまめに体を動かすことを意識してみましょう。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、少しの工夫で運動量を増やすことができます。

質の高い睡眠を取る

睡眠は、心身の疲れを癒し、体の機能を回復させるために欠かせないものです。睡眠中は、日中に活動している脳や体を休ませ、疲労を回復させるだけでなく、成長ホルモンの分泌が促進され、細胞の修復や新陳代謝が行われています。睡眠不足になると、疲労が蓄積し、免疫力が低下するだけでなく、精子の質にも悪影響を及ぼす可能性もあります。

質の高い睡眠は、男性ホルモンの分泌を促し、精子の質を高める効果も期待できます。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、精子の生成にも関与しており、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌量が減少し、精子の質が低下する可能性があると考えられています。

睡眠の質を高めるためには、以下のことを心がけましょう。

  • 毎日決まった時間に寝起きする
  • 寝る前にスマホやパソコンの画面を見過ぎない
  • 寝る前にカフェインを摂取しない
  • 寝室の温度や湿度を適切に保つ
  • 寝る前にリラックスする時間を作る
  • 朝日を浴びて体内時計をリセットする

睡眠時間は個人差がありますが、7〜8時間を目安に、しっかりと睡眠をとるように心がけましょう。

リラックス方法や趣味を見つける

現代社会において、ストレスは避けては通れないものです。しかし、ストレスを長期間放置しておくと、自律神経のバランスが乱れ、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。

ストレスは、心身に悪影響を与えるだけでなく、精子の質にも影響を与える可能性があります。ストレスホルモンは、精子の生成や運動能力を低下させるだけでなく、DNAを損傷させる可能性も指摘されています。ストレスを溜め込みやすい人は、そうでない人に比べて、精子の数が少なく、運動率も低いという研究結果もあります。現代社会では、さまざまなストレス要因が存在しますが、自分なりのストレス解消法を見つけて、上手にストレスと付き合っていくことが大切です。

ストレス解消法には、以下のようなものがあります。

  • 軽い運動
  • 好きな音楽を聴く
  • 趣味に没頭する
  • 旅行に行く
  • 家族や友人と過ごす
  • ペットと触れ合う
  • 自然と触れ合う
  • アロマテラピー
  • 瞑想

自分がリラックスできる方法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

禁煙と節酒を心がける

タバコに含まれるニコチンやタールなどの有害物質は、精子の数や運動率を低下させるだけでなく、精子のDNAを傷つけ、奇形のリスクを高める可能性も指摘されています。喫煙によって血管が収縮し、血流が悪化することで、精巣への血流も悪くなり、精子の生成が阻害される可能性があります。タバコの煙に含まれる有害物質は、精子のDNAを損傷させ、染色体異常を引き起こす可能性も指摘されており、流産や早産、先天性異常のリスクを高める可能性も懸念されています。

また、アルコールの過剰摂取も、精子の生成を阻害する可能性があります。アルコールには、精子の生成を促す男性ホルモンの分泌を抑制する作用があり、過剰に摂取すると精子の数が減少したり、運動能力が低下したりする可能性があります。アルコールの過剰摂取は、精子のDNAを損傷させる可能性も指摘されており、奇形のリスクを高める可能性もあります。妊活中はもちろんのこと、将来的にも健康な体でいるために、禁煙と節酒を心がけましょう。

タバコを吸っている人は、禁煙することで精子の質が改善する可能性があります。禁煙による精子の質の改善は、禁煙開始後数ヶ月で現れると言われています。

アルコールを頻繁に摂取する人は、摂取量を減らす、または禁酒することで精子の質が改善する可能性があります。アルコールの摂取を制限することで、精子の質が改善するまでには、数週間から数ヶ月かかる場合があります。

これらの行動は、精子の質を高めたり、女性の負担を軽減したり、パートナーとの協力体制を築くうえで重要です。妊活を成功させるために、今日から行動を開始しましょう。

お酒好きの方は、妊活中でもアルコールを摂取したい方も多いのではないでしょうか。以下の記事では、妊活中のお酒との向き合い方を解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
>>妊活中はお酒を飲んでも大丈夫?妊活中のお酒との向き合い方を徹底解説

妊活における男性側の役割と重要性

「妊活」と聞くと、どうしても女性に焦点が当たりがちですが、実は男性側の役割も重要です。男性だからといって妊活に対して他人事のように考えているのは大きな間違いです。積極的に妊活に取り組み、パートナーと一緒に幸せな未来を築いていきましょう。

男性不妊の原因と割合

男性不妊の主な原因は、「精子の数が少ない」「精子の運動量が低い」「精子の形が異常」といった、精子そのものに問題があるケースが多いです。精子の数が少ない場合、受精できる確率が低下します。運動量の低い精子は、卵子までたどり着くことが難しく、受精のチャンスを逃してしまう可能性があります。

精子の形が異常な場合、卵子にたどり着いても受精できない、あるいは受精できても、その後の発育に影響が出る可能性も考えられます。ホルモンバランスの乱れや、精子の通り道である精管が詰まっているなどの原因も考えられます。

女性側の負担軽減

妊娠・出産は、女性にとって肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。妊娠中は、ホルモンバランスの変化によってつわりや便秘、腰痛などが起こりやすく、出産時には想像を絶するような痛みが伴います。さらに、出産後も育児や家事の負担が増え、心身ともに疲弊してしまう女性は少なくありません。

妊活中から男性が積極的に家事や育児に参加することで、女性は心身ともにゆとりを持つことができ、より安心して妊活に臨むことができます。「妊娠は女性に任せている」という態度ではなく、「二人で協力して赤ちゃんを授かりたい」という姿勢を示すことが大切です。

例えば、パートナーが妊活に関する情報を集めている場合は、一緒に調べたり、意見交換したりすることで、積極的に妊活に参加している姿勢を示すことができます。また、食事の準備や掃除などの家事分担、パートナーの精神的なケアなど、できる範囲でサポートしていくようにしましょう。

パートナーとの協力体制

妊活は、夫婦二人三脚で取り組むものです。妊娠を望む二人にとって、妊活は共通の目標です。しかし、妊活が長引くと、パートナーに気を遣ってしまったり、些細なことでイライラしてしまったり、精神的に不安定になりがちです。このような状態を避けるためには、パートナーとのコミュニケーションが重要です。お互いの気持ちを率直に話し合い、不安や疑問を共有することで、より強い絆で結ばれていくでしょう。妊活に関する情報を共有したり、妊活中の不安やストレスを分かち合ったり、定期的にコミュニケーションをとる時間を設けることで、精神的な負担を軽減することができます。

妊活は必ずしも順調に進むとは限りません。検査で問題が見つかったとしても、パートナーと一緒に乗り越えていこうという前向きな気持ちを持つことが大切です。

妊活を始める前に知っておきたい検査と費用

「妊活」というと女性が通院したり、食事を変えたりするイメージが強いかもしれません。しかし、前述したように男性側の要因で妊娠しにくいケースも少なくありません。そのためにも、まずは検査を受けてみることをおすすめします。男性不妊には、精子の数や運動能力の問題、ホルモンの異常、遺伝的な要因など、さまざまな原因が考えられます。

しかし、多くの場合、男性不妊は自覚症状がないため、検査を受けて初めて問題に気づくことがあります。これから紹介する検査を受けることで、自分自身の状態を正しく理解することが可能です。

精液検査の方法、費用、結果の見方

精液検査は、妊活を始める男性にとって基本の検査です。検査では、採取した精液を顕微鏡で観察し、精子の数、運動率、形などを調べます。費用は医療機関によって異なりますが、2,000〜6,000円程度が一般的です。検査方法は手順で行います。

  1. マスターベーションにより採取します。
  2. 検査当日に自宅で採取するケースと、クリニック内の専用の個室で採取するケースがあります。
  3. 採取した精液は、専用の容器に入れます。
  4. 注意事項をよく確認し、指示に従って採取してください。

検査結果の数値は、世界保健機関(WHO)が定めた基準値と比較して評価されます。主な項目としては、「精液量」「精子濃度」「精子運動率」「精子形態」などがあります。

項目説明基準値
精液量1回の射精で排出される精液の量1.5 ml 以上
精子濃度精液1mlあたりの精子の数1,500万/ml 以上
精子運動率活発に動いている精子の割合40% 以上
精子形態正常な形をしている精子の割合30% 以上

これらの数値が基準値を下回っている場合、「男性不妊」の可能性があります。

精子の運動能力は、受精能力と密接に関係しています。精子が卵子に到達するまでに長い道のりを移動する必要があるため、運動能力が低い精子は途中で力尽きてしまったり、卵子に到達できても受精できなかったりする可能性が高まります。

DNAの断片化は、加齢、酸化ストレス、生活習慣の乱れなど、さまざまな要因によって引き起こされます。具体的には、喫煙、過度の飲酒、睡眠不足、ストレス、栄養バランスの偏りなどが挙げられます。

精液検査の結果は、男性不妊の原因を特定し、適切な治療法を選択するうえで重要な情報となります。検査結果が基準値を下回っていても、必ずしも妊娠できないわけではありません。医師は、検査結果だけでなく、年齢や生活習慣なども考慮して、総合的に判断します。

ホルモン検査

ホルモン検査では、血液中の男性ホルモンの値を測定します。男性ホルモンは、精子の生成に大きく関わっており、値が低い場合は、精子の数が少なかったり運動率が低下したりする可能性があります。主な男性ホルモンは以下の3つです。

  • テストステロン
  • LH(黄体形成ホルモン)
  • FSH(卵胞刺激ホルモン)

これらのホルモンは、脳下垂体や精巣から分泌され、互いに影響し合いながら精子の生成をコントロールしています。

テストステロンは、筋肉や骨の成長、体毛の増加、声変わりなど、男性らしい体を作るために重要な役割を果たしています。精巣での精子産生を促す役割も担っています。LHは、精巣に作用してテストステロンの分泌を、FSHは、精巣での精子産生を直接的に促進する働きがあります。

ホルモン検査の結果、ホルモン値が低い場合は、ホルモン補充療法などの治療法が検討されます。

その他の検査:超音波検査や染色体検査

超音波検査は、精巣や精管などの状態を画像で確認する検査です。精索静脈瘤(精巣から心臓に戻る血管が拡張してしまう病気)などの有無を調べます。

染色体検査は、血液から染色体を採取し、その構造や数を調べる検査です。染色体異常があると、精子形成に影響が出ることがあります。精液検査やホルモン検査の結果や、医師の判断にもとづいて実施されます。

検査費用と保険適用について

妊活に関する検査費用は、医療機関や検査内容によって異なります。基本的には自由診療となるため、全額自己負担です。

検査によっては保険適用となる場合もあります。精液検査は医療機関によっては保険適用となる場合があります。また、ホルモン検査や超音波検査も、他の病気の診断目的で行われる場合は保険適用となる可能性があります。

費用が気になる方は、事前に医療機関に確認することをおすすめします。

まとめ

妊活は女性だけが頑張るものではなく、男性側の協力も不可欠です。不妊の原因は約半分は男性側にあり、精子の質改善が重要となります。具体的には、バランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠、ストレス軽減、禁煙・節酒が効果的です。

精液検査やホルモン検査を受けることで自身の状態を把握し、医師のアドバイスを受けることが大切です。検査費用は保険適用外の場合もありますが、一部保険適用となるケースもあるため、事前に医療機関に確認しましょう。

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