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茶色のおりものが出る原因と対処法!受診の目安と注意点

公開日:2025.04.20
更新日:2025.04.20

おりものに変化を感じて不安になったことはありませんか?茶色のおりものを目にすると「悪い病気のサインかも」と心配になる方もいます。茶色のおりものは多くの女性が経験するもので、必ずしも危険なサインとは限りません。生理周期との関係や、ごく少量の出血が酸化することで起こるケースも多いです。

しかし、中には注意が必要な場合もあります。この記事では、茶色のおりものの5つの原因と対処法、病院を受診すべき重要なサインを解説します。具体的な症状や、家庭でできるセルフケア、専門家による適切な診断の重要性を知ることで不安を解消し、健康管理に役立つ情報が得られます。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、おりものをはじめとした、あらゆる婦人科疾患の悩みに強みを持つクリニックです。専門医が相談に乗りますのでお気軽に相談にいらしてください。

茶色のおりものが出る5つの原因

おりものは、膣や子宮の状態を反映する目安の一つとなります。通常は透明〜白っぽく、ほとんどにおいもありません。茶色のおりものの原因について、以下の5つを解説します。

  • 生理前後の変化
  • 排卵期出血
  • 着床出血
  • 子宮頸管ポリープ
  • 性感染症(STD)

生理前後の変化

生理の終わりかけ、または始まる少し前に茶色のおりものが出ることがあります。生理前後の茶色いおりものは、子宮内膜から剥がれ落ちた血液が排出されるまでに時間がかかって酸化し、茶色く変色したものです。少し黒っぽい茶色や濃い茶色のおりものが出ることが多いです。おりものの量も少なく、通常2〜3日で自然に治まるので、特に心配する必要はありません。

長引く場合や量が多い場合は、婦人科を受診しましょう。ご自身の状態を把握するために、おりものの色や量、期間などを記録しておくことをおすすめします。

排卵期出血

排卵期は、卵巣から卵子が排出される時期です。ホルモンバランスの変化によって子宮内膜が少し剥がれ落ち、少量の出血が起こることがあります。おりものに混ざって、茶色っぽく見えるのです。

排卵期出血は、生理の2週間前くらいに起こることが多く、持続期間は2〜3日程度です。色は薄い茶色やピンク色を帯びていることが多いです。排卵期出血自体は心配ありませんが、おりものの状態がいつもと違うと不安に感じる方もいます。

基礎体温をつけると、低温期から高温期に移行する時期に、茶色いおりものが出ることを確認できることが多いです。排卵期出血は自然な生理現象ですが、他の症状を伴う場合は、婦人科を受診するのが安心です。

着床出血

受精卵が子宮内膜に着床する際に、少量の出血が起こることがあります。着床出血といい、おりものに混ざって茶色っぽく見えることがあります。着床出血は、妊娠超初期に見られることがある症状の一つで、生理予定日頃に起こることがあります。

色は薄いピンクや茶色で、出血量はごく少量です。すべての妊婦さんに起こるわけではなく、気づかない場合もあります。出血は他の原因でも起こりうるため、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。

以下の記事では、妊娠初期に見られるおりものの特徴や、生理前のおりものとの違いについて詳しく解説しています。妊娠の兆候が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
>>妊娠初期のおりものの色や量などを解説|生理前のおりものとの違いも紹介

子宮頸管ポリープ

子宮頸管ポリープとは、子宮頸管にできる良性の腫瘍です。子宮頸管は、子宮の入り口にあたる部分で、膣とつながっています。子宮頸管にできるポリープは、炎症やホルモンの影響で発生すると考えられています。子宮頸管ポリープがあると、性交渉後やおりものに少量の出血が見られるケースがあり、出血が茶色のおりものに見える場合があります。

子宮頸管ポリープは自覚症状がない場合も多いですが、不正出血やおりものの増加などの症状が現れることもあります。子宮頸管ポリープは基本的に良性の腫瘍ですが、一部のケースでは悪性化する可能性もあります。定期的な婦人科検診で自分の身体の状態を把握し、早期発見・早期治療することが重要です。

性感染症(STD)

性感染症の中には、おりものの色や量、においなどが変化する症状が現れるものがあります。感染症別のおりものの症状は、以下のとおりです。

  • クラミジア感染症:黄色や白色の粘り気がある
  • 淋病:黄色や緑色の膿が出る
  • トリコモナス膣炎:黄緑色や灰色の泡立ちやすい

性感染症は早期発見・早期治療が大切です。気になる症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。性感染症は放置すると、不妊や他の病気を引き起こす可能性があります。早期に適切な治療を受けることで、深刻な事態を防ぐことができます。

特に「黄色のおりもの」が続く場合は、性感染症以外にも炎症や別の疾患の可能性があるため注意が必要です。以下の記事では、黄色いおりものの具体的な原因と、症状ごとの適切な対処法について詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
>>黄色のおりもの、放置は危険?原因と症状別の対処法を解説

茶色のおりものの対処法

茶色のおりものの対処法は以下のとおりです。

  • ナプキンをこまめに取り替える
  • 締め付けない下着を着用する
  • 陰部を清潔に保つ

ナプキンをこまめに取り替える

茶色のおりものは、古い血液が酸化したものなので、雑菌が繁殖しやすくなっています。清潔を保つためにも、ナプキンをこまめに取り替えることが大切です。ナプキンを選ぶ際には、通気性の良いものを選び、蒸れを防ぎましょう。吸収力が高いものもおすすめです。

ナプキンを使用する場合は、数時間置きに必ず取り替えましょう。おりものの量が少ない場合は、おりものシートを使用しても構いません。おりものの量や状況に応じて調整してください。

締め付けない下着を着用する

締め付けの強い下着は、通気性を悪くし、雑菌の繁殖を助長してしまいます。血行が悪くなり、おりものの状態を悪化させる可能性もあります。下着を選ぶ際は、通気性の良い素材を選びましょう。綿やシルク素材の下着は、通気性が高く、おすすめです。

化学繊維の素材は通気性が悪く、蒸れやすいので避けたほうが良いです。締め付けないデザインの下着を選び、血行を妨げないようにすることも大切です。就寝時は、締め付けないゆったりとした下着を着用するか、下着を着用せずに寝ると、より通気性が良くなります。

陰部を清潔に保つ

陰部を清潔に保つことも、茶色のおりものの対処法として重要です。過度な洗浄は、膣内の善玉菌を洗い流し、かえって雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。膣内には、自浄作用があるので、過度に洗浄する必要はありません。

陰部を洗う際には、ぬるま湯で優しく洗いましょう。石鹸を使う場合は、低刺激性のものを選び、ゴシゴシこすらないように注意してください。洗浄は1日1〜2回程度で十分です。洗いすぎると、膣内のpHバランスを崩し、かえって炎症を起こしやすくなる可能性があります。

ビデを使用する場合は、水圧を弱めにする、長時間使用しないなど、注意が必要です。生理中は、経血によって膣内がアルカリ性に傾きやすいため、雑菌が繁殖しやすくなります。

病院を受診する目安

病院を受診する目安は、以下を参考にしてください。

  • 茶色のおりものが1週間以上続く
  • 強いにおいやかゆみがある
  • 妊娠の可能性がある

茶色のおりものが1週間以上続く

茶色のおりものは、古い血液が酸化したものなので、生理の終わりかけなどによく見られます。1週間以上続く場合は注意が必要です。以下の病気が隠れている可能性も考えられます。

  • 子宮頸管ポリープ:子宮頸管にできる良性の腫瘍で、不正出血の原因となることがある
  • 子宮筋腫:子宮にできる良性の腫瘍で、過多月経や月経痛の原因となることがある
  • 子宮内膜症:子宮内膜が子宮以外の場所に発生する病気で、強い生理痛や不妊の原因となることがある

婦人科疾患は早期発見・早期治療が重要です。「数日なら様子見で大丈夫」と安易に考えて放置せず、1週間以上続く場合は、速やかに婦人科を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。

強いにおいやかゆみがある

おりものにいつもと違う強いにおいやかゆみが伴う場合は、感染症の可能性があります。性感染症(STD)の中でも、クラミジアや淋病、トリコモナス症などは、おりものの色やにおいの変化、かゆみを伴うことがあります。放置すると、不妊症などの合併症を引き起こす可能性もあります。

症状がある場合は、自己判断せず、速やかに婦人科を受診しましょう。性感染症はパートナーへの感染を防ぐためにも、早期発見・早期治療が重要です。心当たりのある方は、パートナーと一緒に受診することをおすすめします。

以下の記事では、白いおりものの特徴から正常な状態と異常のサインを見分けるポイントについて詳しく解説しています。体調変化に敏感な方はぜひ参考にしてみてください。
>>白いおりものの正体とは?健康な状態と異常サインの違い

妊娠の可能性がある

妊娠超初期には、受精卵が子宮内膜に着床する際に少量の出血が生じる場合があります。おりものが茶色っぽくなることがあります。着床出血は妊娠の兆候の一つではありますが、すべての妊婦さんに起こるわけではなく、また不正出血と区別が難しい場合もあります。

生理予定日頃に少量の出血があり、普段の生理とは違うと感じた場合は、妊娠検査薬を使用してみましょう。陽性反応が出た場合は、産婦人科を受診して妊娠の確定診断を受けてください。

陰性だった場合でも、出血が続く、量が増える、強い腹痛があるなどの症状が現れたら、婦人科を受診するようにしてください。妊娠の可能性がある場合、自己判断は危険です。必ず医療機関を受診し、専門家の適切なアドバイスを受けましょう。

茶色のおりものを予防する生活習慣4選

茶色のおりものが慢性的に続く場合は、生活習慣を見直すことが重要です。茶色のおりものを予防するための生活習慣について、以下の4つを解説します。

  • バランスの良い食事を摂る
  • 適度な運動を心がける
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • ストレスをめ込まない

バランスの良い食事を摂る

バランスの良い食事は、健康な体を維持するうえで重要な要素の一つです。栄養バランスが崩れると、ホルモンバランスが乱れ、おりものの状態にも影響を及ぼす可能性があります免疫力の低下にもつながり、感染症のリスクを高めることも考えられます。積極的に摂りたい栄養素は以下のとおりです。

  • 粘膜を健康に保つビタミンA(ニンジンやカボチャ、ホウレンソウなど)
  • 免疫力を高めるビタミンC(柑橘系の果物やブロッコリー、パプリカなど)
  • ホルモンバランスを整えるビタミンE(アーモンドやアボカド、大豆製品など)
  • 細胞の再生を助ける亜鉛(牡蠣やカボチャの種、牛肉など)

加工食品や糖分の多い食品は、ホルモンバランスを乱す原因となる可能性があるため、控えめにしましょう。インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水などは、栄養価が低く、添加物が多く含まれているため、摂りすぎると体の不調につながる可能性があります。

毎日の食事でビタミンやミネラルをしっかり補給することで、体の内側から健康をサポートし、おりものの状態も整えられます。主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせ、さまざまな食材を摂り入れるように心がけましょう。

適度な運動を心がける

適度な運動は、血行を促進し、ホルモンバランスを整える効果があります。ストレス発散にも効果的で、心身の健康維持に役立ちます。運動不足は、血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こし、おりものの状態を悪化させる可能性があります。おすすめの運動は以下のとおりです。

  • ウォーキングや軽いジョギング
  • ヨガやストレッチ
  • 水泳

激しい運動はかえってストレスになる場合があるので、ウォーキングやストレッチなど、自分に合った運動を見つけ、無理なく続けられるようにしましょう。週に数回の軽い運動から始めて、徐々に運動量を増やしていくのがおすすめです。

十分な睡眠時間を確保する

睡眠不足は、ホルモンバランスを乱し、免疫力を低下させる原因になります。自律神経のバランスも崩れやすくなり、心身にさまざまな不調が現れる可能性があります。質の良い睡眠を十分に摂ることで、心身の疲れを癒し、健康な体を維持しましょう。

睡眠の質を高めるためには、毎日同じ時間に寝起きする習慣を身につけ、体内時計を整えることが重要です。寝る前にカフェインを摂ることは避けてください。スマートフォンやパソコンのブルーライトも睡眠の質を低下させるため、就寝1時間前からは使用を控えましょう。寝室を暗く静かに保つことも、深い睡眠を得るために効果的です。

適切な睡眠時間は個人差がありますが、一般的には7〜8時間程度の睡眠が適切とされています。自身の体に合った睡眠時間を確保し、毎日規則正しい生活を送るように心がけましょう。

ストレスをため込まない

ストレスは、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、おりものの状態にも影響を与える可能性があります。ストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れ、免疫力が低下しやすくなります。おすすめのストレス発散方法は、以下のとおりです。

  • 趣味を楽しむ
  • リラックスできる時間を作る
  • 友人や家族と話す
  • アロマを焚く
  • 好きな音楽を聴く
  • ゆったりとしたバスタイムを過ごす
  • 自然の中で過ごす

ストレスを一人で抱え込まず、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。過度なストレスを感じている場合は、専門機関に相談することも検討しましょう。信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。

まとめ

茶色のおりものは古い血液が酸化したもので、生理前後に見られることが多いです。量が多い、長引く、においやかゆみがある、いつもと違うと感じたら、婦人科で相談してみましょう。子宮や膣の病気のサインの可能性があります。

日頃からバランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠、ストレスをためない生活を心がけて、健やかな毎日を送りましょう。セルフケアも大切ですが、不安なときは一人で悩まず、専門家に頼ることも考えてみましょう。

以下の記事では、おりものの基礎知識や色によってわかる体のサイン、注意すべき異常の特徴について詳しく解説しています。体調管理に役立つ情報としてご活用ください。
>>おりものとは?おりものの色でわかる健康状態や注意すべきおりものの特徴を解説

参考文献

Michelle Sim, Susan Logan, Lay Hoon Goh. Vaginal discharge: evaluation and management in primary care. Singapore Medical Journal, 2020 Jun;61(6):297–301.

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