ソフィアレディスクリニック

体外受精の7つのリスク!先天的障害の可能性や合併症を詳しく解説

公開日:2024.06.28
更新日:2025.08.21

体外受精は、不妊治療において妊娠・出産の可能性を広げる治療法です。しかし、体外受精を行っても妊娠は確実ではなく、さまざまなリスクを伴います。この記事では、体外受精における母体のリスクや胎児の先天的な障害の可能性を詳しく解説します。

神奈川県相模原市、淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックは、不妊治療の悩みに強みを持つ婦人科クリニックです。生理不順やPMSなどの女性特有のお悩みはもちろん、男性不妊の検査・治療にも対応し、ご夫婦のお悩みを専門医が丁寧にサポートします。

また、当院は橋本駅の長谷川レディースクリニックと密に連携し、婦人科・不妊治療を提供しています。2つの施設間で検査結果や治療方針を共有することで、よりスムーズな治療体制を整えています。体外受精をご検討の方にも、きめ細かな診療と迅速な対応をご提供していますので、お悩みの方は当院へご相談ください。

体外受精の7つのリスク

体外受精を行う前に、リスクがあることも十分理解しておくことが大切です。以下の7つのリスクについて解説します。

  • 年齢が上がるにつれて妊娠率が低下・流産率が上昇
  • 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性
  • 子宮外妊娠の可能性
  • 自然妊娠より多胎妊娠の確率上昇
  • 採卵による合併症の発症
  • 定期的に通院が必要
  • 体外受精を継続するためのコスト

年齢が上がるにつれて妊娠率が低下・流産率が上昇

妊娠率や流産率は、女性の年齢が影響することがわかっており、女性の年齢が上がるにつれて妊娠、出産に至る確率は下がるというデータがあります

(出典:日本産科婦人科学会2021年調査)

体外受精の妊娠率は、34歳以下が40%台であるのに対し、40歳以上では20%前後、45歳以上になると数%まで落ちます。流産率は40歳未満では20%前後ですが、41歳以上は37%以上になります。卵子は女性の胎児期に作られるため、年月とともに老化し、質が低下していきます。

体外受精は、いつでもできる治療ではないと理解する必要があります。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性

卵巣過剰刺激症候群は、排卵誘発剤の副作用で起こります。体外受精では排卵誘発剤を使用することがほとんどです。個人差はありますが、過剰に反応する人は、卵巣が膨れ上がったり、ホルモンが増加しすぎたりします

卵巣過剰刺激症候群を発症したまま妊娠すると症状が悪化し、入院管理が必要になるケースもあるため注意が必要です。排卵誘発剤を使用してお腹の張りや吐き気、急激な体重増加などの体調変化があった場合はすぐに医師へご相談ください。

子宮外妊娠の可能性

数%という少ない確率ではありますが、子宮外妊娠になることもあります。子宮外妊娠は、子宮に戻した胚(受精卵)が卵管や卵巣などの子宮以外の場所に着床してしまうことです。胎児は、子宮以外の着床では育つことができないため、子宮外妊娠が起こると妊娠は不成立となってしまいます。

自然妊娠よりも多胎妊娠の確率上昇

体外受精は、多胎妊娠の確率が自然妊娠の場合よりも高くなります原因のひとつは、2つの胚(受精卵)を子宮に戻すことです。多胎妊娠を防止するために子宮に戻す胚(受精卵)の数は原則1個とされていますが、35歳以上の女性の場合や、なかなか妊娠に至らない人の場合は2つの胚(受精卵)を戻すこともあります。

胚(受精卵)を体外で培養することが多胎になる確率を上げているという調査結果もあります。多胎妊娠の場合は、切迫早産や妊娠中の合併症など母体への影響はもちろん、未熟児など胎児への影響もあるのです。

採卵による合併症の発症

採卵時の合併症には、出血や腸管損傷、麻酔による副作用などがあります。採卵は、細い針を卵巣に刺して卵子を採りますが、そのときに腟壁や卵巣からの出血や、周りの臓器を傷つけるリスクがあります。採卵時に使用する麻酔の副作用で血圧が低下したり、アレルギー反応が出たりすることもあります。

まれに穿刺の影響で腹腔内感染が起こる可能性もあります

定期的に通院が必要

通院回数が多いことも不妊治療を続けるのが困難になる理由のひとつです。体外受精の場合、事前検査から妊娠判定まで3か月程度かかります。排卵誘発剤の使用や採卵、胚移植などのために生理1周期あたり4〜5回の通院が必要です。

採卵や胚移植などは、卵胞や子宮内膜のベストな状態に合わせて行うため、決められた日に通院する必要があります。仕事との両立が難しく、仕事を辞めるか不妊治療を諦めるかの選択を迫られてしまう方もいます。

体外受精を継続するためのコスト

2022年4月から、条件付きですが体外受精は医療保険適用の対象になりました。医療保険適用の条件は以下のとおりです。

  • 法的な婚姻関係にあるか、事実婚であること
  • 年齢:女性の年齢が43歳未満
  • 回数:子ども一人につき40歳未満は最大6回、40〜43歳未満は最大3回

以前に比べると費用の負担が少なくなったことは事実です。保険適用外の薬もあり、回数を重ねると数十万円や数百万円単位でコストがかかることもあります。

体外受精を成功させるクリニック選びのポイント

体外受精には時間的にも肉体的にも金銭的にもリスクがあります。治療の途中でクリニックを変えるのは難しいため、最初のクリニック選びが重要になります。不妊治療を受けるなら、不妊治療専門のクリニックや生殖医療専門医を受診することが望ましいです。

産婦人科医でも専門分野はさまざまなので、不妊治療を専門としており、実績と経験が豊富で信頼できるクリニックに相談することが大切です。ソフィアレディスクリニックには生殖医療専門医がおり、幅広い不妊治療が可能です。

女性の健康をトータルでサポートし、安心、安全な医療の提供はもちろん、一人ひとりに寄り添い、精神的なサポートも行います。不妊治療は夫婦二人の問題のため、男性不妊に対する外来も設けています。男性は不妊治療へ行くのに躊躇する傾向ですが、お二人で来院し、一緒に相談、治療を受けることも可能です。

体外受精と赤ちゃんの健康への影響について

体外受精を選択した場合、生まれてくる子どもに先天的障害が出るかどうか心配する方もいます。自然妊娠の場合でも一定の確率でASD(自閉スペクトラム症)などの先天的障害が発生します。

海外のデータですが、ふりかけ法の場合は自然妊娠と比べて先天的障害の発生率はほとんど変わりません。しかし、顕微授精(ICSI)ではASDの発生率は2.49倍、発達遅延に関しては1.92倍のリスクがあるとの報告もあります。

今回の報告では顕微授精が原因である可能性も考えられますが、不妊症であるという体質自体が先天的障害のリスクを増やした可能性も否定できません。過度に心配する前に、不安なことは医師に相談してください。

体外受精のリスクを軽減するための対策

体外受精のリスクを軽減するための対策を3つ紹介します。

  • 年齢に応じた治療計画の立て方
  • 生活習慣の改善で成功率を上げる方法
  • 精神的なサポートとカウンセリングの重要性

年齢に応じた治療計画の立て方

年齢は体外受精の成功率に大きく影響するため、年齢に応じた適切な治療計画を立てることが重要です。35歳未満では比較的時間をかけた治療が可能ですが、35歳以上では迅速な治療開始と効率的な進行が求められます。特に40歳以上では、卵子の質の低下が顕著になるため、より慎重な計画が必要です。

若い方の場合は、まず自然周期での体外受精を試み、結果に応じて刺激法を調整します。年齢が高い方では、最初から排卵誘発を行い、短期間で複数回の採卵を検討することもあります。

生活習慣の改善で成功率を上げる方法

生活習慣の改善は、体外受精の成功率向上とリスク軽減に大きく貢献します。規則正しい生活リズム、バランスの良い食事、適度な運動、禁煙・禁酒などが基本です。生活習慣の改善により、卵子と精子の質を向上させ、妊娠しやすい体作りができます。

食事では、葉酸やビタミンD、亜鉛などの妊娠に必要な栄養素を意識的に摂取しましょう。緑黄色野菜、魚類、豆類を中心とした食事を心がけます。運動は週3回、30分程度のウォーキングから始めましょう。

精神的なサポートとカウンセリングの重要性

体外受精は身体的な負担だけでなく、精神的な負担も大きい治療です。治療の不確実性、経済的な負担、周囲からのプレッシャーなどにより、ストレスや不安を感じる方が多くいます。精神的なサポートを受けることは治療成功のために重要です。

多くの不妊治療クリニックでは、専門のカウンセラーによる心理サポートを提供しています。治療に対する不安や恐れを話し合い、ストレスの軽減方法を学ぶことができます。リラクゼーション法や認知行動療法などの技術を習得し、治療期間中の精神的な安定を保つことができます。

パートナーと一緒にカウンセリングを受けることで、夫婦間の理解と協力も深まります。

体外受精でよくある質問

体外受精でよくある質問は、以下の3つです。

  • 体外受精は何回まで挑戦できる?
  • 保険適用の条件と具体的な費用は?
  • 仕事との両立はどのように行えばいい?

体外受精は何回まで挑戦できる?

体外受精に法的な回数制限はありませんが、医学的・経済的・精神的な観点から適切な回数が検討されます。一般的には、新鮮胚移植と凍結胚移植を含めて3〜6回程度が目安とされています。年齢や卵巣機能、これまでの治療結果などを総合的に判断して、個別に決定されます。

保険適用では、女性の年齢が40歳未満の場合は通算6回まで、40歳以上43歳未満の場合は通算3回まで助成が受けられます。医師と相談しながら、身体的・精神的負担を考慮して、最適な治療回数を決めていきましょう。

保険適用の条件と具体的な費用は?

2022年4月から体外受精が保険適用となり、経済的負担が軽減されました。保険適用の条件は、法律上の夫婦であること、女性の年齢が43歳未満であること、他の不妊治療を受けても妊娠しない場合などがあります。保険適用により、自己負担額は治療費の3割になります。

一部の検査や治療は自費診療となる場合があります。詳細な費用は、治療を受けるクリニックで事前に確認しておきましょう。

不妊治療の費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
>>不妊治療の費用はいくら?治療内容別の費用と使える助成制度を詳しく紹介

仕事との両立はどのように行えばいい?

体外受精と仕事の両立は多くの方が抱える課題ですが、計画的に進めることで無理なく治療を続けることができます。治療には定期的な通院が必要で、特に採卵前は連日の通院が必要になる場合があります。職場への相談や時間的な調整が重要です。

信頼できる上司や人事担当者に治療について相談し、柔軟な勤務体制を整えることが大切です。フレックスタイム制度や時短勤務、有給休暇の活用などを検討しましょう。テレワークが可能な職場では、在宅勤務を活用することで通院と仕事の両立がしやすくなります。

まとめ

体外受精にはいくつかのリスクがあります。リスクを理解したうえで、実績と経験が豊富な信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。十分に説明を受けてからご自身に合った治療法を選択するようにしましょう。

ソフィアレディスクリニックでは、来院された夫婦の約70%がお子さまを授かっており、たくさんの感謝の声をいただいております。一人でも多くの方が未来の宝物(子ども)を授かるためのお手伝いをしたいと考えています。不妊治療に関して迷われている方でも受診は可能です。気になることがありましたら、まずはお気軽に当院へお問い合わせください。

参考文献

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