ソフィアレディスクリニック

ピルを飲んでても。(22歳・女性)

公開日:2024.03.21
更新日:2024.03.21

ピルを飲んで3年になりますが、長い間ピルを飲むと体に負担がかかって不妊症になりやすいと聞きました。 将来、子供が産めにくい体になるのでしょうか??

低用量ピルなら安心です。中止することで容易に妊娠する条件に復帰できます。

日本では従来より避妊法としてのピルの使用は極めて少数でした。それは吐き気などの消化器症状のほかに、ピルによってがんが発生する、体重が増える、不妊になるなどの不安が広く女性の中に広まっていたからと考えられます。 しかし近年女性ホルモン(エストロゲン)量を従来より1/4に減らした低用量ピルが使用可能になり、副作用も少なくさらにホルモンの組み合わせや新しい黄体ホルモンの改良によって使いやすく、また副作用も少ないピルが開発されて使用されています。 またこのうちの1種類は保険適応(ルミナス:月経困難症、子宮内膜症が適応)となって、健康保険でも使用が可能となり中学生や高校生にも使用可能で現在急速に広まりつつあります。 本来ピルは避妊目的で開発されたわけですがその薬がもつ有効な作用として〔副効用といいます)服用によって生理が順調になること、生理痛が軽減すること、ニキビが改善すること、貧血が改善すること、生理量が減少することなどに有効であり、それ以外でも子宮体がん、卵巣の良性のう胞、乳房の良性疾患や大腸がんの発症頻度の減少があり、女性にとって極めて有用であることが証明されています。 しかしまた当然薬ですのでその使用方法を誤れば副作用もあるわけで、肝心なのは必ず指示されたように服用することと医師の定期的なチエックを必ず受けることです。 軽症な副作用としては少量の出血、吐き気や嘔吐などや頭痛、胸が張るなどありますが、服用開始の最初の3カ月以内に多くみられ、服用を持続することで大部分は収まります。 重大な副作用としてピルによる血栓症があり、特にスモーカーは危険ですので禁煙が前提です 。一日15本以上喫煙する方は禁忌となりますので注意してください。 ふくらはぎの痛み、胸部の痛み、圧迫感、目のかすみなどの前駆症状があればすぐ医師に相談してください。 現在の低用量ピルはかなり安全で長期間服用も以上のことを守り、医師のチエックを受けていれば長期の服用も問題ありませんが、自己判断で飲んだり飲まなかったり、勝手に中止したりすることは危険です。 必ず医師の管理のもとで服用するようにしてください。また服用を中止すると3~4カ月で排卵が起こり妊娠可能となります。 長く服用しても不妊となることもなく、体内に蓄積することや、中止後の妊娠で、赤ちゃんの先天異常が増えることもありません。

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