排卵はしているものの…(28歳・女性)

公開日:2024.03.21
更新日:2024.03.21

先日、基礎体温表を持って病院に行きました。エコー上、診察に行った2~3日前に排卵していた様ですが、通常排卵後の子宮内膜の厚み1センチが私は5ミリ程度で薄いと言われました。 内膜を厚くする治療などあるのですか?それとも、毎月排卵の状態で厚みは違うのですか? 中絶を2回しているのですが、2回の掻爬のせいで薄いのでしょうか?

子宮内膜の厚さは着床にとって重要です。その状態は周期によって異なりまた薄い原因は1つではありませんのでまず全身の血流を改善することから始めましょう。

子宮内膜は受精卵にとっては最後にたどりつく場所であり、そこが受け入れてくれなければ、妊娠すなわち着床は成り立ちません。特に排卵後の子宮内膜(高温相の子宮内膜)は分泌期と言って糊のような分泌物を出しながら、卵管内を分割しつつ成長してきた胚を着床させるべく待ち受けているわけです。 この着床現象こそが妊娠できるか否かの最後の段階と言えるわけです。 特に受精卵の方は胚盤胞という着床直前の状態まで体外で培養できるようになっており、これを子宮内に戻しても妊娠に至らない例は子宮側に問題のある着床不全と推定され治療の現場では大きな問題点となっています。 一般に子宮内膜の胚に対する受け入れ可能な時期は決まっておりこれを「着床の窓」と言います。 この期間は排卵後4日目ごろから数日の間と言われ、しかも不妊症の患者さんではこの期間がさらに短縮している事が判明しています。 この期間で胚側と母体側が相互に応答しながら着床へ導くわけで、このどちらに問題があっても妊娠は成立しないわけです。 では着床に適した子宮内膜とはどんな状態をいうのでしょうか?「着床の窓」が開いている時期には子宮内膜の上には胚を接着させる物質(ピノサイトといいます)が現れてくることが注目されてきていますが、その現象は残念ながらいまだ十分には解明されていません。 また逆に胚の接着を阻害する物質も存在し、着床期にはこのような物質の産生低下や、機能低下がみられることも観察されています。 このような分泌物質の存在以外にも子宮内膜は着床期において胚を受け入れるため子宮内腔にせり出すような形態変化をすると言われています。 またホルモン分泌面から着床期の子宮内膜を検討すると排卵前のエストロゲン分泌の状態が良好子宮内膜の発現に重要な働きをしていますが、着床期にはさらにプロゲステロンの分泌量が十分無いと良好な子宮内膜が準備されません。 このように内膜特にその厚さは着床に重要です。 具体的な着床不全は粘膜下子宮筋腫や子宮奇形、内膜ポリープの存在、手術後に起こる内膜の癒着や変形、細菌などによる子宮内膜炎などが原因として考えられます。 これらが存在しなければ現実には血流が良いほど内膜が厚くなることが判明しており、日常生活での血流改善が大きなポイントとなります。