ソフィアレディスクリニック

精液検査の基準値を徹底解説!正常値と異常値の見分け方

公開日:2025.07.19
更新日:2025.10.28

精液検査」という言葉に、不安や抵抗感を覚える方は多くいます。実は、不妊の原因の約半分は男性側にあると言われています。WHO(世界保健機関)の調査によると、14カ国以上4500人以上の男性のデータを分析した結果、妊娠に影響する精子の基準値が明確になりました。WHOの基準値を上回っていても必ず妊娠できるとは限りません。

この記事では、精液検査で何がわかるのか、検査はどこで受けられるのか、費用はいくらかかるのかを解説します。検査を受ける手順なども不妊治療に携わってきた医師の視点から説明しています。未来の家族計画をスムーズに進めるためにも、記事を通して精液検査への理解を深めましょう。

この記事では、精液検査で何がわかるのか、検査はどこで受けられるのか、費用はいくらかかるのかを解説します。さらに、検査を受ける手順なども不妊治療に携わってきた医師の視点からわかりやすく解説します。未来の家族計画をスムーズに進めるためにも、記事を通して精液検査への理解を深めましょう。

神奈川県相模原市 淵野辺駅から徒歩2分にあるソフィアレディスクリニックは、精子に関するお悩みにも強みのあるクリニックです。生理不順やPMSなどの女性特有のお悩みはもちろん、男性不妊の検査・治療にも対応し、ご夫婦のお悩みを専門医が丁寧にサポートします。

また、当院は橋本駅の長谷川レディースクリニックと密に連携し、婦人科・不妊治療を提供しています。2つの施設間で検査結果や治療方針を共有することで、よりスムーズな治療体制を整えています。体外受精をご検討の方にも、きめ細かな診療と迅速な対応をご提供していますので、お悩みの方は当院へご相談ください。

精液検査の基準値

精液検査の基準値について、以下の内容を解説します。

  • 精液検査の基準値(正常値)の意味
  • WHOの精液検査の基準値
  • 各検査項目が示すもの

精液検査の基準値(正常値)の意味

精液検査の基準値とは、世界保健機関(WHO)が定めた国際的な標準値のことです。この基準値は、自然妊娠を経験した男性の精液データをもとに作られています。重要なポイントは、WHOの基準値が「妊娠しやすい数値」ではなく「妊娠の可能性が低くなる数値の下限」を示していることです。

基準値をクリアしても妊娠しやすいとは限りませんが、基準値を下回ると妊娠の可能性は統計的に低くなることを意味します。基準値は一つの目安であり、パートナーの状態や他の要因も妊娠には大きく関わります。検査結果だけで妊娠の可能性がすべて決まらないことを理解しておくことが大切です。

WHOの精液検査の基準値

WHO第6版の主な基準値は以下のとおりです。

  • 精液量:1.4ml以上
  • 精子濃度:1,600万/ml以上
  • 総精子数:3,900万以上
  • 運動率:42%以上
  • 前進運動率:30%以上
  • 正常形態率:4%以上

精子濃度が基準値ギリギリの1600万/mlであっても、運動率が60%と高ければ、自然妊娠の可能性は十分にあります。WHOの研究では、妊娠を経験した男性の精液の質は、一般的に「正常」とされていた男性よりも優れていることが示されています。基準値をクリアするだけでなく、より高い数値を目指すことが妊娠への近道となります。

精液検査の各項目が示すもの

精液検査ではさまざまな項目が測定されます。それぞれの項目が示す意味は以下のとおりです。

  • 精液量:一回の射精で出る精液の量
  • 精子濃度:1mlの精液の中にどれだけの精子がいるか
  • 総精子数:精液全体の精子の数
  • 運動率:精子が動いている割合
  • 前進運動率:卵子に向かって力強く泳いでいく精子の割合
  • 正常形態率:正常な形の精子の割合

上記の項目を総合的に評価することで、男性の生殖能力をより正確に把握できます。

精液検査の基準値の読み方

精液検査の結果を受け取った際、数値の見方や異常値の意味について不安に感じる方は少なくありません。結果を正しく理解し、適切に対処するための方法をお伝えします。

検査結果の正しい解釈方法

精液検査の結果は、WHOの基準値と比較して総合的に判断されます。一つの項目が基準値を下回っていても、他の項目が良好であれば自然妊娠の可能性は十分にあります。精子濃度が少し低くても、運動率や正常形態率が高ければ、妊娠の可能性は保たれます。

すべての項目が基準値をクリアしていても、必ずしも妊娠が保証されるわけではありません。精液検査ではわからない免疫学的要因や、パートナーの卵子の質、女性側の要因なども妊娠には大きく関わるためです。精液の質は体調、ストレス、季節などによって変動します。

そのため、一回の検査結果だけで判断せず、複数回の検査結果を総合的に評価することが重要です。医師はこれらの要因を含めて総合的に判断し、個別の状況に応じた適切なアドバイスを提供してくれます。

異常値が出た場合の考え方

検査結果で基準値を下回る項目があった場合「異常値」と判定されますが、必ずしも妊娠が不可能という意味ではありません。異常値が出た場合、重要なのは冷静に結果を受け止めることです。多くの場合、生活習慣の改善や適切な治療により、精液の質を向上させることが可能です。

軽度の異常であれば、禁煙や節酒、適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠などの生活習慣の見直しで改善されることが多くあります。中等度から重度の異常の場合は、薬物治療やより専門的な治療が必要なこともありますが、現在の医療技術では多くの治療選択肢があります。

人工授精や体外受精などの生殖補助医療により、精液の質に問題があっても妊娠・出産に至るケースは数多くあります。大切なのは、結果に一喜一憂せず、医師と相談しながら最適な治療方針を決めていくことです。

精液検査の結果への不安と相談先

精液検査の結果に不安を抱えるのは当然のことです。結果がどうであれ、一人で悩まずに、医師に相談をおすすめします。不妊治療専門のクリニックでは、カウンセラーによる心理的サポートも受けられる場合があります。パートナーと一緒に相談を受けることで、お互いの理解を深め、今後の方針を共に考えることができます。

インターネット上の情報だけで判断せず、必ず専門医に相談することが、適切な治療への第一歩になります。

精液検査を理解する5つのポイント

精液検査を理解する5つのポイントとして、以下の内容を解説します。

  • 精液検査の基本的な仕組み
  • 男性不妊の原因特定における役割
  • 精液検査は泌尿器科・不妊治療専門クリニックで受診可能
  • 精液検査は多くの場合が保険適応
  • 精液検査を受ける流れ

男性不妊の原因を探る大切な手がかりとなる検査であり、将来の家族計画をスムーズに進めるための一歩となります。

精液検査の基本的な仕組み

精液検査とは、採取した精液を顕微鏡などで詳しく調べる検査です。精子の数、運動率、形などを調べ、男性不妊の原因を探る重要な手がかりとなります。見た目では健康そうに見える男性でも、精液検査で精子の数が少ない、動きが弱い、形が異常などの問題が見つかることがあります。

以下の記事では、精液検査の具体的な検査内容や費用、検査を受ける際の流れ、結果の見方までを初心者にもわかりやすく解説しています。不妊の原因を調べたい方や、検査を検討している方はぜひ参考にしましょう。
>>【初めての方必見】精液検査とは?検査内容・費用・結果の見方をわかりやすく解説

男性不妊の原因特定における役割

精液検査では、精液量精子濃度総精子数運動率前進運動率正常形態率などがわかります。精子濃度が基準値を下回る乏精子症、精子の運動率が低い精子無力症、精液中に精子が全く見つからない無精子症など、さまざまな状態がわかります。

正常な形をした精子の割合が低い奇形精子症や、精液量が少ない精液減少症なども診断可能です。診断結果は、不妊の原因が男性側にあるかどうかを判断する重要な根拠です。検査結果にもとづいて、薬物治療が必要なのか、あるいは生殖補助医療を検討すべきなのかなど、最適な治療方針を決定できます。

一度の検査ではすべてわかりませんが、男性の不妊治療として欠かせない検査です。

以下の記事では、精子の運動率について解説しているのでチェックしてみてください。
>>精子の運動率とは|基準値・検査方法・改善のための生活習慣を解説

精液検査は泌尿器科・不妊治療専門クリニックで受診可能

精液検査は、泌尿器科や不妊治療専門のクリニックで受けることができます。かかりつけ医がいる場合は、まずは相談してみましょう。どの病院に行けば良いかわからない場合は、インターネットで近くの泌尿器科や不妊治療専門クリニックを探したり、地域の保健センターに相談したりするのもおすすめです。

ご自身の状況や希望に合わせて、適切な医療機関を選ぶことが大切です。すぐにでも子どもが欲しいと考えている場合は、不妊治療専門クリニックを受診しましょう。

精液検査は多くの場合が保険適応

精液検査の費用は、医療機関によって異なりますが、一般的には5,000~10,000円程度です。多くの場合、保険適用となるため、自己負担額は3割負担の方で1,500~3,000円程度になります。検査項目によっては保険適用外となる場合もあるので、事前に医療機関に確認しておくと安心です。

費用面も医療機関選びの重要な要素です。検査費用だけでなく、もし不妊治療が必要となった場合の費用も、事前に確認しておきましょう。

精液検査を受ける流れ

精液検査を受ける手順を紹介します。検査前の準備として、禁欲期間(通常2~7日間)を守りましょう。禁欲期間が短すぎると精子数が少なく、長すぎると運動率が低下する可能性があります。採集方法は以下の2種類があります。

  • 医療機関の専用個室での採取
  • 自宅で採取して持参する方法

自宅採取の場合は、温度変化や時間経過による精子の劣化を防ぐため、指定された方法に従うことが重要です。採取後は速やかに提出しましょう。専用の容器や保温バッグを提供している医療機関もあります。通常1~2週間後に結果の説明があります。治療方針や生活習慣改善のアドバイスを受けられます。

検査を受ける際には、医師や看護師から詳しい説明があるので、疑問や不安があれば遠慮なく質問しましょう。検査結果をもとに、医師と相談しながら、今後の治療方針を決めていきましょう。

以下の記事では、男性側の妊活における具体的な行動や注意点について解説しています。生活習慣の見直しやサポートの仕方、妊娠率を高めるためのコツなど、ぜひチェックして役立てましょう。
>>妊活のために男性ができることを徹底解説!正しい行動とNG行動の具体例

精液検査の基準値に関するよくある質問

精液検査に関するよくある質問として、以下の内容を解説します。

  • 精液検査の基準値は年齢によって変わる?
  • 基準値をすべてクリアしていれば妊娠できる?
  • 1つでも基準値を下回ると不妊症になるの?
  • 精液検査の基準値は世界共通なの?
  • 精液検査の基準値と実際の妊娠率に関係はある?

精液検査の基準値は年齢によって変わる?

精液検査の基準値は年齢に関わらず同じ数値が適用されますが、実際の精液の質は年齢とともに変化することが知られています。年齢による変化の傾向は以下のとおりです。

  • 20~30代前半:精液の質のピーク期
  • 40歳以降:精子濃度や運動率が緩やかに低下開始
  • 50歳以降:より顕著な変化が見られることがある

ただし、個人差が大きく、60代でも良好な結果を示す方もいます。年齢による変化は自然な現象であり、基準値を下回ったとしても必ずしも妊娠が不可能というわけではありません。医師は年齢を考慮した適切な評価を行い、必要に応じて治療法を検討します。

基準値をすべてクリアしていれば妊娠できる?

基準値をすべてクリアしていても、必ずしも妊娠が保証されるわけではありません。WHOの基準値は「妊娠の可能性が低くなる下限値」を示しており「妊娠しやすい数値」ではないことを理解しておくことが重要です。妊娠には男性側だけでなく、女性側の要因も大きく関わります。

卵子の質や排卵のタイミング、卵管の状態、子宮内膜の状態など、さまざまな要素が複合的に影響します。基準値クリア後も妊娠しない場合の可能性として、以下が考えられます。

  • 免疫学的要因(抗精子抗体など)
  • 精子のDNA損傷
  • タイミングの問題

基準値のクリアだけでなく、妊娠を希望する場合は総合的な検査と適切なタイミングでの性生活が大切です。

1つでも基準値を下回ると不妊症になるの?

いずれかの項目が基準値を下回っても、直ちに不妊症と診断されるわけではありません。精液検査の結果は総合的に評価されるため、他の項目が良好であれば自然妊娠の可能性は十分にあります。精子濃度が基準値をわずかに下回っていても、運動率や正常形態率が高ければ、妊娠の可能性は保たれます。

精液の質は体調やストレス、季節によって変動するため、WHO(世界保健機関)では複数回の検査を推奨しています。軽度の異常であれば、生活習慣の改善(禁煙や節酒、適度な運動、バランスの良い食事など)で改善される場合も多くあります。1回の結果に一喜一憂せず、医師と相談しながら総合的に判断することが大切です。

精液検査の基準値は世界共通なの?

現在多くの国でWHO(世界保健機関)が定めた基準値が採用されており、基本的に世界共通です。WHO第6版(2021年)の基準値が国際的な標準として広く使用されています。一部の医療機関や研究機関では、独自の基準値を併用している場合もあります。

地域特性や検査方法の違いを考慮したもので、WHO基準値と大きく異なることはありません。日本国内でも、日本生殖医学会をはじめとする関連学会がWHO基準値を採用しており、全国の医療機関で統一された評価が行われています。検査を受ける際は、どの基準値を使用しているかを確認すると安心です。

精液検査の基準値と実際の妊娠率に関係はある?

精液検査の基準値と妊娠率には一定の関係がありますが、基準値が高いほど確実に妊娠率が上がるという単純な関係ではありません。WHOの基準値は、自然妊娠を経験した男性のデータにもとづいて設定されているため、妊娠の可能性を示す重要な指標です。妊娠率に影響する要因は以下のとおりです。

  • 男性側:精液の質、年齢、生活習慣
  • 女性側:卵子の質、年齢、排卵状態
  • 共通:タイミング、ストレス、治療の有無

基準値を参考にしながらも、医師と相談して適切な治療方針を決定することが妊娠への近道です。

まとめ

精液検査は、精子の数、運動率、形などを調べ、男性不妊の原因を探る検査です。WHOが定めた基準値は、妊娠の可能性が低い数値の下限を示すものであり、基準値を下回ると妊娠の確率が低下する可能性が高まります。精液に関するそれぞれの基準値は以下のとおりです。

  • 精液量:1.4ml以上
  • 精子濃度:1,600万/ml以上
  • 総精子数:3,900万以上
  • 運動率:42%以上
  • 前進運動率:30%以上
  • 正常形態率:4%以上

検査結果が基準値を下回っていたとしても、生活習慣の改善や薬物療法、手術などで改善が見込まれる場合があります。生活習慣の改善では、バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠、禁煙、ストレス軽減が重要です。

結果が異常だった場合は、医師と相談し、生活習慣の改善や薬物療法、手術療法、人工授精、体外受精などの治療法を検討しましょう。

以下の記事では、男性不妊になりやすい人の特徴についてまとめています。ご自身に当てはまらないか、心配な方はぜひチェックしてみてください。
>>【医師が解説】男性不妊になりやすい人とは?今すぐチェックしたい5つの特徴と対策

参考文献

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