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子宮内膜ポリープは手術で治る?痛くない手術の実施方法や費用・保険適用有無について解説

公開日:2024.04.30
更新日:2024.04.30

子宮内膜ポリープとは、子宮の内側にできる卵状の腫れのことです。無症状の方も多いですが、不正性器出血や不妊の原因になる場合もあります。この記事では、手術を含めた子宮内膜ポリープの治療方法や、治療費についてくわしく解説します。

子宮内膜ポリープの手術は2種類ある

子宮内膜ポリープは手術で治療することができます。手術には子宮内膜掻爬(そうは)術と子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除手術の2種類あり、現在主流でおこなわれているのは後者の子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除手術です。

どちらの手術も麻酔をするため、手術中は痛みを感じにくいです。

子宮内膜掻爬(そうは)術

鉗子(かんし)という刃のないハサミのような器具を使って、子宮内膜にあるポリープを切除する方法です。肉眼で直接ポリープの確認ができないため、ポリープを十分に切除できない可能性があります。ガンや人工妊娠中絶時にこの処置をおこなうこともありますが、出血のリスクや子宮内膜を傷つけてしまうリスクも高いため、子宮内膜ポリープの処置でおこなうことは少なくなっています。

子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除手術

子宮鏡という子宮の中を見るカメラで、ポリープを直接確認しながら電気メスなどを使って切除する方法です。目視で確認しながら処置をおこなうので、ポリープを確実に切除することができます。

腹部を身体の外から切る必要がなく、外見に傷が残る心配はありません。麻酔を使い眠っている間に終了するので、術中に痛みを感じることもなく、基本的に日帰りでの処置が可能です。

副作用として術後に腹痛や少量の出血を感じる場合や、可能性は低いですが腹腔内感染や子宮に穴があく子宮穿孔が起こる場合があります。

子宮内膜ポリープの手術以外の治療方法

子宮内膜ポリープに効果的な薬物治療はなく、基本的に治療する場合は手術療法を選択します。しかし、ポリープのサイズや患者さんの状況によっては、特別な治療をせずに経過観察をおこなったり、ホルモン療法で対処したりする場合もあります。

経過観察

子宮内膜ポリープの多くは良性のため、自覚症状がない場合は経過観察することもあります。しかし、不正性器出血で困っている場合や、ポリープの大きさが1㎝以上あったり、数が多かったりする場合には手術療法の検討が必要です。

子宮内膜ポリープは不妊の原因になる場合もありますが、いきなり手術を選択せず、通常の不妊治療から開始して様子をみることもあります。

子宮内膜ポリープ治療の手術を受けるまでの流れ

子宮内膜ポリープ治療を受けるためには、以下のように3〜4回程度の通院が必要です。

  • 初診を受ける
  • 検査を受ける
  • 疑問や不安を相談する
  • 手術を受ける

それぞれの内容をくわしく解説します。

初診を受ける

不正性器出血などの自覚症状を問診などで聴き取り、超音波検査などで子宮内膜ポリープの状況を確認します。この時に薬を服用している方や、過去に手術歴などある方は医師にお伝えください。

月経周期などを考慮して、子宮鏡検査や手術の日程を決めていきます。

検査を受ける

悪性腫瘍や子宮筋腫の可能性がないか確認するための子宮鏡検査や、必要に応じてMRI検査などをおこないます。麻酔をかけた手術が可能かどうか調べるために採血や心電図、レントゲン検査などもおこなう場合があります。

手術について相談・質問をして疑問や不安をなくす

安全度が比較的高く日帰りで可能な手術ですが、リスクが全くないわけではありません。

安心して手術日を迎えるために、事前に疑問点など気になることを相談して不安をなくしましょう。本人だけで話を聞くのが不安な場合、ご家族やパートナーの方に同席していただくとよいです。手術の際は、手術同意書へのサインが必要となります。

手術を受ける

手術日当日に病院へいきます。麻酔を使うため、当日はご自身での運転を控えていただく場合があります。

基本的に日帰りで可能な手術ですが、ポリープのサイズが大きかったり、遠くから通院して当日帰宅が困難だったりした場合などは入院する必要があります。

手術は1時間程度で終わり当日帰宅も可能な場合が多い

手術前日や当日の朝は食事制限や薬の制限などありますが、それ以外に特別用意することはありません。手術前に子宮の入口を拡げる処置をおこない、ご自身の足で歩いて手術室に入ります。

ポリープの大きさや数によりますが、手術は10〜40分程度で終了します。手術後は麻酔が残っているため、数時間ベッドで休んで問題なければその日のうちに帰宅することが可能です。ほとんどの方は翌日から普段通り仕事などすることが可能ですが、重たい物を持つ仕事や激しい運動などは1週間程度控えてください。

子宮内膜ポリープの手術費用は保険適用の対象

子宮内膜ポリープの手術費用は公的保険が使えるので、ご自身の負担割合に応じた金額がかかります。日帰り手術の場合は3割負担で2〜4万円程度です。

このほかに初診時の診察代や、必要に応じておこなった検査や処方された薬の金額などがかかります。入院する場合は入院日数やベッド代などで差がありますので、気になる方は事前に相談しましょう。

子宮内膜ポリープにお悩みの際は産婦人科を受診しよう

子宮内膜ポリープは特に治療せず経過観察することもありますが、不正性器出血や不妊の原因になり、特に不妊治療中の方は手術などで治療した方がよい場合もあります。

子宮内膜ポリープと過去に指摘されて放置している方や、子宮内膜ポリープかもしれないという不安がある方は、一度専門の産婦人科へ相談しましょう。

また、相模原市淵野辺駅近くにある当院は最先端の子宮鏡を用いて、神奈川県でいち早く日帰りでの子宮内膜ポリープ手術ができるようになりました。関東近郊でお困りの方はぜひご相談にいらしてください。

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