ソフィアレディスクリニック

子宮内膜ポリープの手術は必要?手術の種類や費用、手術の流れについて解説

公開日:2024.04.30
更新日:2025.09.21

子宮内膜ポリープとは、子宮の内側にできる卵状の腫れのことです。無症状の方も多いですが、不正性器出血や不妊の原因になる場合もあります。「手術が必要なのか」「痛みや費用はどうなのか」と不安を抱える方も少なくありません。

実際にはポリープの大きさや症状によって治療方針は異なり、手術以外の経過観察で対応できる場合もあります。この記事では、子宮内膜ポリープの治療の流れや術後の経過、費用や保険適用の有無についてわかりやすく解説します。

正しい知識を得ることで、必要以上に不安を抱えず、自分に合った治療を医師と一緒に選択できるようになるはずです。

神奈川県相模原市、淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックは、子宮の悩みに強みを持つ婦人科クリニックです。生理不順やPMSなどの女性特有のお悩みはもちろん、男性不妊の検査・治療にも対応し、ご夫婦のお悩みを専門医が丁寧にサポートします。

また、当院は橋本駅の長谷川レディースクリニックと密に連携し、婦人科・不妊治療を提供しています。2つの施設間で検査結果や治療方針を共有することで、よりスムーズな治療体制を整えています。体外受精をご検討の方にも、きめ細かな診療と迅速な対応をご提供していますので、お悩みの方は当院へご相談ください。

子宮内膜ポリープの手術は2種類

子宮内膜ポリープの2種類の手術について解説します。

  • 子宮内膜掻爬(そうは)術
  • 子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除手術

子宮内膜掻爬(そうは)術

鉗子(かんし)という刃のないハサミのような器具を使って、子宮内膜にあるポリープを切除する方法です。肉眼で直接ポリープの確認ができないため、ポリープを十分に切除できない可能性があります。がんや人工妊娠中絶時にこの処置を行うこともありますが、出血のリスクや子宮内膜を傷つけてしまうリスクも高いため、子宮内膜ポリープの処置で行うことは少なくなっています。

子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除手術

子宮鏡という子宮の中を見るカメラで、ポリープを直接確認しながら電気メスなどを使って切除する方法です。目視で確認しながら処置を行うので、ポリープを確実に切除できます。腹部を切る必要がなく、外見に傷が残る心配はありません

麻酔を使い眠っている間に終了するので、術中に痛みを感じることもなく、基本的に日帰りでの処置が可能です。副作用として術後に腹痛や少量の出血を感じる場合や、可能性は低いですが腹腔内感染や子宮に穴があく子宮穿孔が起こる場合があります。

子宮内膜ポリープの手術以外の治療方法

基本的に治療する場合は手術療法を選択します。ポリープのサイズや患者さんの状況によっては、以下の対応をする場合もあります。

  • 経過観察
  • ホルモン療法

経過観察

子宮内膜ポリープの多くは良性のため、自覚症状がない場合は経過観察することもあります。しかし、不正性器出血で困っている場合や、ポリープの大きさが1㎝以上あったり、数が多かったりする場合には手術療法の検討が必要です。

子宮内膜ポリープは不妊の原因になる場合もありますが、いきなり手術を選択せず、通常の不妊治療から開始して様子をみることもあります。

ホルモン療法

子宮内膜ポリープの治療では、女性ホルモンのバランスを調整するホルモン療法が選択される場合があります。ホルモン療法は、手術を避けたい方や、手術のリスクが高い方に検討されることがあります。主に使用されるのは、プロゲスチンというホルモン薬です。

ホルモン療法の主な特徴は以下のとおりです。

  • 子宮内膜の増殖を抑え、ポリープの成長や症状を抑制する
  • 内服薬として服用する方法や、子宮内に器具を挿入して徐々に放出する方法がある
  • 効果は小さなポリープや軽症例に限られることが多い
  • 中止すると再び大きくなる可能性がある

副作用として不正出血、体重増加、気分の変化などが起こることがあります。ホルモン療法は万能ではなく、大きなポリープや症状が強い場合は手術が推奨されます。 研究では、プロゲスチンを用いた治療が子宮内膜の増殖を抑え、ポリープ形成を予防する可能性も示されています。

治療を検討する際は、効果とリスクを踏まえて医師と十分に相談することが大切です。

不正出血の原因や検査、料金についてまとめています。以下の記事をぜひご覧ください
>> 生理以外の不正出血の原因と検査費用

子宮内膜ポリープの手術を受けるまでの流れ

子宮内膜ポリープ治療を受けるためには、以下のように3〜4回程度の通院が必要です。子宮内膜ポリープ手術を受けるまでの流れは以下のとおりです。

  1. 初診を受ける
  2. 検査を受ける
  3. 疑問や不安を相談する
  4. 手術を受ける

初診を受ける

子宮内膜ポリープが疑われるときは、まず初診で症状や体の状態を確認します。 初診時の流れは次のとおりです。

  1. 不正性器出血などの症状について問診を受ける
  2. 必要に応じて基本的な検査を行い、子宮内膜の状態を把握する
  3. 服用中の薬や過去の手術歴を医師に伝える
  4. 月経周期を考慮し、今後の検査や手術日程を調整する

初診では、治療の方向性を決めるための重要な一歩です。 服薬歴や既往歴は検査・治療方針の判断に関わるため、正確に伝えることが大切です。

検査を受ける

検査では、子宮内膜ポリープ以外の病気が隠れていないかを確認し、安全に治療を進められるかを判断します。代表的なのは子宮鏡検査で、ポリープの大きさや位置を詳しく観察し、悪性腫瘍や子宮筋腫との区別を行います。必要に応じてMRI検査でさらに詳細な情報を得ることもあります。

手術を予定する場合には、以下のような全身の状態を確認する検査も欠かせません。

  • 採血による血液データの確認
  • 心電図で心臓の働きをチェック
  • レントゲンで呼吸機能を調べる

麻酔や手術が安全に行えるかを判断するための準備が進められます。検査を通してリスクを把握し、より安心して治療に臨むことができます。

疑問や不安を相談する

子宮内膜ポリープの手術は比較的安全で日帰りも可能ですが、リスクが全くないわけではありません。安心して手術日を迎えるために、疑問点や不安を事前に医師へ相談して解消しておくことが大切です。説明を一人で聞くのが不安な場合は、ご家族やパートナーに同席してもらうのも安心につながります。

なお、手術を受ける際には手術同意書への署名が必要です。

手術を受ける

手術日当日に病院へいきます。麻酔を使うため、当日はご自身での運転を控えていただく場合があります。基本的に日帰り可能な手術ですが、ポリープのサイズが大きかったり、遠くから通院して当日帰宅が困難だったりした場合などは、入院する必要があります。

手術前日や当日の朝は食事制限や薬の制限などありますが、それ以外に特別用意することはありません。手術前に子宮の入口を拡げる処置を行い、ご自身の足で歩いて手術室に入ります。ポリープの大きさや数によりますが、手術は10〜40分程度で終了します。

術後の経過

術後の経過と注意点について、以下の3つを解説します。

  • 術後の回復期間
  • 術後に気をつけること
  • いつから日常生活に戻れるか

術後の回復期間

多くの場合、手術翌日には通常の日常生活に戻ることができます。完全な回復には個人差があり、1〜2週間程度かかることもあります。軽い出血は術後数日〜1週間程度続くことがありますが、徐々に減少していきます。月経周期は手術後1〜2か月で正常に戻ることが多く、その後は症状の改善を実感される方が多いです。

定期的な経過観察を受けながら、回復状況を確認していきます。

術後に気をつけること

術後は感染を予防するため、清潔を保つことが重要です。処方された薬は指示通りに服用し、異常な症状があれば医師に相談してください。重い物を持つことや激しい運動は、医師の許可が出るまで避けましょう。性生活についても、医師の指示に従って再開時期を決めることが大切です。

定期的な検診を受けて、再発がないかを確認することも重要です。

いつから日常生活に戻れるか

デスクワーク中心の仕事であれば、多くの場合は翌日から復帰可能です。立ち仕事や重労働の場合は、1週間程度の休養が必要な場合もあります。家事については、軽いものから徐々に始め、重い物を持つ作業は1〜2週間程度控えてください。

運動については、ウォーキングなどの軽い運動は1週間後から、本格的なスポーツは医師の許可を得てから再開することをおすすめします。

子宮内膜ポリープの手術費用は保険適用の対象

子宮内膜ポリープの手術費用は公的保険が使えるので、ご自身の負担割合に応じた金額がかかります。日帰り手術の場合は3割負担で2〜4万円程度です。初診料や検査費用、処方薬代などが別途かかります。入院が必要になった場合は、入院日数や病室の種類によって費用が大きく変わるため注意が必要です。

費用面で不安がある方は、事前に医療機関へ相談し、概算を確認しておくと安心です。

子宮内膜ポリープ手術のよくある質問

子宮内膜ポリープ手術に関するよくある質問として、以下の3つを解説します。

  • 手術は痛い?
  • 妊娠への影響はある?
  • 再発することはある?

手術は痛い?

手術中は麻酔を使用するため、痛みを感じることはありません。局所麻酔や全身麻酔など、患者さんの状態に応じて適切な麻酔方法を選択します。術後は軽い痛みや違和感を覚えることがありますが、我慢できない程の強い痛みはまれです。必要に応じて鎮痛剤を処方しますので、痛みがある場合は、医師に相談してください。

妊娠への影響はある?

適切に行われた手術であれば、将来の妊娠に悪影響を与えることはほとんどありません。不妊の原因となっているポリープを除去することで、妊娠の可能性が高まることが期待できます。手術後の月経周期が安定してから妊娠を計画することをおすすめします。

妊娠を希望される場合は、手術前に医師とよく相談し、適切なタイミングで治療を受けることが大切です。なお、不妊にはさまざまな原因があり、女性側だけでなく男性側に要因があるケースもあります。以下の記事では、不妊症の主な原因や男女別の割合について詳しく解説しています。
>>不妊症の原因について!女性のみならず男性不妊や男女比も合わせて解説

再発することはある?

子宮内膜ポリープは、まれに再発することがあります。適切に除去された場合の再発率は比較的低いとされています。再発を完全に防ぐ方法はありませんが、定期的な検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能です。ホルモンバランスの変化や生活習慣も再発に関係することがあるため、健康的な生活を心がけることも大切です。

まとめ

子宮内膜ポリープは特に治療せず経過観察することもありますが、不正性器出血や不妊の原因になり、特に不妊治療中の方は手術などで治療したほうが良い場合もあります。子宮内膜ポリープと過去に指摘されて放置している方や、子宮内膜ポリープかもしれないという不安がある方は、一度専門の産婦人科へ相談しましょう。

また、相模原市淵野辺駅近くにある当院は最先端の子宮鏡を用いて、神奈川県でいち早く日帰りでの子宮内膜ポリープ手術ができるようになりました。関東近郊でお困りの方はぜひご相談にいらしてください。

参考文献

S Oguz, A Sargin, S Kelekci, H Aytan, O L Tapisiz, L Mollamahmutoglu.The role of hormone replacement therapy in endometrial polyp formation.Maturitas,2005,50,3,p.231-236

AIボット
診療予約