
妊活中の子宮頸がん検診は受けられる?最適なタイミングと注意点
公開日:2025.07.24更新日:2025.10.28
妊活を始めると、些細なことにも敏感になり「子宮頸がん検診は受けてもいいのかな?」と不安に思うことがあります。子宮頸がん検診は、安心して妊娠・出産を迎えるために、欠かすことのできない準備の一つです。
子宮頸がんは初期症状がほとんどなく、国が20歳以上の女性に2年に1回の受診を推奨するほど、誰にでも起こりうる病気です。もし妊娠後に病気が見つかると、心身ともに大きな負担がかかる可能性があります。安心してマタニティライフを送るためにも、妊娠前にご自身の体をチェックしておくことが重要です。
この記事では、妊活中の子宮頸がん検診に最適なタイミングや注意点について解説します。「要精密検査」となった場合の対応についても、不安に寄り添いながら説明していきます。
神奈川県相模原市、淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックは、子宮の悩みに強みを持つ婦人科クリニックです。生理不順やPMSなどの女性特有のお悩みはもちろん、男性不妊の検査・治療にも対応し、ご夫婦のお悩みを専門医が丁寧にサポートします。
また、当院は橋本駅の長谷川レディースクリニックと密に連携し、婦人科・不妊治療を提供しています。2つの施設間で検査結果や治療方針を共有することで、よりスムーズな治療体制を整えています。体外受精をご検討の方にも、きめ細かな診療と迅速な対応をご提供していますので、お悩みの方は当院へご相談ください。
妊活中でも子宮頸がん検診は基本的に受けられる
妊活中でも子宮頸がん検診は、受けることが可能です。子宮頸がん検診は、妊娠を考えるすべての女性に受けてほしい大切な検査です。子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどなく、自分では気づきにくい病気の一つです。
妊娠前に「前がん病変」という、がんの一歩手前の状態が見つかった場合、治療により妊娠や出産への影響を最小限にできる可能性があります。「前がん病変」の状態では、本格的ながんになる前に治療を始めることができるからです。
妊娠してから病気が見つかると、お母さんと赤ちゃんの両方を考えながら治療を進める必要があります。妊娠後の病気治療は、心身ともに大きな負担がかかる可能性があります。安心して妊活を進め、未来の赤ちゃんを迎えるためにも、まずはご自身の体のチェックから始めましょう。
子宮頸がんの早期発見には定期的な検診が重要です。以下の記事では、年齢別に適した検診の頻度やスケジュールについて詳しく解説しています。
>>子宮頸がん検診はどのくらいの頻度で受けるべき?推奨される間隔と年齢
妊活を始める前に知っておきたい子宮頸がん検診の3つの基本
妊活を始める前に知っておきたい子宮頸がん検診の基本について、以下の3つを解説します。
- 定期的な検診を受ける
- 検査内容を確認しておく
- 妊娠への影響を確認する
定期的な検診を受ける
子宮頸がん検診を定期的に受けることは、ご自身の健康と未来の赤ちゃんを守るための第一歩です。子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどなく、症状が出てからでは病気が進行している可能性があります。子宮頸がんが進行してからの治療は、将来の妊娠や出産に影響を及ぼすこともあります。
妊活「前」の検診が大切な理由は以下のとおりです。
- 早期発見・早期治療につながる
- 安心して妊活に臨める
- 将来の選択肢を守れる
検査内容を確認しておく
子宮頸がん検診では、主に以下の2つの検査が行われます。
- 子宮頸部細胞診(しきゅうけいぶさいぼうしん)
- HPV(ヒトパピローマウイルス)検査
子宮頸部細胞診は、やわらかいブラシやヘラのような器具で、子宮の入り口(子宮頸部)の表面を優しくこすり、細胞を採る検査です。個人差はありますが、痛みはほとんどなく、検査自体は数分で終わります。採取した細胞を顕微鏡で詳しく調べ、がん細胞や、がんに変化する可能性のある異常な細胞がないかを確認します。
子宮頸がんの主な原因は「HPV」というウイルスの感染です。HPVに感染しているかどうかを調べるのがHPV検査です。検査方法は細胞診とほとんど同じで、同時に行うことができます。HPV検査で陽性(ウイルスがいる)とわかっても、すぐにがんになるわけではありません。
多くの場合、ご自身の免疫力でウイルスは自然にいなくなります。リスクを把握することで、より注意深く経過が観察できます。
妊娠への影響を確認する
検診が妊娠の妨げになることは、ほとんどありません。細胞診では子宮の入り口をブラシでこするため、ごく少量の出血がみられることがありますが、通常は1〜2日で自然に止まります。出血が、受精や着床に悪影響を及ぼす可能性は低いとされています。
検診で「要精密検査」となった場合でも「妊娠できない」という意味ではありませんので、落ち着いて次のステップに進みましょう。
妊活中に子宮頸がん検診を受ける最適なタイミング
最も検診に適した時期は「生理が終わってから排卵日が来るまでの期間」です。子宮頸がん検診に適した時期については、以下のとおりです。
- 生理中:受診を避けたい時期
- 生理終了後〜排卵日前(低温期):ベストな時期
- 排卵後〜次の生理前(高温期):できれば避けたい時期
生理中は経血が検査で採る細胞と混ざるため、正しい細胞を観察できなくなり、正確な診断が難しくなる可能性があります。生理終了後〜排卵日前は、女性ホルモンの影響で子宮内膜が薄く、子宮の入り口の状態が観察しやすくなります。
生理終了後〜排卵日前では、異常な細胞がないかをはっきりと確認でき、検査の精度が高まるタイミングです。排卵後〜次の生理前は、受精や着床が起こる可能性があるため、検査による子宮への刺激はなるべく避けましょう。不妊治療でホルモン剤(黄体ホルモン)を使っている場合は、特に医師への相談が必要です。
妊娠がわかった場合でも検診は受けられます。妊娠時の検査は、体が安定してくる妊娠12〜20週ごろが、母子ともに負担の少ない時期です。ご自身の体のリズムを把握し、適切な時期に受診しましょう。
妊活中に検診を受ける際の4つの注意点
妊活中に検診を受ける際の注意点は以下の4つです。
- 検査の内容(細胞診・HPV検査)を理解する
- 検査前後の体調管理に気をつける
- 自治体検診とブライダルチェックの違いを確認する
- 費用と受診先(産婦人科・婦人科)を比較する
検査の内容(細胞診・HPV検査)を理解する
子宮頸がんの検査は、主に以下の2種類です。
- 子宮頸部細胞診
- HPV検査
お住まいの自治体が行う検診では、主に子宮頸部細胞診が行われます。子宮頸がんの95%以上はHPVの感染が原因です。HPV検査は、がんになる原因を抱えているかわかるため、将来のリスクを知るうえで役立ちます。体の状態をチェックするために、2つの検査を同時に受けるのがおすすめです。
検査前後の体調管理に気をつける
検査の前に気をつけることは以下のとおりです。
- 生理中は避ける
- 腟の中は洗わない
- 性交渉を控える
出血が完全に止まってから、2〜3日経過後の受診が理想です。検査の約2日前からは、ビデなどを使った腟内の洗浄はやめましょう。大切な細胞まで洗い流してしまう可能性があります。検査の2〜3日前からは性交渉を控えることが望ましいです。精液や潤滑剤などが、検査結果に影響することがあります。
検査の後に気をつけることは以下のとおりです。
- 少量の出血
- 安静な生活
- 着床への影響
検査により出血がある間は、激しい運動や長時間の入浴、性交渉は避け、体を休めましょう。検診による軽い出血が、受精や着床に直接影響することは、ほとんどないと考えられています。心配な時期は無理せず、ゆったりと過ごしましょう。
出血が多い、何日も続く、お腹の痛みが強いなどの異変を感じた場合は、遠慮せずに検診を受けた医療機関に相談してください。
自治体検診とブライダルチェックの違いを確認する
自治体の子宮頸がん検診は、お住まいの市区町村が費用の一部を補助してくれる検診です。一方でブライダルチェックは、結婚や妊娠を考えている女性のための、総合的な健康診断です。自治体の検診は、20歳以上の女性が対象で、2年に1回、無料または少ない自己負担で受けることができます。自治体検診の目的や内容は以下のとおりです。
- 目的:子宮頸がんを早い段階で発見
- 主な検査内容:子宮頸部細胞診が中心
- こんな方におすすめ:費用を抑えたい方、子宮頸がんの検査のみ受けたい方
ブライダルチェックは医療機関が独自に提供しているメニューで、費用は全額自己負担です。ブライダルチェックの目的や内容は以下のとおりです。
- 目的:妊娠や出産に影響する病気がないか、幅広く確認
- 主な検査内容:子宮頸がん検診に加えて、超音波検査(子宮筋腫や卵巣のう腫)、性感染症、風疹の抗体検査などがセット
- こんな方におすすめ:妊活を機に、自分の体をトータルでチェックしておきたい方
ご自身の状況に合わせて、どちらを受けるか考えましょう。
HPVに関連する病気として子宮頸がんがあり、予防には定期的な検診も重要です。以下の記事では、子宮頸がん検診の費用や保険適用の条件、無料で受けられるケースについて詳しく解説しています。
>>子宮頸がん検診の費用はいくら?保険適用・無料になる条件も解説
費用と受診先(産婦人科・婦人科)を比較する
検診を受ける際の費用や、どこで受診するかは、事前に確認しておくと当日スムーズに進みます。費用については以下のとおりです。
- 自治体検診:無料〜数千円程度(自治体から送られてくるクーポン券などを利用)
- 自費診療:自治体検診にHPV検査を追加、ブライダルチェック受診は全額自己負担で数万円程度
- 保険適用:検診は基本的に自費(保険が使えるケースもある)
保険が使えるのは、不正出血などの症状があり受診した場合や、検診で異常が見つかり、精密検査や治療が必要になった場合です。子宮頸がん検診は、産婦人科や婦人科で受けることができます。妊活中の方は、ご自身の状況に合わせて選びましょう。受診先については以下のとおりです。
- 不妊治療クリニック
- かかりつけの産婦人科・婦人科
- 自治体指定の医療機関
不妊治療クリニックでは、不妊治療と並行して検診を受けられます。妊活の状況をよく理解したうえで相談できるのが一番のメリットです。かかりつけの産婦人科・婦人科は日頃から通っているので安心感があります。自治体検診を受ける場合は、指定されたクリニックや病院のリストから選びましょう。
「要精密検査」になった場合の対応の流れ
「要精密検査」になった場合の対応の流れは以下のとおりです。
- ステップ1:精密検査(コルポスコピー・組織診)を受ける
- ステップ2:治療の必要性を確認し、妊娠への影響を理解する
- ステップ3:妊孕性(妊娠の力)を守る治療法を医師と相談する
ステップ1:精密検査(コルポスコピー・組織診)を受ける
子宮頸がん検診は、病気の可能性を見つけ出すための「ふるい分け検査」です。検査で異常が疑われた場合は精密検査を行います。本当に治療が必要な状態なのか、どのくらい進んでいるのかを、正確に診断するために重要なステップです。主に、以下の2つの検査を組み合わせて行います。
- コルポスコピー(腟拡大鏡診:ちつかくだいきょうしん)
- 組織診(生検:せいけん)
コルポスコピーは「コルポスコープ」という拡大鏡を使って、子宮頸部をじっくりと観察する検査です。お酢のような液体を塗ると、異常がある部分は白く見えるため、どこを詳しく調べるべきか、目印をつけることができます。
組織診は、コルポスコピーで白く見えた、異常が疑われる部分から、お米の粒ほどの大きさの組織を、ほんの少しだけ採ります。採取した組織のかけらを顕微鏡で詳しく調べることで、病気の正体を突き止め、確定診断を行います。検査では、チクッとした痛みを感じることがありますが、多くは我慢できる程度の痛みです。
検査の後、数日間は下着に少し血がつくことがありますが、ほとんどの場合、自然に止まるので安心してください。出血がある間は、体をいたわり、激しい運動や長時間の入浴、性交渉は避けて、ゆったりと過ごしましょう。
ステップ2:治療の必要性を確認し、妊娠への影響を理解する
精密検査の結果が出ると、体の状態がより詳しくわかります。検査結果は、主に以下の3つの段階に分けられます。
- 異常なし(正常)
- がんの手前の状態(前がん病変・異形成:いけいせい)
- 子宮頸がん
検査結果をもとに、医師が対応を判断します。異形成と診断された場合、精密検査後の対応は以下のとおりです。
- 経過観察:ごく初期の異形成は、すぐに治療しないことが多い
- 治療:異形成が進行している場合、がんが見つかった場合は治療を行う
経過観察中は、免疫力で自然に正常な状態に戻ることも多いため、3〜6か月ごとに定期検査を受けながら様子を見ます。治療が必要になった場合、妊活は一時的に中断します。治療が将来の妊娠や出産に与える影響を医師から十分に説明を受け、納得することが重要です。
ステップ3:妊孕性(妊娠の力)を守る治療法を医師と相談する
治療が必要と診断されても、妊娠を諦める必要はありません。早期の異形成やごく初期のがんであれば、妊孕性(にんようせい:赤ちゃんを授かり、育む力)を守る治療法を選べる可能性があります。妊孕性を守る代表的な治療法が「円錐切除術(えんすいせつじょじゅつ)」です。
円錐切除術とは、子宮の入り口にある病気が疑われる部分だけを、レーザーや電気メスを使って、円錐状に切り取る手術です。子宮本体はそのまま残せるため、手術の後に妊娠し、出産も可能です。円錐切除術が将来の妊娠に与える影響は以下のとおりです。
- 妊娠しにくくなる可能性
- 早産のリスク
円錐切除術では、子宮の入り口が狭くなり、精子が通りにくくなることがあります。精子が子宮内へ進むのを助ける「頸管粘液」が減ることがあるためです。子宮の入り口が短くなるため、妊娠中に赤ちゃんを支えきれず、早産のリスクが高まる可能性もあります。
適切な治療法は、病状や年齢、妊娠への希望などを、総合的に判断して決めます。希望は医師にしっかりと伝え、納得できるまで十分に話し合い、治療の方針を決めていきましょう。場合によっては、不妊治療の専門医とがん治療の専門医が、協力してあなたをサポートしてくれる病院を選ぶことも大切です。
まとめ
子宮頸がんは初期症状がほとんどありません。妊娠を考え始めたら検診を受けることが、ご自身と未来の赤ちゃんを守るための大切な第一歩です。検診の最適な時期は、生理が終わってから排卵日までの間です。治療が必要な状態が見つかっても、早期発見であれば将来の妊娠への影響を最小限にできる可能性が高まります。
不安や疑問があれば、一人で悩まず、まずは婦人科で相談してみましょう。あなたの「赤ちゃんが欲しい」という気持ちに寄り添いながら、最適な方法を一緒に考えてくれるはずです。
以下の記事では、生理中に検診を受けることのリスクや、検査に適さないタイミング、予約時に気をつけたいポイントについて詳しく解説しています。検診を予定している方は、事前に確認しておくと安心です。
>>子宮頸がん検診は生理中でも受けていい?NGなタイミングと注意点を解説
参考文献
国立がん研究センター:子宮頸がん検診について