
子宮頸がん検診はどのくらいの頻度で受けるべき?推奨される間隔と年齢
公開日:2025.06.19更新日:2026.01.29
日本女性の約10人に1人が生涯で一度は子宮頸がんにかかるリスクがあると言われています。子宮頸がんは命に関わる可能性のある疾患のため、定期的な検診が重要です。
この記事では、適切な検診の頻度や検診を受ける際の注意点、子宮頸がんを予防するための具体的な方法を解説します。ご自身の年齢やライフスタイルに合わせた情報を得て、子宮頸がんの予防に役立ててください。
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子宮頸がん検診とは子宮頸がんを早期に発見する検査
子宮頸がん検診は、子宮の入り口にあたる子宮頸部に発生するがんを早期に発見するための検査です。子宮頸がんの主な原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です。HPVは性交渉を通じて感染し、多くの女性が一生のうちで一度は感染すると言われています。
HPVは一般的なウイルスで、感染してもほとんどの場合は自然に身体から排除されます。一部の方では持続感染が起こり、数年〜数十年かけて子宮頸がんへ進行する可能性があります。子宮頸がん検診には、細胞診とHPV検査という2種類の検査方法があります。細胞診とHPV検査の特徴は以下のとおりです。
- 細胞診:子宮頸部の細胞を採取し、顕微鏡で異常な細胞の有無を確認
- HPV検査:子宮頸部の細胞からHPVのDNAを検出し、感染の有無を確認
以下の記事では、子宮頸がん検診を受ける際に気になる「費用」や「保険適用の条件」、「無料で受けられるケース」について詳しく解説しています。受診前に知っておきたい経済的なポイントを押さえておきましょう。
>>子宮頸がん検診の費用はいくら?保険適用・無料になる条件も解説
子宮頸がん検診の推奨される頻度
日本では、厚生労働省の指針にもとづき、20歳以上の女性に対して2年に1回の検診が推奨されています。子宮頸がん検診の推奨される頻度について、以下の3つに分けて解説します。
基本的な受診間隔(2年に1回)
子宮頸がん検診は、20歳以上の女性を対象に「2年に1回」の受診が推奨されています。これは、がんの進行速度と検診の有効性を考慮した間隔とされています。
厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」にもとづき、自治体で実施される検診もこの頻度を採用しています。子宮頸がんは、正常な細胞が異形成を経てがん化するまでに数年〜10年以上かかることが多く、2年に1回の検診でも早期発見が十分可能です。
検診の基本的な受診間隔は以下のとおりです。
- 対象:20歳以上の女性
- 頻度:2年に1回
- 方法:子宮頸部細胞診(必要に応じてHPV検査を併用)
毎年受ける必要はありませんが、過度な検診は偽陽性や不要な精密検査のリスクを高める可能性があります。過去に異常があった方やリスクが高い方は、医師と相談のうえ、より短い間隔での受診を検討することも大切です。
対象年齢(20歳から)
子宮頸がん検診は、20歳になったら2年に1回受けることがすすめられています。これは、がんの原因となるウイルス(HPV)に感染してから発症までに時間がかかるため、20歳からの定期的な検診で早期発見が可能だからです。
20歳未満では、HPVに感染しても自然に治ることが多く、がんになることはまれなため、検診は必要ありません。近年は20代後半〜30代での発症が増えており、若い世代でも油断は禁物です。性交渉の経験がない人でも、将来に備えて検診の必要性について医師と相談しておくことも大切です。
経験がない場合は、医師に伝えると体に負担の少ない方法で検査が可能です。20歳になったら、まず一度検診を受け、その後は2年ごとに続ける習慣をつけましょう。
検診の終了時期
子宮頸がん検診には明確な終了年齢はありませんが、65〜70歳を目安に終了を検討することがあります。これは、長年異常がなく、定期的に検診を受けてきた場合に当てはまります。目安としては、過去10年間に3回以上連続して異常がないこと、過去20年間に高度異形成以上の異常がないことが条件とされています。
ただし、過去に異常があった方やHPV感染歴のある方、免疫力が低下している方は、年齢に関係なく検診を続けることが大切です。子宮を摘出した場合でも、頸部が残っている場合は検診が必要です。
検診をやめるかどうかは自己判断せず、医師と相談し、自分の健康状態や過去の結果を踏まえて決めるようにしましょう。
子宮頸がん検診を受ける前に知っておきたい注意点
子宮頸がん検診を受ける際の注意点は以下のとおりです。
- 検査の数日前から性行為を避ける
- 直前の洗浄は避ける
- 性病や感染症の治療中は避ける
- 生理中は避ける
- リラックスして検査を受ける
検査の数日前から性行為を避ける
正確な検査結果を得るために、2~3日前から性行為を控えることが望ましいです。検査の数日前から性行為を避ける理由は、精液が検査結果に影響を与える可能性があるためです。精液が付着していると、細胞を採取するブラシに精子が付着し、本来採取するべき子宮頸部の細胞が十分に採取できない可能性があります。
性行為によって子宮頸部に軽微な損傷が生じることがあります。子宮頸部の損傷は、一時的なもので自然に治癒しますが、検査結果に影響を与える可能性も考えられます。
以下の記事では、性行為未経験の方でも子宮頸がん検診が必要とされる理由や、受診時の注意点について詳しく解説しています。不安や疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
>>性行為未経験でも子宮頸がん検診は必要?受けるべき理由と注意点
直前の腟洗浄は避ける
検査当日の朝と前日は、腟洗浄は控えましょう。腟洗浄は、腟内環境を変化させ、検査結果に影響を与える可能性があります。子宮頸部の細胞は、腟内に存在する分泌物とともに採取されます。
腟洗浄により分泌物や細胞が洗い流され、適切な細胞が採取できなかったり、評価が難しくなったりする可能性があります。自然な状態で検査することが、正確な診断につながります。
性病や感染症の治療中は避ける
性感染症(STI)やその他の感染症を指摘されている場合は、治療が完了したあとに検査を受けることが推奨されます。性感染症などの治療中は、炎症性の細胞が多く採取され、がん細胞や前がん病変の発見が難しくなる可能性があります。治療薬の影響で細胞診の結果が変化することも考えられます。
性感染症の中には、クラミジア感染症のように自覚症状がない場合もあります。感染が疑われる場合は、事前に医師へ相談しましょう。治療が完了してから子宮頸がん検診を受けることで、より正確な診断が可能となります。
生理中は避ける
生理中は、経血が検査結果に影響を与えるため、子宮頸がん検診を受けることは避けましょう。経血に含まれる血液細胞や子宮内膜の細胞が混入することで、子宮頸部の細胞の評価が困難になります。月経終了後2〜7日目頃が検査に適した時期です。予約時に生理の周期を考慮し、検査日が生理と重ならないように調整しましょう。
以下の記事では、生理中に検診を受けることのリスクや、検査に適さないタイミング、予約時に気をつけたいポイントについて詳しく解説しています。検診を予定している方は、事前に確認しておくと安心です。
>>子宮頸がん検診は生理中でも受けていい?NGなタイミングと注意点を解説
リラックスして検査を受ける
リラックスした状態で検査を受けることは、検査をスムーズに進めるうえで重要です。子宮頸がん検診は、内診台を使って行われるため、緊張したり不安を感じたりする方もいます。過度に緊張すると筋肉が収縮し、検査がしづらくなるだけでなく、痛みを感じやすくなる場合もあります。
子宮頸がん検診の検査自体は、通常数分で終了します。検査を受ける際に不安な点や疑問点があれば、医師に質問しましょう。深呼吸をしてリラックスし、医師や看護師の指示に従って検査を受けてください。
子宮頸がんを予防する5つの方法
子宮頸がんを予防するための5つの方法を解説します。
- コンドームを正しく使用する
- HPVワクチンを接種する
- 生活習慣を見直す
- 禁煙する
- 定期的に婦人科を受診する
コンドームを正しく使用する
コンドームは、性行為の最初から最後まで、毎回必ず使用することが重要です。コンドームは避妊具として広く知られていますが、性感染症の予防にも効果が期待できます。子宮頸がんの主な原因であるHPVも性感染症の一つであるため、コンドームの使用は、HPVへの感染リスクの低減につながります。
途中で着脱したり、破損したりした場合は、感染リスクが高まります。使用期限が過ぎたコンドームは劣化している可能性があるため、使用期限内のものを使用しましょう。使用方法をよく読んで、正しく装着してください。爪などでコンドームを傷つけないように注意することも大切です。
HPVワクチンを接種する
HPVワクチンは、定期接種の対象となる小学6年生~高校1年生の間で接種することが推奨されます。HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となる特定のHPV型の感染リスクを軽減するワクチンです。
日本では、定期接種の対象であれば公費で接種できます。定期接種期間を過ぎた場合でも、自費で接種が可能です。ワクチン接種後も、定期的な子宮頸がん検診を受けることが重要です。HPVワクチン接種と子宮頸がん検診を組み合わせることで、子宮頸がんの予防効果を高めることができます。
生活習慣を見直す
バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、身体の抵抗力を高め、HPV感染への防御力を高めることが期待できます。生活習慣の見直しについては以下のとおりです。
- バランスの良い食事:野菜や果物、たんぱく質、炭水化物などをバランス良く摂取する
- 適度な運動:血行促進や免疫力向上のためにウォーキングやジョギングなどを習慣化する
- 十分な睡眠:毎日同じ時間に寝起きし、質の良い睡眠を確保する
禁煙する
禁煙は身体の免疫機能を回復し、HPV感染への抵抗力を高めることが期待できます。タバコに含まれる有害物質は、免疫機能を低下させ、HPVに感染しやすくするだけでなく、感染後の発がんリスクを高める可能性もあります。禁煙は、子宮頸がんだけでなく、多くの病気の予防に効果が期待されます。
定期的に婦人科を受診する
20歳以降は、自覚症状がなくても、定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。子宮頸がんは、初期にはほとんど自覚症状がないため、定期的な検診が重要です。検診を受けることで、がんになる前の段階で病変を発見し、適切な治療を受けることができます。子宮頸がんの早期発見・早期治療によって、良好な治療成績が期待できます。
検診の頻度は年齢や過去の検診結果によって異なるため、医師と相談して適切なスケジュールを決めましょう。自治体によっては、子宮頸がん検診の助成制度もあります。検診を定期的に受けることで、子宮頸がんによる死亡リスクの軽減が期待されるという研究結果もあります。
子宮頸がん検診に関するよくある質問
子宮頸がん検診についてよくある質問は以下のとおりです。
- 子宮頸がん検診は何歳から受けるべき?
- 2年に1回より頻度を高める必要はある?
- 検査は痛い?
子宮頸がん検診は何歳から受けるべき?
子宮頸がん検診は、20歳になったら受けることが推奨されています。厚生労働省の指針では、20歳以上の女性を対象に2年に1回の検診がすすめられています。性交渉の経験がなくても、将来の健康管理のために受けておくと安心です。経験がないことを医師に伝えると体に負担の少ない方法で検査してもらえます。
20歳未満では、HPV感染が自然に治ることが多く、がんになることはまれなため検診は推奨されていません。20代からでも発症する可能性があるため、早めの検診と継続的な受診が大切です。
なお、子宮に関する疾患は子宮頸がんだけでなく、女性ホルモンの影響を受けて発症するものもあります。なかでも「子宮筋腫」は多くの女性が抱える良性腫瘍であり、ホルモンバランスや生活習慣との関係が指摘されています。以下の記事では、子宮筋腫の原因やピル・性行為との関連について詳しく解説しています。
>>子宮筋腫の原因は女性ホルモンの変化?ピルや性行為との関係についてもわかりやすく解説
2年に1回より頻度を高める必要はある?
基本的には2年に1回の子宮頸がん検診で十分ですが、体調や過去の結果によっては、より短い間隔での受診が必要な場合もあります。厚生労働省の指針でも、20歳以上の女性には2年に1回の検診が推奨されています。
過度に頻繁な検査は、偽陽性や不要な精密検査のリスクを高める可能性があります。以下のような場合は、より頻繁な検診が必要とされます。
- 過去の検診で異常(軽度〜中等度異形成など)が見つかった場合
- HPV陽性と診断され、特に高リスク型が持続感染している場合
- 免疫力が低下している(HIV感染、免疫抑制剤の使用、臓器移植後など)の場合
- 不正出血やおりものの異常など、症状がある場合
これらに該当する場合は、半年〜1年ごとの検診が目安になります。特別な事情がなければ、2年に1回の定期検診を欠かさず受けましょう。
検診の結果によっては、さらに詳しい検査が必要になる場合もあります。その1つが「子宮鏡検査」であり、子宮内部の状態を直接観察できる重要な検査方法です。以下の記事では、子宮鏡検査の実施時期や内容、痛みの有無、費用について詳しく解説しています。
>>子宮鏡検査とは?受けるタイミングは?検査の流れや費用、痛みを徹底解説
検査は痛い?
子宮頸がん検診は、ほとんどの場合強い痛みはありません。膣鏡挿入時の圧迫感、細胞を採取する際の軽いこすられる感覚やチクッとした刺激があるものの、採取作業は数秒で終わります。そのため、痛みが強くなることはまれです。
痛みの感じ方は個人差があり、特に緊張していると痛みを強く感じやすくなります。リラックスして深呼吸をすることで痛みを軽減できることが知られています。初めて検査を受ける方や痛みに敏感な方は、事前に医師や検査技師に伝えておくと、声掛けやゆっくりとした進行、リラックスできるサポートを受けられ安心です。
まとめ
子宮頸がんは、定期的な検診によって予防と早期発見ができる数少ないがんの一つです。厚生労働省の指針では、20歳以上の女性は2年に1回の検診が推奨されています。検査方法には「細胞診」と「HPV検査」があり、年齢やリスクに応じて医師が適切な方法を選びます。
検査を受ける際は、生理期間を避けるなどの注意点を守ることで、より正確な結果が得られます。また、HPVワクチンの接種や生活習慣の見直しも、子宮頸がんの予防に役立ちます。定期的な検診と予防行動を続けることが、将来の健康を守る方法です。
なお、子宮頸がん検診で「異常が見つかった」と言われた場合でも、すぐにがんが確定するわけではありません。再検査や精密検査が必要となるケースが多くあります。以下の記事では、検診で異常が見つかった場合の主な原因や、精密検査の種類、事前に知っておきたい対策について詳しく解説しています。
>>子宮頸がん検診でひっかかる原因とは?精密検査の方法や対策を解説

参考文献
- Diane M Harper, José A Navarro-Alonso, F Xavier Bosch, Jorma Paavonen, Margaret Stanley, Peter Sasieni, María Yébenes, Néstor Martínez-Martínez, Ángela Rodriguez, Andrea García, Laura Martín-Gomez, Laura Vallejo-Aparicio, Helena Carrión, Yara Ruiz García. Impact of human papillomavirus vaccines in the reduction of infection, precursor lesions, and cervical cancer: A systematic literature review. Human Vaccines & Immunotherapeutics, 2025, 21, 1, p.2497608
- 厚生労働省:「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」