ソフィアレディスクリニック

質問:精子の運動率を上げるにはどうすればよいですか?【39歳 女性からの相談】

公開日:2024.02.27
更新日:2024.05.10

ご相談内容:
主人の精子の運動率が一桁のときもあるくらい低いことが課題で、できることはなんでもしたいのですが、精子の運動率を上げるにはどうしたらよいですか?

1年ほど前から不妊治療を始めて、人工受精は3度試しましたがうまくいかなかったため次回は顕微受精をする予定です。私自身も高プロラクチン血症とのことで薬は服用しています。

答え:まず運動率低下の原因を調べましょう

実は不妊症カップル全体の40%は、男性に原因がある男性不妊と言われています。また、そのうちの25%は男女双方に原因があるとされています。

そのため主治医か泌尿器不妊専門医に相談し、精子の運動量が低い精子無力症の原因を調べて、その原因に合った対応をしましょう。精子無力症でも原因によっては治療が効果的なケースがあります。

特に尿路感染の有無とホルモン値の測定は重要ですので、調べてもらうようにしましょう。

男性不妊の対応や原因について

男性不妊の原因で特に多いのは、精子濃度が低い乏精子症と、精子運動率が低下している本例のような精子無力症です。WHOの基準値では、精子濃度は2000万/ml以上かつ精子運動率50%以上を正常としていますが、それを下回る場合に男性不妊の原因となりえるのです。

精液検査で問題が発生する原因のうち、90%は睾丸で精子が上手く作られない精子形成不全です。

その根本原因は特発性という原因不明の症例が半分を占めています。原因がはっきりしない方には、漢方薬・循環改善薬・ビタミン剤などが経験的に使われていますが、その効果は約20%と期待値が低いです。

治療を困難に感じる場合は、早めに人工授精から体外受精、顕微授精へとステップアップも考慮すべきでしょう。

また、男性不妊の原因として特定される症例には以下のようなものがあります。

  • 精巣静脈瘤(睾丸の表面につたが這うように静脈が浮き出ている状態)
  • 精子輸送路の異常
  • 性機能障害(ED)
  • ホルモン的異常
  • 性染色体異常(XXY症候群)
  • 耳下腺炎に併発した精巣炎
  • 体内に睾丸が残った停留睾丸

前立腺炎や尿道炎、副睾丸炎などの細菌による感染症での精子機能低下症や運動能の低下症例には、抗菌剤投与が有効です。

最近では、保険診療に認められる範囲が広がったり、公費での補助金が認められることが増えたりしているため患者さんにとっては治療を受けやすくなっています。内分泌的原因の下垂体ホルモン分泌不全である低ゴナドトロピン性の性腺機能低下症に対して、FSHの自己注射による治療は保険診療に認められるようになりました。

いずれにしても、きちんとした男性不妊の原因究明が早めの妊娠成立に結び着きますので、ご夫婦での同時並行的検査治療をお勧めいたします。

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