生理周期の異常と不妊症は関係ありますか?(26歳・女性)

公開日:2024.03.21
更新日:2024.03.21

基礎体温をつけていますがグラフはガタガタでとても2層式になっているとは思えません。また生理が不順でも3か月に1回初来していたら不妊症とは関係ないと言うのですが本当にそうなのでしょうか? 最後に生理が初来して以降生理がなくずっと低温層のままで今日で50日を超えました。近いうちに産婦人科を受診したいと考えているのですが良い産婦人科医の見分け方がありましたら是非アドバイスをお願い致します。

排卵障害は女性の不妊原因の最大の因子です。早めに専門医と相談を。 文章から推測するとおそらく相談者の方は、無排卵症と推測されます。

無排卵とは卵巣より成熟した卵が出ない状態なので、性成熟期の女性にとっては異常な事態と考えられます。 特に多くの患者さんが誤解しているのは、生理があれば自分は排卵があると信じている方が少なくない事で、本質的にはこれは正しいとは言えません。 すなわち生理が止まれば全例妊娠ではないのと同様に、生理があっても排卵がその前に必ずあったとは限りません(無排卵性月経)。 妊娠の前提としては、女性側から成熟卵の排出(排卵現象)があり、男性側に正常な精子が存在し、かつ両者が出会う事(受精現象)が妊娠成立の第1歩の条件となります。 したがって排卵がなかったり、良質卵(受精可能な成熟卵)がでなかったり、周期により排卵があったり無かったり(散発製無排卵症)すると当然妊娠する事が難しく、不妊症になります。 このような排卵障害にも軽いものから、第2度無月経といわれる、重症な例まであり、治療や検査は少しずつ異なりますので専門医の診断や排卵刺激薬などの治療が必要となります。 現在基礎体温をとっていて、2相性(高温と低音がしっかりある事)が無く、高温部が10日未満の短い場合は、卵巣機能不全や、黄体機能不全の可能性があるので、受診する時には必ず基礎体温表を持参してください。 また不妊症を取り扱う生殖医療の分野は進歩もきわめて早く、産婦人科の中でも専門性の高い医療ですので、産婦人科の標榜医が必ずしも全員不妊診療を得意とするところではない可能性があります。 数年前から日本生殖医学会(旧日本不妊学会)がかなり厳しい条件で指導医・専門医を認定しています。 学会のホームページからも探す事が出来ますので、受診に不安がある場合は近くの生殖医療専門医を探されたらいかがでしょうか。