ソフィアレディスクリニック

ずっと避妊していませんが(35歳・女性)

公開日:2024.03.21
更新日:2024.03.21

子供が欲しいので、今まで避妊はほぼありませんでした。 生理不順で調べてもらったところ多嚢胞卵巣だと言われました。 排卵の跡はあると言っていましたが、まず様子を見ようと言われました。 妊娠できるのですか?

すでに治療を要する不妊症の範囲に入っています。早めの検査治療を受ける事をお勧めします。

不妊症の患者さんが妊娠できるかどうかの確率は治療開始時の女性の年齢と不妊の原因にかかっているといえます。 自然妊娠を期待して待機療法をしている患者さんの気持ちはよくわかりますが、過去の経験から自然妊娠できる期待率は次のように考えられています。 避妊をせずに夫婦生活をしていると65%は6ヶ月以内に妊娠。 80%が1年以内の妊娠で2年までには90%の方が妊娠に成功することが統計的に知られています。 すなわち妊娠しない残りの10%が不妊症と言う事になります。 このため不妊治療医の専門学会である日本生殖医学会では、挙児希望があり2年間の間で妊娠成立しない時には不妊症と診断するように定義をしています。 しかも7年間を過ぎた場合には妊娠期待率は確立上は0%となります。 したがって11年間できなかったときには、治療のステップアップを急がなければ成りません。 不妊原因には排卵障害、卵管因子、子宮因子、頚管因子、男性因子、免疫因子、性交障害などがありますが原因不明の場合も8~10%あるので早めに検査を受けて、どのような治療が最適か決めたほうがよいでしょう。 多嚢胞性卵巣(PCO)と診断されていますので、排卵に原因がある可能性がありますがそれ以外の原因も重複している事もあり、いずれにしても系統的な検査を早く受け原因を確定し、それにそった最適な治療法を選択する事がベストです。 PCOの場合には必ずしも無排卵が持続しているとは限らないのですが、インスリン抵抗性といって背景に前糖尿病的体質(家族に糖尿病患者がいる場合は特に要注意)を有している事が少なくありません。 これに肥満や多毛などの男性化兆候が合併している事もあり、排卵刺激剤に対しても卵巣過剰刺激症候群を起こしやすいこと、また時にはプロラクチンが高くて、薬物療法でこれを低下させないと卵質が向上しない場合などもあり、専門的な知識や治療経験が必要なので不妊内分泌を専門とする施設や医師の診察を受ける事をお勧めします。 いずれにしてもこのままタイミングで時間をすごしても妊娠できる可能性はだんだん遠くなります。思い切って積極的な治療に向かう時期が来ていると思います。