卵胞の発育について(37歳・女性)

公開日:2024.03.21
更新日:2024.03.21

私は現在二人目を授かりたくて、不妊治療に半年以上通っています。 病院での診断は排卵障害との事で、クロミッドと卵胞の発育が悪い時はフォリルモンPという注射をしてもらっています。 でもここ最近は卵胞の発育が悪く、排卵させるまでに至っていません。 このままの治療法でいいものか不安です。どうか教えてくださいお願いします。

排卵障害の原因にもいろいろあります。まず原因検索を行ってそれに沿った治療を行いましょう。

子供を一人は授かっているのでこの時には自然で妊娠できたのでしょうか?このときにも何らかの治療を受けていたら、その時の経過をもういちど記録を確認しましょう。 治療を受けていないとしたら、分娩を契機にその後に排卵障害は起こったのでしょうか。 これらの既往歴は今回の治療に大きな情報を与えてくれますので検討してみてください。 まずなぜ排卵が起こらないのかその原因を考えてみましょう。 排卵は卵巣からされるのですが、それを調節するシステムが成熟女性にはあります。 これを間脳―下垂体―卵巣―子宮の連携システムと呼び一連の機能が適切に作用しなければなりません。 この機能系のどこかに異常があれば無排卵や無月経となります。 元々卵巣の発育過程で機能できなくなった場合を原発性と呼び思春期以降まったく排卵も月経も発来しません。 質問のようにある時期より無排卵・無月経になった場合は続発性といい、間脳―下垂体の障害が多く、この部位は脳組織に含まれるので中枢性とひとまとめで呼ばれます、排卵障害の原因はこの中枢性が最も頻度が高いことが知られています。 間脳は卵巣や、脳機能の上位の部位から種々の情報を受けて排卵させるための指示するホルモン(LH-RH)を下垂体に向かって出します。 これを受けて下垂体からは卵巣へ、卵を成熟させる卵胞刺激ホルモン(FSH)と排卵の引き金となるホルモン(LH)を分泌します。 この部分に障害がある場合には原則としてまずクロミッドなどの中枢に作用する薬剤が使用されます。 さらに卵巣機能がより強く障害されている場合には卵巣に直接作用するフォリルモンPのような注射のHMG製剤が使用されます。 したがって今までこのHMGで排卵していたのに反応が悪くなった場合にはその使用量、期間などを増やせば対処できる可能性が高いといえます。 ほかにも最近ではリコンビナントFSHという純度が高く、力価の安定した注射薬も健康保険で使用可能となっています。 排卵誘発剤の効果が落ちる時には特別な高プロラクチン血症や多のう胞性卵巣症候群(PCOS)も考えられますので生殖内分泌専門医と相談する必要があります。