ソフィアレディスクリニック

精子のタネ(34歳・女性)

公開日:2024.03.21
更新日:2024.03.21

彼氏は今34歳なのですが、18歳頃に高熱が出たらしくて、その時にタネが少ないか?ないかもしれないと言われたそうです。 ちゃんとした検査はしてないから、どうなのかわからないのですが、この先、妊娠するのは難しいのでしょうか?

まず泌尿器科や不妊専門クリニックで無精子症のきちんとした原因検査を受けるべきです。現在では精子が精液中に無くても妊娠可能な場合があります。 精液中に精子が存在するか否かは不妊カップルの治療を考える時には最大の要因の一つです。

存在しない場合には無精子症といわれますが、原因として 精巣での精子形成が上手くゆかない例(非閉塞性無精子症) と 精子の通過路(精路)の閉塞による閉塞性無精子症 に分けられます。 18歳ごろに発熱しそのあとに無精子症が発現したということなら、原因は①の精子形成障害である可能性があります。 この病気のきっかけは男性性器の炎症(睾丸炎)であると考えられます。 ほとんどは「おたふくかぜ」(流行性耳下腺炎)によるもので耳下腺炎発症後に3~4日で高熱とともに片側または両側の睾丸がはれてきて、発赤と痛みが出現します。 日本では3~6歳での罹患が多いのですが成人の感染もまれではありません。 睾丸炎を併発すると39~40℃の高熱と睾丸の腫脹、疼痛が現れます。 大人だけではなく10歳以上の男児であればこの睾丸炎を併発ことがあります。 併発の頻度も15~30%とかなり高率に見られます。 片側のことが多く両側睾丸に来た場合に精子製造能力を失うことがありますがその頻度は2%ぐらいとそれほど多くはありません。 予防は可能で生後12カ月過ぎたら「おたふくかぜワクチン」を摂種することである程度の予防が可能ですが、感染後のワクチンは治療効果はありません。 またワクチンをしていてもある期間たつと自然感染してしまうこともあります。 しかし一度感染して無精子症になっても症状回復とともに、数カ月で再度精子の出現をみる例も最近経験しましたので一生回復不可能とあきらめる前によく医師と相談してください。 また睾丸炎とよく似た症状で精巣上体炎があります。 多くは一般細菌、クラミジア、淋菌が尿路より睾丸方面に向かって侵入し発症しますが、まれに結核性の事もあり、進行すると症状は睾丸炎と見分けがつかなくなることもあります、この場合には両側の感染が起こると、②の精路閉塞になり睾丸は精子製造能力があるのに精液中に精子を認めない無精子症として不妊症になることがあります。 いずれにしても現在では①でも②でもMD-TESE(顕微鏡下精巣精子採取術)と言って直接睾丸より少数の精子を回収して顕微授精にて受精卵を作成し、子宮に戻して妊娠させる方法もあり、生殖医療専門医の診察、相談で妊娠の可能性がありますので希望を持ちましょう。

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