ソフィアレディスクリニック

体重と生理の量と妊娠(32歳・女性)

公開日:2024.03.21
更新日:2024.03.21

2歳の娘がいます。2人目がなかなか出来ず、婦人科に通っています。 血液検査をした所、排卵をしていないそうです。 1人目の時、62キロで妊娠をし、現在69キロまで体重が増えています。 生理は1週間前後のばらつきはありますが毎月あります。 後、妊娠前や産後の生理と比べて量も少なくなった感じがあります、体重もそうですが量も妊娠に関係があるものですか?

体重と卵巣機能は密接な関係があります。適性体重へ戻す努力とともに排卵の有無、特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の有無について医師と相談が必要です。

妊娠が成立して出産・その後の育児までを円滑に行うには多くのエネルギーが必要です。 そのため生殖機能を上手く発現させるためには体に適度なエネルギーの蓄積が必要です。 実際に過度の体重減少で生殖機能がおかされることは体重減少性無月経や思春期やせ症を見ても明らかです。 一方肥満は逆に過度のエネルギー蓄積状況であり月経異常や排卵障害などの生殖機能障害の原因となります。 この原因としては脂肪細胞からレプチンという生殖機能を調節する物質が分泌されることが最近判明してきており、脂肪は単なる油の塊ではなく、重要な卵巣機能を調節する物質の分泌器官であることが判明しています。 人でもこのレプチンが足りなかったり、効きが悪く調節効果の少ない患者さんは極度の肥満を呈するだけではなく、卵巣調節ホルモンであるFSH、LH分泌が低値となることから、レプチンは間脳下垂体卵巣系を介し、または卵巣を直接刺激している事が判明しています。 肥満女性の約半数には排卵障害や、無月経が見られますが逆にこれらの症状は肥満の治療(レプチンの正常化)が上手くゆくと回復することが知られています。 肥満が引き起こす代表的な排卵障害がPCOS【多嚢胞性卵巣症候群】です。 PCOS患者の特徴は、排卵が無く、肥満があり、時に多毛症などの男性化兆候が見られ、ホルモン的にはFSHは正常で、LHが高くなり男性ホルモン(テストステロン)も高値で、超音波上の卵巣形態がネックレス状の多嚢胞を示すことで診断されます。 さらに半数ぐらいの例ではインスリン値が高く、〔インスリン抵抗性といいます〕肥満不妊女性では特徴的にみられる現象です。 これも脂肪におけるレプチンの異常値によって説明できます。 肥満が卵を育てるFSHの働きを抑制している可能性が大きいことでも、不妊症特に排卵障害のある患者さんは体重を適正に保つ必要があります。 生理の量が少ないのは無排卵性月経に伴う現象と考えられますので、肥満解消とともに正常化する可能性があります。