子宮内膜症により不妊症と診断される(35歳・女性)

公開日:2024.03.21
更新日:2024.03.21

体外受精に挑戦したが変性により失敗。この先妊娠する可能性がありますか? 35歳までがギリギリのラインだと医師に言われました。

妊娠できる可能性は大です。 子宮内膜症は不妊症と合併する事が少なくない事が知られています。

不妊患者のうち20~30%は子宮内膜症を有しています。 この病気の原因はいまだ不明ですが近年増加しており、西欧化している女性の生活パターンが関与しているとも考えられています。 子宮内膜症と診断されてから、一般不妊治療をした場合に2年以上経過した時には、体外受精などの特殊不妊治療であるARTの適応地なると一般的には考えられています。 まず子宮内膜症と診断された時には、その重症度が重要です。医学的にはⅠ~Ⅳ期までのステージがありますので、自分がどのステージにあるのかをよく確認しましょう。ステージⅢ以上の重症例となった場合は不妊治療に先立ち子宮内膜症の治療を優先したほうがよい場合もあり、これは主治医とよく相談してください。 その際将来の妊娠希望を考えると、できるだけ積極的な根治的な外科手術療法は避け、腹腔鏡や薬物療法などの保存的な治療法を優先したほうがよいでしょう。 また最近ではホルモン療法を始め新しい内膜症の治療法も増加しており、手術療法の可否に関しても不妊専門医と手術を行う婦人医とは、意見が異なる事もありますので十分な意見交換の検討が必要です。 体外受精を行う場合で子宮内膜症が存在すると問題となるのは一般的に受精障害(卵と精子が受精できない)が起こりやすいことと、採卵数が少な目となる(内膜症組織が卵胞の発育を抑制するため)ことです。 しかし内膜症のために受精卵が変性する事は直接関係ありませんので、卵を育てる刺激法を工夫してもらうなどの選択により十分に対応が可能でしょう。 年齢との関係は私たちの経験でもARTでの妊娠成功率は年齢と逆比例しているますので、30台前半までが有利なのは確かですが、現在では40歳代でも妊娠は可能ですので、まだまだ貴女の年齢からはARTによれば妊娠の可能性はあると考えられます。