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不妊の保険治療が始まりました。問題点は?(2022.05.14更新)

2022年4月1日より従来自費診療であった不妊治療(タイミング療法・人工授精(AIH),体外受精・顕微授精の4方法)に対する保険治療が開始しました。これから少しずつ不備な点は改善されてゆくと思いますが現場は短い時間で対応しなければならない為まだ連日手探り状態が続いております。従来不妊患者さんの一番の不安点である金銭問題がある程度解決に向かう切っ掛けとなれば福音として評価されると思います。ただ対応している現場の医師より見ると、今回の保険化に欠けていると思えるポイントがいくつかありその点は早急に改善されるべきと思います。まず初診時に現状をしっかり把握するための「卵巣年齢検査」ともいわれるAMH採血が認められていないことです。AMHは採血時期を問わず、現状の患者さんの卵巣予備能を評価するのには最適であることは世界中で認められており、今回は一般不妊治療では測定が認められず、体外受精を決心してから初めてその検査が認められるシステムでは高齢不妊患者が多い日本の現状には合わないのではないかと思います。次には不妊治療は通常の病気とは違い次世代の生命をも扱っている医学です。夫婦単位の治療は当然のことながら、妊娠した場合の胎児への配慮が一番になされるべきです。すなわち現在妊娠中に風疹感染があると胎児に種々の奇形などの問題が起こることは広く知られています。その抗体価の有無を治療前にチエックすることが保険では認められていません。また日本では不妊初診での患者さんへHIVのチエックをすることが出来ません。個人的な経験で恐縮ですが米国でARTの修行時に、このエイズウイルスが親から培養受精卵に感染した症例があり、当然この卵は破棄され不満のある両親から担当の指導医へ医療訴訟が起こされた経験があります。現在のコロナ感染も妊婦が感染すると重症化することが判明していますがこれら最近のウイルス感染が胎児に及ぼす影響ももっと重視されるべきだですし、防げる悲劇は予防するべきと考えるのは私だけでしょうか? よく不妊治療では「生まれた子供の幸福が最重要」といわれますが親が出生児を法律的に認知することが今回両親に求められていますが、医学的に母から児への{垂直感染}の危険性予防の視点が今回の保険化ではすっぽり抜けているように感じます。此れには混合診療を認めないとの日本の保険制度に特有の問題ともいえますがこの点は早急の改善を望みたいと考えます。まずは出発した不妊保険制度です。患者さんも医師も一緒にさらにより良き制度へ向かうように、しかも日本の少子化へ少しでも貢献できるように頑張りたいと考えています。

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