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HRTを上手に使えば子宮癌、卵巣癌の発生が減少することは理解できましたが、乳癌についてはまだ心配です。

[2016.01.15]

厚労省の人口動態統計よりみると、2000年には乳癌で9千人が死亡しており胃癌(1万8千人)、大腸癌(1万6千人)、肺癌(1万5千人)、肝臓癌(1万人)に次いで、乳癌死亡は胆道癌、膵臓癌とほぼ同程度です。

現在20才の女性が80才になるまでに乳癌になる割合は米国では8人んに1人、しかし日本では33人に1人とききわめて低い率と予想されています。

また乳癌にはかかりやすいリスクファクターがあり、出産未経験、肥満症、初潮が早く、閉経が遅い、喫煙習慣や一部親からの遺伝子を受け継いだ時(ユダヤ人に多く、日本人には少ない)などありますが、欧米に比べると、予想より発生率は明らかに低く、欧米でのデータをそのままあてはめるのは危険です。

HRTとの関連では、

  1. 連続的に平均11年間使用すると、乳癌発生リスクは高くなる
  2. やせの人の方が増加率はやや高い
  3. HRTを中止して5年以上たつ

と、その影響はなくなることが確認されていますが、これらはすべて欧米の白人女性を対象にした研究であり、環境や食事、遺伝因子の異なる日本人のデータは今のところありません。

現状でも5年以内のHRTは乳癌発生には関与していないのは明らかで5年を1つの区切りとしてHRTを考え、予防法はないので、自己検診と定期検診(触視診プラス画像診断)を1年1回は必ず行いましょう。

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