12年間にわたり治療を続行。ついに妊娠に成功された患者さんより
まさか自分たちに妊娠して卒業する未来がくるとは思っていませんでした。10年以上治療をしてきて、期待しては落胆し年齢的に焦りを感じるのを繰り返すうちに心のどこかで、もう無理かな区切りをつけようかなと思っていました。そしてもし授からなかったとしても後悔無いぐらい頑張ったと、ソフィアレデイスクリニックで佐藤先生に見てもらってよかったと心の底から思って最後の治療をしました。でもまさかこれで終わりと思った治療でこんな奇跡がおこるなんて・・・そしてずっと一緒に頑張って寄り添ってくれた佐藤先生に「よかったね」と言ってもらえる瞬間がくるなんて・・あの言葉はすごくすごく嬉しくて忘れられません。受精卵が出来る―分割する―戻す―と超えるハードルが多すぎて、妊娠できた今も1日1日がガラスのように壊れてしまいそうな不安と怖さが心に常にありますが、無事にこの世に誕生してもらって佐藤先生に抱っこしてもらうのを夫婦ともども夢見て今この時間を大切に過ごしてゆきたいと思っています。先生のお仕事大変とは思いますがどうかお身体に気を付けてください。本当にありがとうございました。
主治医からのコメント:この患者さんは28歳より当院で治療を開始して重症な男性因子にために顕微授精を繰り返したご夫婦です。12年の間には当院と共に、男性不妊の泌尿器科医や、友人で日本での未熟精子治療の第1人者でもある専門医の協力を得ながら、最後の凍結卵で妊娠されました。おそらく私にとっても最も長く医師として診察させていただいた患者さんです。「これを最後にします」との言葉を聞いたときには何かなんとも出来なかったとの申し訳ない気持で落ち込んだことを覚えています。しかしこの最後の移植で見事妊娠され、現在では分娩を待つだけとなっています。本当によく頑張りました。苦労してできた子供は必ずよい子に育ちます。不妊治療医としての人生でも忘れられない患者さんの1人です。