肥満症はなぜ問題なのでしょうか?
肥満症は脂肪過多症とも言い、体内脂肪蓄積が大きすぎる状態を言います。
通常は肥満指数(BMI体重kgを身長mの2乗で割った値)で示し、理想体重の30%以上を上まわると肥満として取り扱います。
その原因は単純で、食べるエネルギーの方が使うエネルギーを上まわるからで、これに遺伝的や環境的、社会的因子が関与しています。
遺伝的には肥満調節のレプチンという物質が肥満細胞で作られ、これがある程度遺伝的に決定されていると言われ、特に危険な内臓脂肪の蓄積がより関与しています。
「座りがちの生活」は肥満を促進する因子で通常エネルギー消費が上昇すると、食物摂取も上昇(若い時代)するが、肉体活動が低下(更年期・老年期)しても食物摂取量は比例して低下せず、いわゆる中年太りになる。
すなわち運動・活動量の低下は実質的に食物摂取が増えたのと同じこととなります。
また、女性では特に出産ごとに体重増加をする群が15%も存在することです。また、ダイエットでは脂肪細胞のサイズは減らしますが、数が減りませんので、再びサイズが戻るリバウンドが見られます。
そのほかに内分泌原因での肥満もよく見られ、多のう胸性卵巣症候群(PCO)は不妊患者に多く、肥満の合併がよくあります。肥満が重要なのはそれがもたらす心身への悪影響で、その原因は内臓脂肪過多でこの結果糖尿病高インスリン血症・高脂血症・高血圧症などを引き起こし結果的に心臓病に結びつきます。
ただし標準以下の痩せも問題があり、理想体重の維持は健康生活の第一歩です。