精子は暑さ・寒さに弱い(院長コラム)
[2019.12.01]
これから本当に寒い日々を迎えます。人工授精や体外受精では精子を自宅採取してクリニックまで運搬することが一般的になっていますが、その際どのような工夫をされているでしょうか?タオルに包んだり、胸の間に挟んだりと患者さんはそれなりに努力していますが、厳冬となるこれからのシーズンは温度低下が精子にとっては鬼門と考えられます。ある研究によると特に寒い日には3時間以内ではほぼ其の運動率が0%に近くなることが発表されています。37度C以上の場合も低下するのですが、其の率はそれほどではありませんが12時間たつと運動率は約3分の1となります。これらのことより最近では運搬中の精液温度を25度Cに保って保存・運搬できる精子運搬専用の小型のポッド容器が開発されています。これを使うことにより12時間まではほぼ精液性状を変わりなく保てるので暑さ寒さに関係なく安心して運搬できます。しかも繰り返し使えますのでAIHからIVFへとこれ一つで安心して精子運搬が出来ますし、採取から1時間とかの制限も不要となりますのし、値段も2千円弱と手ごろですので夫婦専用のポットとしてぜひ利用されてはいかがでしょうか?