米国でも3分診療?〔院長コラム)
日本では外来時に多くの患者さんを診るシステムのため、患者さんへの対応時間が短いことが良く話題になり、3分診療などと揶揄されますが、患者ファーストと思われている米国でも同じような傾向があることが8月報告されました。フロリダ大学のOspina氏らの報告では2008年から2015年にわたり米国の著名な病院であるメイヨー・クリニックとその提携医療機関で実施された臨床試験の一環として、録画された112件の医師と患者さんの対話〔300人の医師と700人の患者)を分析した結果、診察時に医師が患者から不安や心配事を聞きだしていたのはわずか36%であり、しかも全体の67%は患者が話し終える前に医師が途中で話を遮っていた事も判明したという。患者自身が抱えている問題について話せる時間はたった11秒程度であった。この傾向は専門医ほど強いとのことでした。わたしが在米当時は米国では予約制のゆったりとした専門医の診察しか知らなかったのでこの報告にはショックを受けました。この背景には最近のコンピュータでのデーター蓄積をして診断治療を決めるという、いわゆ」AI診療が関係しているのではないかと感じます。日本でもすでに厚労省は大きな関心を持っており、すでに一部ではこのAI診断治療が現実開始されています。コンピューターが診断治療を決めるとなると医師個人の経験や知識の関与はわずかなものになり、医学が無機物化して行く事もありえます。患者さんの側も積極的にわからないことや疑問点は診察前にまとめておいて、要領よく医師に積極的にアプローチする必要があると思います。〔Q&Aの婦人科受診の仕方の項も参考にしてください)