第50回日本不妊学会
[2016.01.15]
アンタゴニストは体外受精の卵質を改善するか?
(平成17年11月:熊本)
昨年の旭川に引き継がれて、今年は熊本市での日本不妊学会50周年記念大会での発表でした。
今、世界的には体外受精の卵巣刺激コントロールには従来の点鼻薬であるアゴニスト(ブセレキュア、スプレキュア)などに代わり、効果の確実であるアンタゴニスト(セトロタイド、ガレルレックスなど)が用いられることが多くなっています。
日本ではまだ臨床に使われていませんが、一部の施設では、すでにアンタゴニストが主流となりつつあります。
当院でも約3年前より厚生労働省の許可を得て、セトロタイドを輸入し、希望の患者さんに使用しており、体外受精の成績を従来のアゴニストと比較し、アンタゴニスト方の優位点を検討した。
アンタゴニスト使用により、採卵数、受精卵数などに変化はなかったが、良好卵割合と妊娠率は上昇し、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)発生は減少しました。
体外受精の刺激周期で、アゴニストで失敗した例で、アンタゴニストの使用は有効と考えられます。