着床の窓とは何でしょうか?
[2016.01.14]
最近の着床に関する研究で、着床するのには子宮内膜に最適の時期があり、受精卵の到着が、その時期と少しでもずれていると着床が難しくなるという報告があります。
この最適の時期のことを『着床の窓』といいます。窓が開いている状態のときに、胚がランディングすれば着床することができますが、閉じてしまうと着床できなくなってしまうというものです。
自然に妊娠するような人の場合は、この最適の時期が3~4日と長い傾向にあります。不妊の人は窓が開いている状態が1~2日と短い傾向にあり、また、加齢とともにこの期間が短くなるといわれています。したがってこの着床の窓が空いている間に子宮内膜と卵が相互関係を持って「着床」出来ればそれが妊娠の成立といえます。
体外受精あるいは顕微受精を行っても妊娠しない場合には、この着床の窓が閉じている時期に戻している可能性や、着床に関与する物質があり、これらの利用や解明でこの窓を少しでも長く開けておくことができれば、着床率はアップするにちがいないと研究者たちは考えています。現在、その研究が進められているところですが、いずれにせよ、『着床の窓』理論は、いままでブラックボックスといわれていた着床のプロセスの解明に一歩近づけるものとして、大いに注目されています。