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特別養子制度について(院長コラム)

[2019.03.18]

不妊治療では成功しない場合どこで治療を中止するかが難しいとの相談を良く受けます。従来の養子制度に加えて最近では、特別養子制度が受けやすくなってきています。文芸春秋誌2019年1月号に女優の瀬奈じゅんさんが7回の体外受精後にこの特別養子制度にて赤ちゃんが我が家に来たことを報告しています。「友人の妊娠を喜べる私でいるうちに、不妊治療を終わらせよう」と考えたご夫婦は制度について勉強をして、やむにやまれぬ事情で生みの親が育てられない赤ちゃんを実子として迎えるのがこの特別養子制度で、従来の普通養子制度とは異なり、生みの親とは関係なく自分の子供、実子として育てることが出来ます。家庭裁判所の審判を経て、実子として籍に入った子供を得られた彼女は、不妊治療で精根尽き果てる前に「特別養子制度という選択肢がある事」を多くの方に知ってもらいたい、そして特別養子縁組の親子が将来特別視されない世の中になって欲しいとと不妊治療の経験者として述べておられます。仕事でへとへとに疲れ、這うように帰宅したときにも、子供に会えるだけでウキウキすると実感しておられます。私も米国留学中に多くの白人のアメリカ人が東洋人であったり、黒人の子供を養子として迎えている例を目にしてきました。キリスト教では血縁に関係なく世の中が子供を育てるのが当然という意識があるためでしょうが、このご夫婦と赤ちゃんにも素敵なこれからの人生が待ち受けていることと思います。幼児虐待のニュースが続く昨今何かほっと心和む記事でした。

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